ボクの記憶が正しければ。

子どもの頃ボクが使っていた三角定規には、ペンギンの絵が描かれていた。

地球とペンギン。

青いビニル袋の入れ物に入った三角定規には、ちっちゃなペンギンと地球の絵が描かれていた。

小学生の頃。

それはまだボクが、カッパからペンギンに変化する前のお話だ。


若林で見た空


ところで、三角定規には丸い穴が開いていた。

ちっちゃなちっちゃな丸い穴。

あのちっちゃな穴には、しっかりとした意味があったようだ。

ところがボクらは直角三角形の三角定規の穴の意味も理解せず、穴に人差し指を入れてはピストルごっこをし続けた。

ピストルと言っても、鉄の弾丸が飛ぶピストルじゃないよ。

光線銃だ。ビビビ。

「ビビビ~」と叫んで、教室内を走り回りながら直角三角形の光線銃を撃ちまくるお勉強のできないアホな男子を、女子たちはどのような目で見ていたのであろうか。

きっと、「お前らは子どもか。」という目で見ていたに違いない。

でも、ボクらは「まがう方なき正式な子ども」だったからそれは、休み時間中許された。

ただし、授業中になってもビビビとやってたAつクンは。

担任の先生に、雷を落とされていた。