小学生の頃のボクの学校は、なんと。

木造校舎だった。

木造校舎はいかにも古く、こりゃきっと何かがあったらぶっ壊れるぞという感じの建物だったけど、逆に言うと味わい深く、寝っころがると気持ちいい感触だったことを今でも覚えている。

ボクらアホな男子にとって、木のぬくもりのある床は、そのまま広いベッドだった。

休み時間は、「ヒャーヒャー」言ってそこで遊んだ。


若林で見た空


小学校2年生頃になると、「お当番制度」というのが導入された。

お当番制度は、最後まで残り、窓の鍵を閉めていくという重大な役割をいたいけな子どもたちに課すという、厳しい制度だった。

これを忘れて帰ったりしようものなら、翌日また当番をやらされた。

だから、連続何週間も当番というツワモノさえ、クラスにあらわれた。

ボクは・・・。

当番が好きだった。

木造校舎の窓の鍵は、今のようなクレッセントではなく、ねじが付いた鍵だった。

それを、穴に入れてネジネジっと回すと、鍵がかかった。

最後のキュッとなったところで、「お~、鍵がかかったぞ」という成就感を味わえた。

そんな時。

ボクは子どもながらに、「あ~、今日もよく働いた。」って思った。

そして・・・、「家に帰って一杯コーヒー牛乳でもひっかけて寝よう。」

なんて考えながら教室を出て、我が家に向かった。