こだわりオプション解説の第9弾は、前回紹介した「屋根材(ルーガ・陶器瓦)」の下に隠れる、地味だけれど家づくりにおいて超重要な「ルーフィング(防水シート)」についてです。
瓦やガルバリウムなどの屋根材は目に見えるためこだわる方が多いですが、実は「屋根の防水寿命は、屋根材よりもルーフィングが左右する」と言っても過言ではありません。最終的に雨水の侵入を防いでいるのは、この見えないシートだからです。
秀光ビルドの標準仕様「Sルーフ」の正体と優秀さ
秀光ビルドでは「Sルーフ」というオリジナル名称のルーフィングが標準採用されています。詳細を調べたところ、これは三島工業の「ProA」という改質アスファルトルーフィングのOEM商品であることが分かりました。
建築業界にいる人間として、この標準仕様は「かなり良心的」だと評価できます。 建売住宅や極端に安いローコストメーカーでは、コストダウンのために「アスファルトルーフィング940」と呼ばれる旧来のシートが使われることが多々あります。
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ルーフィング940の弱点: 紙(原紙)にアスファルトを染み込ませただけのもので、温度変化に弱く、10年〜15年で硬化して破れたり縮んだりします。これが雨漏りの直接的な原因になります。
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秀光標準の「ProA(ARK04S規格)」の強み: ゴムや合成樹脂を混ぜ合わせた「改質(ゴム)アスファルト」を使用しています。非常に柔軟で、タッカー(釘)を打ってもゴムが穴にギュッと密着して止水する性質があり、耐久性は20年以上に跳ね上がります。
標準仕様のままでも、一般的な建売住宅とは比較にならないほどの安心感があります。
ドイツ・ウルト社の最高級ルーフィングを見送った理由
実はこのルーフィング選びにおいて、建築関係の知人から「ドイツのウルト社が作っている『ウートップハイムシールド』が一番良い。50年以上の耐久性がある」と強く勧められていました。
確かにウルト社の製品は「透湿性(湿気は逃がすのに水は通さない)」があり、世界最高峰の性能を誇ります。これを標準採用している工務店があれば、間違いなく素晴らしい会社です。 しかし、我が家は以下の理由から採用を見送りました。
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屋根材との相性: 今回我が家が採用したのは「ルーガ(軽量瓦)」と「陶器瓦」です。瓦屋根はガルバリウム鋼板とは違い、瓦の下に自然な「空気層・通気層」が確保されるため、ルーフィング自体に透湿性がなくても湿気が逃げやすい構造になっています。(もし屋根材をガルバリウムにしていたら、結露対策としてウルト社を採用していたと思います)。
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施工リスクと費用: 非常に高価であることに加え、施工方法が通常のルーフィングと異なるため、扱い慣れていない職人さんが施工すると逆に雨漏りのリスクになり得ると判断しました。
最適解:「スーパールーフ1号」へのアップグレード
秀光ビルドの標準(ProA)は優秀ですが、芯材に「ラグ原紙(紙くずなどを原料とした紙)」を使用しているため、「40年のメンテナンスフリー」を掲げる我が家にとっては、数十年後の耐久性にほんの少しだけ不安が残りました。
そこで我が家が導き出した答えが、同じ三島工業のワンランク上の製品「スーパールーフ1号」への変更です。
スーパールーフ1号は、改質アスファルト層の芯材が紙ではなく「厚手の合成不織布」で構成されています。これにより、シート自体の引っ張り強度が劇的に向上し、破れにくさが段違いになります。 ルーガや陶器瓦という超寿命な屋根材と、この強靭なスーパールーフ1号を組み合わせることで、我が家の「長期間メンテナンスフリーの屋根」が完璧な形で完成すると確信しました。
驚愕のオプション費用
この「スーパールーフ1号」への変更依頼をした際、最も驚いたのはそのオプション費です。 家全体の屋根のルーフィングをアップグレードして、秀光ビルドの標準との差額はなんと「約3万円台半ば」でした。
屋根の寿命を数十年にわたって守り、将来の雨漏りリスクと高額な修繕費を回避できる最強の盾が、たった3万円台で手に入る。費用対効果がバグっていると言っても過言ではなく、迷うことなく即決で採用しました。
外壁の「シーリング材」の時もそうですが、屋根も「ルーフィング」という見えない下地材にこそお金をかけるべきです。これから家を建てる方は、屋根材の種類だけでなく、ルーフィングの仕様についても絶対に確認することをお勧めします。
