「アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」その2 国立新美術館 | サーシャのひとり言

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音楽や絵画など日々見たり聴いたりしたことの備忘録的ブログです。

「アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」
国立新美術館
の続きです。


パオロ・ヴェロネーゼ「レパント海戦の寓意」1572
今回、特に見たかった作品の一つ。構図の素晴らしさに圧倒されます。
画面下半分にキリスト教連合軍がオスマン帝国を破ったレパントの海戦が描かれ、上半分には画面中央の白い服の女性(ヴェネツィアもしくは信仰の擬人像)が聖母マリアにひざまづき、聖ユスティナ(剣を持っている。レパントの勝利の日はこの聖女の祝日だった)や聖マルコ(ヴェネツィアの守護聖人。白い服の女性の右)が彼女を推挙しています。




ヤコボ・バッサーノ「ノアの箱舟に入っていく動物たち」1580



パドヴァニーノ「オルフェウスとエウリュディケ」1620
暗闇に左足を下ろして夫に背を向けるエウリュディケの様子や、オルフェウスの足元に居る双頭の犬ケルベロスから、振り返ってしまったエウリュディケが冥界に戻される場面を描いたものでしょう。白く浮かび上がる肌と舞い上がるような緋色のマントが何とも言えないです。



ドメニコ・ティントレット(ヤコボ・ティントレットの次男)「キリストの復活」1580
眠り込んだ前景の2人と対照的に輝かしくきりりと腕を伸ばす復活のキリスト。
絵葉書からの写真ではわかりにくいのですが、光りながら柔らかくくの字を描くキリストの姿勢と色彩がが本当に美しい。



カリアーニ「男の肖像」1510



購入した絵葉書や図録からの写真なので全体に白っぽくなってしまいましたが、実物は比較にならないほど明暗のバランスが美しかったです。
まだ開催期間は始まったばかりですので、興味のある方は是非。おススメです。