小学生から。

中学生になって、劇的に変わったことがある。

それは、女の子を意識するようになったということだ。エヘヘ。

どうしたら、女の子にかっちょいいって思ってもらえるのだろうか。

それを真剣に考えるようになった。

そして、今の自分を変えないとイケナイ。そう思うようになった。


若林で見た空


今までのボクは、どう考えてもまずかった。

好きなものは、オタマジャクシとカブトムシ。

好きな音楽は、美川憲一の柳ヶ瀬ブルース。

好きなスポーツは、三角野球。

休みの日は時間があれば、プラモデルを作るかコマを回していた。

う~む、むりだ。

これでは一生女の子に振り向いてもらえない。

女の子が、目の前を通り過ぎてゆく。通り過ぎて去ってゆく。

去り行くのみの女性たちの後姿を、ボクは一生見送らなければならないのか・・・。

中学生になりたてのボクは、悩み多き少年だった。若きウエルテルな少年だった。

そんなボクに、餓死しそうな位やせていた同級生「がしクン」*1が、ナイスなアドバイスをくれた。


*1「がしクン」本名、Yもとクン。中学1年生の時の友だちだ。小学生の時、一緒にSら鳥塾に通った仲間。絵が上手で、ボクらは画伯と呼んでいた。そんな「がしクン」とボクは中学1年生で、同じクラスになったのだ。


「GINクン。女の子は洋楽が好きみたいだよ。」

なるほどって思った。

今までのボクは、ヒデとロザンナだったし、美川憲一だったし、三波春夫だった。

それでは女の子にはもてない。女の子と音楽を語るのなら、これからの時代洋楽だ。

洋楽を聴く。

それは、ボクの体の中の歯車の一つが、にわかに逆回転を始めるくらい。

大きな大きな変化だった。