今日も朗読ですが、2025年を振り返ってみてほしいな~という
内観質問です![]()
聴いていると問いかけになっていますので、走馬灯のように少し2025年が
あなたにとってどんな一年だったか想いだしてみてくださいね![]()
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今日も朗読ですよ~![]()
今日の朗読はまぁしぃさんのお話 【太刀魚に感謝♪】です![]()
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瀬戸内の朝は早い。
まだ陽が昇る前の静かな港町。
潮の香りがふわりと漂う中、
漁師の息子・まぁしぃは、今日も包丁を手に太刀魚を捌いていた。
「まな板、もうちょい奥だな。」
そう言いながらまぁしぃが位置を直すと、隣では先輩の“ゆき班長”が笑いながら
鼻歌を口ずさんでいる。
「班長、その歌、昨日のライブのやつですか?」
「そうそう。まだ耳に残っててさ。」
もう一人のゆきちゃんは、音楽仲間でもありエプロン姿で包丁を構える姿。
「こうやって魚を捌くのやっぱり楽しいねぇ。」
「それそれ。太刀魚が会話を聞いてくれてるね」
まぁしぃは優しく笑って言った。
テーブルの上にはピカピカ光る太刀魚が並び、3人の手元に瀬戸内の海の命が集まっていた。
頭、お腹、胴体、しっぽ――。
4等分に分けていく作業を、3人はまるでリズムを刻むように繰り返していった。
まな板の上では包丁の音が小気味よく響き、まるで海辺のセッションのようだった。
「まぁしぃ、あの頃思い出すねぇ。小学校の頃に掃除で一緒にちりとりでゴミを集めてた時間。」
ゆき班長の言葉に、まぁしぃは照れくさそうに笑った。
「そうでしたね。あの時、ゆき班長に掃除をする楽しさを教わりました。」
ゆきちゃんが笑いながら言葉を重ねる。
「掃除にありがとう、魚にありがとう…音楽も同じかもね。
音も命も、扱い方ひとつで全然違うものになる。」
その言葉に2人は頷いた。音楽も海の仕事も、心の向け方ひとつ。
真心が通えば、命はちゃんと応えてくれる。
内臓を丁寧に取り除いて、海の香りがふっと広がる。
この香り、懐かしい。」とゆきちゃん。
「うん、わしらのふるさとの匂いだ。」
とまぁしぃ。
「ほんとにそうだね。」と
ゆき班長が静かに言う。
それぞれの手が止まり、3人の視線が一瞬、まな板の上の太刀魚に集まった。
銀色の体が、まるで“ありがとう”と光っているように見えた。
「まぁしぃは漁師何代目になるん?」
「先祖代々漁師でひいひいじいちゃんも漁師していたと思います!」
「すごいなぁ。海と共に生きるって、そう簡単なことじゃないよ。」
「でも、こうやって手伝ってもらえると嬉しいんです。魚を捌くって、
一人じゃできないことが多いんですよ。」
ゆき班長が頷きながら笑う。
「魚も人も、分け合って生きるもんだな。」
ラップで包まれていく太刀魚の切り身を、一つひとつ積み重ねながら、
まぁしぃは小さく手を合わせた。
「今日も海に、魚に、仲間にありがとう。」
ゆきちゃんが笑顔で言った。
「ありがとうって言葉、ほんとにあたたかいね。心の波が穏やかになる。」
「そう、波が立たないように生きるのも漁師の知恵だよ。」
と班長が冗談めかして言い、3人の笑い声が台所に響いた。
その笑い声の向こうには、遠くできらめく瀬戸内海。
世代を超えて続く“ありがとう”の心。
魚を捌く音も、潮の音も、そして3人の会話も、全部がまるで一つの歌のように流れていった。
今日もまた、海と人の物語が、静かに、やさしく紡がれていく。
こんな素敵なお話です。聴いてくださいね![]()
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