1.内山健『脱原発―原発は原爆と同じくらい恐ろしい―』出版
2015年6月14日
2014年末『脱原発―原発は原爆と同じくらい恐ろしい―』があずさ書店から出版された。
2011年東日本大震災にともなう福島第一原発事故は人々と環境に甚大な被害をもたらし、それから4年以上も経過した現在も完全な終息をみていない。
そこで昨年末、内山健『脱原発―原発は原爆と同じくらい恐ろしい―』があずさ書店から出版された。
内容は題名にも反映しているが、原発問題を学際横断的に分かりやすく分析したもので、原爆の開発から原発事故まで歴史的理論的に説明。豊富な62点の写真と4点の図表を収載し、高品質な用紙を用いながらも756円と廉価である。
原子爆弾も原子力発電も原理は同じである。時代を少し遡り1930年代物理学上の発明の上でまず原子爆弾の開発が進められた。原子核分裂から莫大なエネルギーが得られるということが発見されたのだが、時代はヨーロッパではナチスなどファシズムが台頭し日本では軍国主義がはびこる状態であった。そこで物理学上の発明はまず原子爆弾の開発から始められた。
ファシズム対連合国の対立の中でドイツ・アメリカ・ソ連はもとより日本まで密かに原子爆弾の開発の研究を進めていた。アメリカで原子爆弾の開発を進めたのはナチスが最初に原子爆弾を手に入れるとそれまでのヨーロッパの近代文明が破壊されるのではないかと恐れたためである。
またアメリカで初めて原子爆弾の開発に成功したのは原子爆弾の原理は分かっているもののその具体化は困難を極め、戦場から遠く離れ広大な敷地と膨大な資金を持って多くの科学者を動員できたからである。
そして原子爆弾が開発され日本の広島と長崎に投下された。当時日本は壊滅状態にありどのようにして降伏するか模索していたわけで、アメリカの原爆開発に携わった科学者の反対を押し切って日本に投下したのは連合国側内部の共産主義対資本主義の潜在的対立の上で、戦後政治をアメリカ優位に展開しようとした意図が原因である。
戦後まもなくソ連も原爆実験に成功し、アメリカの意図はくじかれ、さらに核分裂よりも強力な核融合による水素爆弾の開発に進んだ。
そして日本は第五福竜丸事件という広島、長崎に次ぐ第三の被曝を受けた。
その後東西の核開発競争の中で核廃絶とともに原子力の平和利用が叫ばれるようになった。
原子力の平和利用とは原子力発電のことでありその危険性は原子爆弾と同じである。
原子力発電は冷却水等で適当に制御しつつ、ウラン235の核分裂によるエネルギーを利用して発電するものであり、何らかの原因で失敗すれば原子爆弾と同じく危険なものである。
したがって原子力の平和利用とは原子力技術の温存の隠れ蓑に過ぎない。その証拠に原子力の平和利用とともに核開発競争は続いたのである。
なお現在は日本では1基の原発も稼働していないが、鹿児島県の川内1,2号機、福井県の高浜3,4号機に続いて愛媛県の伊方3号機の再稼働が試みようとされている。そしてこの7月にも川内原発は再稼働されようとしている。
またこの本が出されたためかどうか知れないが放射性廃棄物の最終処理が決まっていないので地域の自発的意思ではなく政府主導で地下に埋めるというような計画もある。
詳しくは本書を読んで頂きたい。