BGM:ホリデー
http://www.youtube.com/watch?v=r33wadrQoXs
中一時代。
中学生になって仲良くなったサルに似たNか村クンと、小学生の頃から仲良しだったやせていて餓死しそうな体型からガシクンと呼ばれていたY本クンとボクは毎日、同じ校舎1階渡り廊下を掃除していた。
でも・・・、3人は、イケナイことに、来る日も来る日もしっかり掃除をしなかった。
「もう、GINクン。ちゃんと掃除しなさい。」って女子にどれだけ叱られたかわからない。
でも、ダメだった。
3人は一緒にいると掃除中、ついついほうきをギターに見立てて、歌を歌った。
曲名は、「トゥエンティーセンチュリーボーイ」。
もちろん、でたらめ英語。
「ジスイズアペン」しかわからないアホな3人組だったから、それは仕方のない話だった。
アホな3人。ほうきを腰に当てて、シャウトする。
その姿に、女子は呆れた。
「アホはうつるから、相手にするのを止めようね。」そんな感じで、彼女たちは次第にボクらから遠のいていった。
やせていて餓死しそうだから仇名がガシクンだったY本クンはその後。
ボクらにいろんな歌を教えてくれた。
それは、サイモンとガーファンクルの「冬の散歩道」だったり。
アルバートハモンドの「落ち葉のコンチェルト」だったり。
ギルバートオサリバンの「アローン アゲイン」だったり。
カーリーサイモンの「虚ろな愛」だったり。
カーペンターズの「トップオブザワールド」だったりした。
みんなみんな、心震わせる名曲だった。
ボクは、それら一つひとつを知るたびに、心がビビビとなった。
ビビビとなったからには腰にほうきを当てて、それらを歌わずにはいられなかった。でたらめ英語で。
そして・・・。
ボクはとうとう中1時代、一番心を震わせる名曲と出会うこととなる。
ミッシェル・ポルナレフ。「愛の休日」だ。
愛の休日。
そうか・・・。愛にも休日があるのか。
愛には出勤日もあれば、定休日もある。愛は実に奥深い。そう思った。
ボクもいつの日か、キレイなお姉さんと、「愛の出勤日」や「愛の定休日」や「愛の夏休み」を過ごしたいなぁって思った。
ミッシェル・ポルナレフ。透き通るような美しい歌声。
魅了された。
ボクは、将来ガロになろうという夢を捨て、将来はミッシェル・ポルナレフになろうと。
そっと心に誓った・・・。