小学生の冬休み。

家の者に「遊びに行ってくるね」と行って出かけた先はいつも。

近所の主要幹線道路。町で唯一アスファルトで舗装された道路だった。

僕らはそこで、駒を回した。

断っておくけど。

普通の道は凸凹な砂利道。そこでは駒は回らない。だから、ボクらはわざわざ近所の幹線道路まで行って、駒を回したのだ。


若林で見た空


ところがここに、一つだけ問題があった。

それは。

車がジャマだということだ。

ボクらがせっかく駒を回して遊んでいるのに。

途中で、車がプップーといって来るのだ。

「う~ん、まったくぅ。駒回しと運転と、どっちが大事だと思っているんだ。」

ボクらは憤慨した。

「せっかく駒が回せるように道が舗装されていても、こんなにたくさん車が通るようじゃ、意味がないじゃないか。」

いつもでたらめなAつクンがとてもいいことを言った。

「だから車社会はダメなんだよ。」

何をやってもあやしいK杉クンが続けた。

「こういうのを交通戦争というんだ。そして被害者はいつだって、ボクら子どもたちだ。」

いつも真っ黒に焦げた食パンを食べていたFしみKつおクンもさらにそれに続けた。

こうして。

理不尽な車たちと戦いながら、ボクらは冬休み中、幹線道路で駒を回し続けた。


そして、ある時。

何をやってもでたらめなAつクんが今度は、その幹線道路にローラースケートを持ち込んだ。

「うぉ~。かっちょいい!!!」

ボクらおバカな小学生は皆、親にせがんでコーラースケートを買ってもらった。

その後。

ボクらは、幹線道路で命をかけて、ローラースケートをすべることになる。

今思うと。

今思うと、本当に迷惑な小学生たちだった・・・。