淡い初恋消えた日は

雨がしとしと降っていた

傘に隠れて桟橋で

一人見つめて泣いていた・・・。


若林で見た空


森昌子さんが歌った、「せんせい」。

スター誕生でデビューした彼女のこの歌はとても売れた。

森昌子さん。

髪の毛がクルクルだった彼女はまだ中学生だった。


中学生が歌手デビュー。

それはボクにとって、驚くべき出来事だった。

同じ中学生として。

実にウラヤマシイ出来事だった。

その後、桜田淳子さんと、山口百恵さんがデビューする。

彼女たちも中学生だと知った。

ボクらは驚き、悶絶し、ひっくり返った。

サルに似たNか村君は、「GIN君。こうなったらスター誕生に出よう。」そう言い出した。

スター誕生に出て。歌手としてビューして。

彼女たちに加わり、中3カルテットを組もう。そう言ってきた。


「でもね、Nか村クン。」

ボクは冷静に言った。

「Nか村クンとボクが彼女たち3人に加わったら5人組だからカルテットじゃなくて、クインテットなんだよ。」

「へっ?」

Nか村クンは目を丸くして言った。「そうなの?」

「それからNか村クン。」

「ボクらは中学2年生だから、彼女たちと一緒にクインテットを組んでも、中3クインテットにはならないんだよ。」

「うっ。」

Nか村クン。今度は目をグルグル回してた。


こうして、ボクとNか村クンは、彼女たちとクインテットを組むのをやめた。

中学2年生の時のお話である。

かぐや姫が歌った「神田川」にビビビとなった時代である・・・。