統帥の問題(シビリアンコントロールの維持)と憲法改正論の関係
【 統帥権問題の歴史的経緯 】
統帥権については、かつて日本の明治憲法でも大きな問題になり、日本が軍の統制に
失敗したために軍国主義に陥ったという負の歴史を持つ論点でもある。
昭和5年頃に発生した統帥権の問題(統帥権干犯論による問題)では、「軍は天皇直属
の軍隊だから、政治は軍の統帥問題に口出しするな~」などの右派強硬派の主張が
叫ばれるようになり、軍部・右翼主導による右傾化が起きた。
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1、統帥権問題で軍部・右翼が勢いづき、右傾化により右翼テロが続発。
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2、政党政治(議会政治)が否定され、政治家が力を失い始めた。
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3、軍部の暴走に歯止めが掛からなくなり、日本は戦争の時代に突入した。
※ 現在の日本国憲法における平和主義は、上記のような日本の軍国主義化の
歴史的な失敗に対する反省の上にある。
-------------- 自衛隊を明記する憲法9条改正案の問題点 ---------------
現在の右派勢力が主張する憲法改正論でも「自衛隊を憲法に明記~」などの改憲案
が叫ばれているが、憲法上において自衛隊を認めることによって、かつて日本が明治
憲法で失敗した統帥権の問題や「軍部が力を持つことで発生する司法や立法の弱体化」
により「法の支配」が揺らぐ危険性も高まることになるが、同右派勢力が十分に三権分立
の観点から統帥の問題を考慮しているという説明は全く無く、むしろ同改正案を主張
する右派勢力は権力バランスの件は失念しているか、そこまで深く考えずに単なる思
い付きで「自衛隊の明記~」を言っている懸念のほうが大きいので、今後は、憲法9条
改正については、問題点を深く掘り下げた抑制的な議論が必要になるだろう。
「自衛隊を憲法に書き込む」という行為は、単に自衛隊を仲間として認めるようなお話し
ではなく、より強力な権力を自衛隊という軍事組織に与えることであるという点を、国民の
大多数が理解した上で議論したほうが良いはずだ。
最近の日本の右派勢力が主張するように、その場の気分で、或いは「なんとなく、時代
が変わったから」などという、いい加減な理由で憲法を変えようとするのは、軽はずみで
不注意過ぎるし、右派勢力が言うように「自衛隊が可哀想だから~」などという感情論で
憲法改正を叫ぶこと自体も、非常に扇情的で無責任な行為と言わざるを得ない。