「ショパン 夜想曲 第2番、第5番、第8番」アルトゥール・ルービンシュタイン | 『~鏡花水月 ~』

『~鏡花水月 ~』

鏡に映る花の如くに美しく

みなもの月の如くに脆く儚く

この世は幻 森羅万象は夢の中

我は心のままに詩を詠み続け


ご来場の皆様、「鏡花水月」 の紫雨(むらさめ)でございます。
「鏡花水月」の世界へようこそ どうぞごゆっくりとお過ごしくださいませ

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※当ブログはいかなる宗教とも関係はございません


ショパン大好き日本人~夜想曲

私を含め日本人はショパンが好きである
日本の詩的文化と「ピアノの詩人」と呼ばれたショパンに
何か通じるものを感じているのかもしれない

ショパンはライバルにして親友であったリストとよく比較され
女性的なイメージがあるといえばあるが
ショパンも男性的な激しく力強い曲はたくさんある

ブログタイトル 彼の音楽は
時に優しく
時に力強く
時に甘美
時に感傷的 
時に抒情的
時に繊細
それがショパンである


彼の興味深いジャンルとして  夜想曲 ノクターンがある
ショパンの楽曲の中でも美しく 叙情性が色濃く出ている

もともと夜想曲 ノクターンの始まりは
ジョン・フィールドという作曲家が作ったものがそもそもの始まり
さらにそれをショパンは 美しい夜の世界観として息を吹き込んだ

ショパンの夜想曲は遺作を含めると21曲作曲されている
後半に向かうにしたがい ショパンの作曲技法の変化がもたらされている

ルービンシュタインとホロヴィッツ

ブログタイトル 「アルトゥール・ルービンシュタイン」 
ポーランド ユダヤ系ポーランド人の
1887年に生まれ1982年に95才でこの世を去るまで
進化し続けた20世紀を代表するピアニストである
そして彼は大器晩成型のピアニストでもあった

ルービンシュタインを語るうえで
外すことの出来ない あるピアニストがいる

前回 葬送ソナタで取り上げた
ウラディミール・ホロヴィッツである

この2人は対極に位置する関係といっていいほどに
多くの面で興味深い 違いのようなものがみられる

ルービンシュタインは元々 若いころから華があるピアニストであり
大変に人気もあったピアニストであった
優れた音感と驚異的な暗譜力を持ち備えており

初めて見る楽譜も 練習もせずに 見ているだけで
難なく弾くことができた天才肌のタイプであった
実際若いころはさほど練習せずとも弾けてしまうので
練習はあまりせず演奏会に出ていたようである

ブログタイトル 若き日の彼には 
とにかく楽しみサービスこそが優先され
その場の勢いで弾くことが彼の持ち味でもあったが
かなりミスタッチが多くそれを誤魔化すのもうまく
少々 荒削りな印象を受ける部分があったという

しかし それでも尚 
彼の音楽には人を惹き付けるものがあり
聴くものは 彼の演奏・存在に歓喜をし 
皆が惜しみない拍手を贈った


当時はミスが多いがため 彼のピアノからこぼれ落ちる音符を
掃除担当がかたずける風刺画さえ描かれていた

そんな栄光の前に現れたのがホロヴィッツであった
彼は研ぎ澄まされた独特の感性と
正確無比な演奏をする 完璧主義者でもあった

わずかなミスにも妥協を許さず苦悩の様子を見せていた
そんな彼の姿は きっとルービンシュタインから見ると
理解できる範囲を超えていたのかもしれない

ブログタイトル しかしそんなホロヴィッツを見るうちに
彼は自分自身の演奏スタイルと
向き合わざるを得なくなっていった

そして彼に対抗するために
演奏スタイルを根本から見直し
新たなスタイルを構築・確立していったのだ

その後 
彼は洗練され天分を持って生まれた者のみが到達できる境地
そんな事を想わせる彼の世界を造り上げていった

そして彼はホロヴィッツと共に 
ピアノ音楽の巨木的存在としての地位をゆるぎないものにした
安心して聴くことのできる温か味を感じさせるピアニストになっていったのだ

しかし新生の彼にホロヴィッツに見られるような 
目の覚めるような派手なテクニックを求めても何の意味も持たない
もっと別のところに彼の魅力はあるのだ

その音は明るくキラキラと輝くダイヤのような芯を持ち 
自然に朗々と歌い上げられるフレーズに卓越したリズム感

私は個人的には 彼の弾くワルツやマズルカ 
またノクターンなどが結構気に入っていたりする

ルービンシュタインとホロヴィッツ
音楽の方向性 人柄 音色 性格 レパートリー 多々対極にあるように見えるが
音楽への想い 観客へのサービス精神は何ら変わるところがない

もし彼がホロヴィッツと出会っていなかったとしたら
どんなピアニストになっていたのだろうか・・

それでは 夜想曲でも最も有名な「第2番」 
最も優美な「第5番」
格別に旋律の美しく 個人的に1番好きな「第8番」
ルービンシュタインの揺れ過ぎないコントロールされたルバート
ブリリアントな美しい音色で聴いていきましょう

・ノクターン 第2番 変ホ長調 作品9の2



・ノクターン 第5番嬰へ長調 作品15の2



・ノクターン 第8番変二長調 作品27の2



「最後まで読んで頂き感謝 心よりの感謝を込めて・・・
 迷える子羊に 神のご加護があらんことを・・・ 」 合掌