今日も朗読ですよ~![]()
今日のお話は、【手動の自動の真心】です![]()
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いつも僕が瀬戸内海七福神セットの
お魚定期便を贈る場所のヤマト運輸さんの贈り場所での出来事。
いつものように荷物を持っていって、伝票を貼って、台車を押して…。
その瞬間だった。
「スッ」と誰かが横に来て、そっと扉を開けてくれた。
顔を上げると、笑顔の同僚がひとこと。
「おつかれさま、寒いね」
胸の奥がふわっと温まる。
それはきっと、機械のように見えて、心がこもった“手動の自動”。
そう、「手動の自動の真心」だった。
たとえば――
子どもの頃、朝の教室で少し照れくさそうに立っていたぼく。
「お母さん、今日何着ていけばいい?」と毎朝聞くのが日課だった。
押し入れの奥からそっと取り出してくれたセーター。
袖を通すと、まだほんのりお日様の匂いがした。
あのときも、お母さんは誰に見せるわけでもなく、ぼくの一日の始まりを優しく包んでくれていた。
――それもきっと、「手動の自動の真心」![]()
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朝、まだ夢のなかをさまよっていると、トントン、と台所から包丁の音が聞こえてくる。
目をこすって食卓へ行くと、湯気のたった味噌汁の香り。
焼き魚とおにぎり。
「早く食べんと冷めるよ」と言いながら笑うお母さん。
それが毎朝続くから、子どものぼくは「当たり前」と思っていたけれど、
あれはすべて、ひとつひとつ手で動かしてくれた愛だった![]()
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――やっぱり、「手動の自動の真心」。
冬の寒い朝、父が潜り漁から帰ってくるころ、外は凍えるような風。
でも、家の中には湯気が立ちのぼっていた。
「おかえり」と声をかける前に、お風呂のふたが「カタン」と開いて、湯気がもくもく。
お母さんがもう準備していた。
父は黙って湯に入り、「ふぅ」と一言だけ。
言葉はいらない。
湯気の向こうで見えた背中に、あの日も「手動の自動の真心」が溶け込んでいた![]()
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夜、遅くまで遊んで眠たくなったぼくが、「もう眠たい〜」とつぶやくと、
部屋の隅にふわふわの布団が敷かれていた。
布団の中はあたたかく、まるで時間ごと包み込むよう。
「いつの間に…?」
そう思って振り返ると、台所でお母さんが洗い物をしていた。
その背中を見て、心の中で“ありがとう”とつぶやく。
でも、口に出す前にお母さんが言った。
「今日も元気にありがとうね」![]()
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ぼくの“ありがとう”を、先に受け取ってくれる人がいる。
それは、何よりも深い愛のかたちだった![]()
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――そうして思う。
何気ない日常の中にこそ、“自動”のように感じるけれど、実はすべて“手動”で動かしてくれていた真心がある![]()
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服を出してくれた手、
ごはんを作ってくれた手、
お風呂を沸かしてくれた手、
布団を敷いてくれた手。
その一つひとつが、誰かを想う“ありがとう”の動作でできている![]()
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そして今日もまた、
ぼくの手も、誰かの心を温めるように静かに動き出す![]()