子どもの頃。

おにぎりの中身は必ずや、梅干しだった。

梅干しがしょっぱくて、酸っぱくてうまかった。

今思うと、厚い夏に持ってくお弁当。

いたまないようにという、日本人の智恵も含まれていたのだろう。

ところが、小学校高学年の頃から、おにぎりの中身に新たな具材が加わった。


若林で見た空


おかかだ。

ボクはおかかのおむすびを初めて食べた時、狂喜乱舞した。

こんなにうまいおむすびがかつてあったか。

そう思った。

それ以来、母親にはいつも、「お願いですから、おにぎりにおかかを入れてください。」と頼むようになった。

「お願いですから、おかかでいってください。」

「おかかでやってください。」それが、ボクの決まり文句になった。

時は流れた。

今や、おにぎりの中身はとんでもない事態に至っている。

エビ天麩羅あり。

シーチキンあり。

明太子あり。

世の中が、いろんな意味で進化している現在。

おにぎりだって、負けてはいられない。

ということなのだと思われる。