扇風機は首を振る。

その場合、「端っこと真ん中」。どちらがお得なのだろう。

子どもの頃、ボクはそれがすごく気になった。

そして当然、観察した。

扇風機が首を横に振るところをずっと見て・・・。

端っこと真ん中。どっちがお得なのだろう。


若林で見た空


ボクは先ず、風が当たる回数を数えた。

すると、明らかに真ん中の方が風の当たる回数が多かった。

あなたも数えてみれば、すぐにわかります。

端っこが風を1回受ける間に、真ん中には2回風が当たる。

「と言うことは、真ん中に座った方がお得だぞ。」

って思うかもしれないけど、ことはそんなに単純ではなかった。

なぜなら・・・。

ボクの家の扇風機は非常に古く、レスポンスがとってもゆるかったからだ。

なので、ギギギギーっと言って首を振り、端っこまで行くと、そこで反対に首を振り返すまでの間、かなりの休憩時間があった。ギギギギーって言って。

端っこで首が止まってしまうのだ。「あれっ?もしかして、首振り止めちゃったのかなぁ。このまま首を動かすのが、いやになっちゃったのかなぁ?」って人々が心配をし始めた頃。

扇風機はまた、ギギギギーって言って、首を振り出すのだ。

これは、重要な問題である。

真ん中と端っこ。風の当たる回数で損得を考えるのではなく、風に当たる時間に視点を当てなければならない。

なんて研究は、その後。

ボクの小学生の頃の自由研究のテーマとなり、結果と考察についての論文は担任の先生をうならせ、そして呆れさせた。