欧米の文化・暮し・経済ミニノート

欧米の文化・暮し・経済ミニノート

長い歴史の中で培われてきた欧米の風俗や習慣、日々の暮らし方、そしてその背景にある経済の状況などについて、わかりやすく楽しいホットコラムをお届けします。

昨年頃から、ケーブルテレビで「ダウントンアビー」というドラマを放映しています。英国の郊外にある大邸宅に代々住むグローリー伯爵という貴族の、日々のくらしを淡々と描いたものです。一家の当主であるグローリー伯爵、妻である伯爵夫人やその子供たち、そうした一族の人々はもちろんこのドラマの重要な役割を担っていますが、それ以上に主役をはっているのは、屋敷に仕える数多くの使用人たち、そしてこのドラマの題名ともなっている「ダウントンアビー」という屋敷そのものです。英国にはダウントンアビーのような、貴族が代々引き継ぐ大きな屋敷が今も生き続けており、総称して「マナーハウス」と呼ばれています。


マナーハウスは、一般に開放されてホテルとして使われているところも多々ありますので、英国を訪れたことのある方は、見物したり、宿泊したり、という経験もおありかも知れません。一つの特徴は、各々名前を持っていることです。ダウントンアビーもそうですが、「グローリー伯爵の屋敷」ではなく、「ダウントンアビー」なのです。マナーハウスに魅かれるのは、マナーハウスがそこにすむ一族と多くの使用人によって構成される一つの生き物であるせいかも知れません。 (・・・続く)