2024年7月20日 中日新聞
--記事抜粋--
幼い頃から好きだったノートにペンを走らせる時間は、いつも自由でいられた。空の色や星の瞬きを飽きもせず眺めては詩にしたためた。「自分の内側から出てくる言葉を書き込んでいると『私で大丈夫だ』と思えた。どう生きて良いか分からない世界の命綱だった」と振り返る。
摂食障害になって10年が過ぎ、自助グループのNPO法人「あかりプロジェクト」(野々市市)に出合って次第に心が癒え、NPOの自家焙煎(ばいせん)コーヒーの開発企画に2019年に参画した。飲むことで自分自身の感覚に向き合う幸福感を味わってもらえるように「身体にこころが還ってくる」というコンセプトを考案し、「からこ」の名につながった。ノートにもそんな力があると気付き、仲間に製作を提案して試作を重ね、22年に発売した。