どうも3級をCBT試験で受験した人からの報告を見ると、「見たことのない問題が出た」との書き込みが多い。
おそらく2級で出るような論点が出たり、選択肢にやや難解なものが出たりしたのだと思う。
CBT試験ではここが把握できないので試験解説する人間や実際に受験する人間も困るだろうとは想像をしていた。
3級→2級で出るような問題が出る
2級→1級で出るような問題が出る
CBT試験ではこの傾向が強くなっていくだろうと考えられるので、3級受験者は2級受験も視野に入れながら学習する必要性がある。
当然2級受験者も1級で出てもおかしくない問題も学習する必要性は出てくるだろう。
ただ、見たこともない問題が出るのは多くても5問くらいだろうし、選択肢の中での正解は従来どおり3級での知識または2級での知識で正解できる問題構成になっているはずだ。
難しい文言や見たこともない論点はその他の選択肢の正誤をはっきりと解答できればそんなに怖くはないが、うろ覚えの人はかなり苦労すると思うので、とにかく各論点を正確に覚えておかないと正解にたどり着けないだろう。
1つの対策方法としては、3級受験者なら2級の学習も含めた包括的な学習をせざるを得ないかもしれない。
2級もある程度1級の問題もひと通り目を通しておいた方がいい。
それと法改正についての対応なのだが、CBT試験では法令基準日が紙試験より余裕がなくなるので、受験月によっては旧法令と新法令の両方を覚えなくてはいけないことも出てくる。
よって論点解説も旧法令と新法令の両方を掲載しなければいけなくなるのは本当に困る。
基本的には法改正された論点が改正後の直近の試験で出る可能性はほとんどないと思うが、そこらあたりも正直分からないし、CBT試験になったら把握できないので試験を解説する者にとっては辛い。
「改正後の直近の試験で出る可能性はほとんどない」という例年通りのセオリーが変わらないと信じるのであれば、論点の解説は全て新法令に統一した方がいいかもしれない。
いずれは1級のように試験日に施行されている法令が基準になるだろうが、この法改正の扱いは今後二転三転すると予想している。
試験の出題傾向は把握しづらい、法改正によっては受験月による不公平感が出る、上位級も包括的に学習しなくてはならないなど無駄な学習が増えることで受験者の負担は増えることになる。
よって今までのように過去問だけやれば合格するという戦法がCBT試験が回を重ねるほど通用しなくなっていく可能性が高い。
このままだと今でも使えない資格とレッテルを貼られているのに無駄に時間と金がかかる試験というレッテルが加わるだけだ。
何を学習すればいいのか分からない試験になってしまったら受験する価値もなくなり、FP試験は何を目指す試験なのか分からなくなってしまう。
結局どの分野も中途半端な知識しか得られないのに、どこまで学習すればいいのか提示されないのでは学習のしようがない。
いっそのことタックス分野なら税理士試験に匹敵するような学習が必要になるくらいのレベルにした方が余程価値がある資格になるだろう。
受験者・試験解説者・テキストの出版社と執筆者、それぞれ今回のCBT試験への対応は模索中だと思う。
まぁ俺は個人で好きにやっているから限界が来たらFP試験に見切りをつけてやめちゃうけどね。
ただ1つ確実に言えることは「FP試験は非常にいい試験だ」ということだ。
それが「FP試験は非常にいい試験だった」と過去形になったらお終いだ。
そう言われないように試験団体の金財とFP協会は社会に必要とされるFPを育てるための試験だということを忘れないで欲しい。
たぶんこれから受験する人が激減するよ。
CBT試験にして受験機会を増やしても「大した価値もないのに面倒臭い試験」と思われたら誰も受験しなくなる。
試験団体は検定料も増えてウハウハの目論見は最初から崩れるよ。
まぁ投資信託の目論見書だってその通りに行かないのが当たり前なんだから。
目論見書の論点が出題されたら大笑いだな。
その時は「FP試験はコントだ」って書いてあげる。