美しい朝。

美味しい朝食。

もうここを離れなければならない。いくら日本人ったって、短か過ぎるバケーションだ。

それにしても、今回思ったけど、一人バケイションっていうのはやっぱり淋しいね。

パリ一人旅、とかいうのとは違うんだ。

長期滞在だともっと淋しくなりそうなので、未練はあるけどこのくらいで丁度良かったのかも。

南の島を離れ、また、喧騒のバンコクに戻ります。

 

帰りもホテルの送迎を予約していたので、それに乗ってプーケット空港へ。10人乗りくらいの車に一人で乗る。

 

国際線の建物で降ろされたが国内線に乗るので向かいのビルに移動する。チェックインしようとすると、ちょっと問題がおきた。今夜はバンコクに泊るのか、空港に居るのか、としつこく聞かれ、勿論ホテルに泊まりますわよ、というとホテル名を聞かれ、やけに首をかしげて困った様子をされ、あげく空港税が別途必要です、と言われたので支払いをしたり、という事件があって、これは明日の大事件への暗示となるものだったのだが、この時は間抜けにも程があると言いたいくらい何も考えず、案内されたロイヤルシルクラウンジで御満悦、のオマヌケ。

だがこのラウンジは良かった。美味しいサンドイッチとジュース、コーヒーにクッキー。斜め向かいの席にはリチャード・ギア・・・・ではなくてリチャード・ギアによく似たロマンスグレー。ゆったりくつろいで、何事もなく、無事飛行機に乗った・・・んだろうな、と、思います、多分。 記憶が無いところをみると・・・。

 

バンコクはスワンナプーム空港に到着。電車に乗る、などという殊勝な気をすっかり無くすほどに堕落したわたくしは、又しても1階のタクシー乗り場に向かう。結果は、電車の方がましだったと感じるくらいのストレスをこうむることになる。

3度目のタクシー。まず、かなり不愛想な運転手。不愛想な上に悪徳運転手だったのでは?と疑っている。その上地理に詳しくないとなれば、ま、失敗と言えるでしょう。何しろバンコクの街のど真ん中のスクンビットにあるセントレジスホテルを知らないというのである。ナビだの運転手間の無線?だのでやっとこたどり着いたものの、メーターは470バーツで、高速料金95バーツは別に請求され、着いた時には何とか料ということで50バーツ加算された。セントレジスの入口でもめるのもアレなので、素直に(バカの様に?)言い値を支払う。タクシーに乗るのになんでこんなにストレスかかるのか。

 

かな~り、気分悪かったけど、ホテルに入ると機嫌が直ってきた。何しろ素敵なホテルなんだ。私はアメックスSPG会員の、何故か(多分入会のタイミングで)プラチナステータス、という事になっているので、安い部屋を予約していたんだけど、グレードアップされて、すごいお部屋に案内されたのだ。

広くて美しい。これ、本当に一人じゃもったいない。

余談だけど、アタシは、あんまり広すぎる部屋だの家だのは不要だと思っているのだ。人間が居る場所って、そんなにたくさんいらないって。ジョン・レノンは広大なお屋敷に住んでいたけど、使っている部屋はこじんまりした居間ひとつで、いつも大体ここに居るんだって言っていたよ。いつも居る部屋だから馴染んできて心地いいのよね。他の部屋はよそよそしく見えたよ。

 

それはともかく、今回私にはだだっ広い部屋が与えられました。どこに座るべきか迷いますわ。取りあえず、携帯の充電の問題を片付けてしまおう、と思ってバチュラー君に充電器の貸し出しをお願いする。ええ、ここバチュラーサービスというものがあるんですね。初めての経験ですが。ここに滞在している限り、何も困らない気がする。まあ1泊だけどね。面倒なことは頼ろう、と思って明日のスパのリコンファームもお願いする。何を隠そう、明日もスパするんですよね。相当な堕落ぶりですね。

 

素敵ですね。

 

さて、夕食です。ホテル内に食べるとこあるでしょう、と思ったが、ホテルマンが案内してくれたのは「日本風居酒屋」とは名ばかりのハードロックカフェ。音楽はうるさいし、どうせ高くて不味い日本食がでてきそう、と思ったし、居心地悪かったので、水を供されたタイミングであやまって、出てきてしまった。お店の女の子は張り付いた笑顔でおくり出してくれて申し訳なかったけど、我慢する義理も無いと思ったのでね。

 

でも、こんなことしたせいか、これから窮地に落ちるのである。意外にもこのホテル内には他にレストランらしきものが無い。仕方ないので外に出てみるとタクシーの客引きが並んでいる。サイアムパラゴンというショッピングモールが近いはずだと思い、「サイアムパラゴン」と言うと「100バーツ」、の声が。ま、いいか。目の前にBTS鉄道駅に通じる階段があったのだけど、ハイヒールを履いていたので少しでも歩きたくなかったのだ。で、結局ひと駅先だったのだけど、タクシーで到着。

 

ここにきて、100バーツ払った後の私の財布には50バーツくらいしか残っていなかった。デパートで両替すればいいや、と思っていたのだが、不幸にもパスポートをホテルに置いてきてしまったのだ。だから空港で両替えしとけばよかったのに~~~、なんか、このケチは両替を渋る癖があるんですよね~、レートがどうとか言って・・。これじゃ帰りのタクシー代も出ないではないか。銀行に行って頼み込むも相手にしてもらえない。「ダメダメ、出直して」みたいな感じで追い払われる惨めさ。ATMならOK、というのだが、やり方が分からない。ATMを使用している女性にすり寄っていき、「やり方分からないので見てていいか?」と、しどもど英語で頼んでみるも通じたのか否か、すごい不審そうな嫌な顔をされてしまった。まあ当たり前か。

 

話それるけど、去年香港に行った時も同じような失敗をしているのよね。適当なお店に入ってランチをしたのだが、その時もほとんど香港ドルを持っていなかった。(大体カード党だからね。)しかし、とてもカードが使えそうな雰囲気のお店ではなかった。食べながらそのことに気が付いて、冷や汗かくことしきり。食べ終わってびびりながら会計に行き、カードを出して断られると、驚く小芝居を打った。「こちらのカードは?」勿論2枚目も冷たく断られて驚く小芝居。もう無理、と思って「実は香港ドル無い。」と白状すると、会計の無表情な因業婆さんの眼が冷たく光り、奥から強面のお兄さんが・・・出てくることは無かったが、手にしていたサイフを取り上げられ、一万円札を抜かれてしまった。全部取られるのかと思ったがそうではなくて両替してくれたのだけど、さすがの因業婆さんの素晴らしいレート。だってお釣りに小銭が無かったからね、切り捨てってことよね。まあどんなレートでも文句言える立場で無かったのは言うまでもないけどね。

 

リアルタイムに戻ります。現金が無いというのは何とも心細いものですね。

とりあえず、お土産を買っておくことにした。ちょうど欲しかったものが目の前にあったのでね。今回のお土産はハーンの石鹸一択なのです。

2ダースほど買って、カードで支払う。他にお菓子箱なども少々。カードで支払う。あ~、こんなに好きなだけ買えるというのに、タクシー代の100バーツが無いとはなんと情けないことであるか。100バーツ、100バーツ・・。ハイヒールの足はよぼよぼだし、座り込んでお貰いさんでもしたくなる気分。100バーツくらい、恵んでくれる人いるのじゃないだろうか。だが、そこまでするくらいなら、と頭にひらめいた。大した案ではないけどね。日本人を探して両替えしてもらおう、と思ったのだ。うん、悪くない。という事で日本人探し。今回何故か、殆ど日本人に会っていない気がするのは気のせい?世界中にうじゃうじゃ散らばっているはずなんだけどな。眼と感を鋭く働かせながら、真剣に日本人を探す。飲食店フロアーのお店で一人で座っている若い男性にピンときた。「えー、エクスキューズミー、アー、ユー、ジャパニーズ?」「はい、日本人ですが。」あっさり返ってきた返事。懐かしい日本語。もう大丈夫だ、という安堵と喜び・・・。訳を話すと感じよく10000円ほど両替してくれた(しかもどうしてもと言って控えめなレートで。)旅の情けは身に染みるわ。ありがとう、ありがとう。このご恩はあたしもいつか誰かにお返しします。

 

はあ、やっと食べる気になった。気が付くとお腹ペコペコ。美味しそうなお店に入って、ラーメンのようなものをいただく。現金の有難さを思い知ったので、あえて現金を使わずカード支払いをしようとすると、カード支払いは300バーツから、とのこと。もう一杯ラーメンを食べたらどうか、と勧められたけどお断りして、デザートのアップルクレープ何とかと紅茶添え、を注文。ラーメンもどきは薄味のスープで美味しかったけどデザートと飲み物は妙な味だったな。不味いとは言わないけど、日本なら無い。つまり、やっぱり、不味いということかな。ま、違うから、面白いんだけど。

 

 

お腹もいっぱいになって、お土産も買えたし、少々気をもんだけど結果オーライで気持ち良くタクシーで帰る。オチとして、この時のタクシー代45バーツ也。50バーツなら持っていたから両替しなくても足りたのに・・・。

という事は、行きしなぼったくられた訳か・・・。

教訓、客引きのタクシーには乗るべからず。

 

 

ホテルの部屋で財布の整理をしていたら、チェックインの時に貰ったカードに気が付いた。なんと、セントレジスバーにご招待、と書いてある。ドリンク一杯とシェフからの心を込めた一皿、だと~!10時まで受け付け!10時10分前だったけど行ってみることにした。

 

そこは、ガラス張りで夜景の見える重厚な部屋で、セントレジスがセントレジスの威信をかけてつくりました、と言った感じに力の入った大人のムード満点のバー。こういうの、好きです。でも何故かお客さんは少なくて、サービス券持ってやってきたおばさん(オマヌケ)以外には遠方に一組だけ。

ドリンクは飲んでみたかったモヒートっていうのがあったので喜んで注文。喉乾いていたのでいちだんと旨かった。ミントとライム?シェフからは薄切りのバケットにトマトを載せて心を込めてトーストしたような一皿が届けられた。お腹は一杯だったので、失礼だけどこれは見るだけに・・。

4日目終了。