フランツ・リスト作曲 「愛の夢 第三番 変イ長調」 | 『~鏡花水月 ~』

『~鏡花水月 ~』

鏡に映る花の如くに美しく

みなもの月の如くに脆く儚く

この世は幻 森羅万象は夢の中

我は心のままに詩を詠み続け

ご来場の皆様、夢紡詩人 紫雨(むらさめ)でございます。
「鏡花水月」の世界へようこそ どうぞごゆっくりとお過ごしくださいませ

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※当ブログはいかなる宗教とも関係はございません



時代の生み出したピアノの魔術師 「フランツ・リスト」

「フランツ・リスト」(1811年~1886年) ハンガリー生まれ

ピアノ音楽史で 「ショパン」「シューマン」など 
重要な音楽家を生み出した黄金時代「ロマン派音楽」時代の
重要なピアニスト・作曲家の1人である


「ピアノの魔術師」とも形容されるほどに ピアノの演奏能力に恵まれ
作曲された曲のイメージとしても 派手に装飾された音・音楽が思い浮かぶ
人としては身長が高く ストレートな性格で 社交的なイメージもあったりする

鏡花水月とても当時の人々からも人気があったと言われ
恋愛にも積極的で女性にも人気があったと思われる

そして後進の音楽家の育成にも活発であり
さらに祖国ハンガリーに対し愛国心が強かった


ピアノの演奏能力に関する 恐るべきエピソードは幾つも残され
その能力の時代に与えた影響力をうかがい知ることができる

作曲された曲は1500曲を超えるともいわれ
文学作品をモチーフに生み出されたもの 
人気の作品をピアノ演奏用に編曲されたもの
強い宗教性を感じさせる曲など
様々なタイプを見ることができる

鏡花水月 人生の後半において 
華やかな時代の自分から
より自分の内面に触れるようになり
彼の強い宗教観の影響からか
僧侶の世界にも足を踏み入れ 
引きこもった時期もあった
そう伝えられている


ある詩から生まれた「愛の夢」

リストの作品の中でも 最も有名な部類に入る
珠玉のような1曲 「愛の夢 第3番」

元々は ソプラノ用独唱歌曲として作ったものを
さらにピアノ独奏用に編曲して出来上がったものである
同じ曲を作り直し新たな曲にするリストのよく使った手法でもある

鏡花水月  以前に詩人たちの詩に曲を付けた歌曲を
リストは何曲か作っている
その中から イメージに合うものを
ピアノ独奏用に編曲し 3曲にまとめ
「愛の夢 3つのノクターン(夜想曲)」として
1850年 リスト39歳の時発表したものである

第1番 変イ長調「至高の愛」
第2番 ホ長調「私は死んだ」
第3番 変イ長調「おお、愛しうる限り愛せ」

第1番と第2番は
ドイツの詩人ヨハン・ルートヴィヒ・ウーラントの詩をモチーフに
第3番は
ドイツの詩人ヘルマン・フェルディナント・フライリヒラートの詩をモチーフに
それぞれ作曲されている

通常 「愛の夢」として我々の聞く機会があるのは 
ほとんどその3曲目にあたる「おお、愛しうる限り愛せ」である

前奏を伴わない 甘美な歌曲的曲調の旋律から始められ
ハープを模したと思われる伴奏に旋律を乗せ
ロマンチックな雰囲気を漂わせ曲が進んでいく曲である

鏡花水月  題名からの印象によって 
この曲集のテーマは
男女の甘い恋愛と思われがちであるが

この後に示す詩
第3番の詩を解釈する限りでも
より宗教的な人間全体に対する愛を
描いたと捉えるべきだろう



「おお、愛しうる限り愛せ」

おお、愛しうる限り愛せ!
その時は来る、その時は来るのだ、汝が墓の前で嘆き悲しむその時が

心を尽くすのだ、汝の心が燃え上がり、愛を育み、愛を携えるように
愛によってもう一つの心が温かい鼓動を続ける限り

汝に心開く者あらば、愛のために尽くせ
どんな時も彼の者を喜ばせよ、どんな時も悲しませてはならない

言葉には気をつけよ、悪い言葉はすぐに口をすべる
「ああ神よ、誤解です!」と嘆いても、彼の者は悲しみ立ち去りゆく


それでは フランツ・リスト作曲 「愛の夢 第3番」
・ピアノ版 辻井伸行
・ソプラノ版 インゲボルグ・ハルシュタイン 
で聞いていきましょう



ピアノ版 「愛の夢 第3番」 辻井伸行




ソプラノ版 「愛の夢 第3番」インゲボルグ・ハルシュタイン 



「最後まで読んで頂き感謝 心よりの感謝を込めて・・・
 迷える子羊に 神のご加護があらんことを・・・ 」 合掌   





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