燃えよドラゴンを見た男の子は。

ある衝動にかられる。つまり・・・。

ヌンチャクが欲しくなるのだ。

ヌンチャクを持って、グルグル回し、「アチョアチョー」と叫びたくなるのだ。

特に、単純でアホな少年ほどその衝動は強かった。

だからボクは、ヌンチャクを買った。いや、母親にせがんで買ってもらった。

母親は、「あほらしい」という顔をしながら、ヌンチャクをボクに与えた。

ヌンチャクを与えられたアホ少年。

彼はその日から、「アチョアチョー」と叫ぶ少年となった。


若林で見た空


ところがこのヌンチャク。下手に振り回すと自分の頭にコポッと当たった。それが痛いのだ。

ヌンチャクの先っぽが頭にコポっと当たるたびに、絶望的な気持ちになった。

考えてみて欲しい。そんなブルースリーを想像できるか?

頭にコポっとヌンチャクが当たり、「イテテテテテ」と叫ぶブルースリーを、あなたは想像できますか?

でもでも。ボクはそうだった。頭にヌンチャクをぶつけては、「イテテテテテ」と叫ぶ少年だった。

その後ボクは父親からヘルメットを借りることにした。

ヘルメットをかぶって、ヌンチャクの練習を始めたのだ。それは妙案だった。もう頭にコポっと当たって、「イテテテテテ」にはならない。もちろん、体のいたる箇所にヌンチャクは当たり、痛いことは痛かったけど頭痛に比べれば我慢できた。

そうしてボクらは少しずつヌンチャクの上手な使い手になった。

「アチョアチョー。」

燃えよペンギン。ブルースGINは、こうしてアホらしい少年へと見事に成長していったのだ。メデタシメデタシ。


ヘムレン・スカイウォーカーさん。ありがとうございます。今日はヌンチャクでブログを書かせてもらいました。