こういう試験サイトは「簡単」・「短期間」・「日本一分かりやすい」などキャッチーな言葉を多用して受験者を囲い込もうとするが、俺はそういう言葉はあまり使わないようにしている。

俺はバカだから3級は学習時間が6ヵ月、2級は3ヵ月くらいかかった。

オマケに2級はとんでもない計算ミスの連発で実技を1回不合格になっている。

 

確かに簡単に覚えられる論点はあるが、受験者にとっては今まで知らない知識かもしれないので、「お前、そんなことも知らないのか!」と自分の常識を基準として上から目線になってはいけないと思っている。

FP試験の勉強をする前は「小規模宅地等の特例」なんて知らなかったし、特にタックス分野の論点で知っているものは全くなかった。

金融機関で働いていた者として当時は金融関連の法令なんて全く気にしていなかったし、今となってはお恥ずかしい限りだ。

 

少しでも受験者に難しく感じて欲しくないために「簡単」という言葉を安易に使うと逆に「簡単なのに分からない」と落ち込む受験者も多いと思う。

 

俺は初めて3級の過去問を解いた時の衝撃は今でも忘れない。

「こりゃー無理だ」

もう絶望しかなかったし、自分の無知ぶりに相当落ち込んだよね。

だから2ヵ月くらい勉強して3級受験しようかなと思ったが1回飛ばして受験したくらいだから俺も相当バカだったのが分かる。

初めて買ったテキストは何回引いたか分からないが、ページの端っこは真っ黒になるくらいになったし、書き込みやアンダーラインも至る所に引いてある。

何も知識のないまま学習を始めたのでネットの試験サイトは全く活用せず、アナログで過去問を試験団体から印刷してひたすら過去問とテキストの往復という能のない学習方法しか浮かばなかった。

学習方法も試験に出る頻出論点も「こうすれば良かったな」という過去の反省から考えたものだ。

おそらく今のように動画サイトや過去問サイトをフル活用して学習していたら、未だに3級さえ合格していなかったのではと思っている。

テキストを見ても分からない論点はネットで検索して自分で調べた。

今でよく覚えているのが「相続時精算課税制度」だ。

俺はこの論点がいつまでたっても理解できなかった。

なぜそんな面倒臭いことをするのか、さっぱり理解できなかった。

いろいろ自分で調べてみて相続財産の前渡しと理解できたのはずっと後のことだ。

今なら試験サイトの掲示板やラインのグループチャットに書き込めば丁寧に教えてくれる。

でも他人の解説が腑に落ちるものはなかなかないんだよね。

ここが教える側の難しさでもある。

だから「これは簡単」などと言うより質問者が納得するか、理解できたかに力点を置かないといけない。

 

どんな試験でもそうだが、受験者の能力や学習スタイルは千差万別だ。

できれば受験者の個人レベルに合わせた指導をしないとダメだと思う。

ココナラで教えていて今でも覚えているのは、「建ぺい率って何ですか?」と生徒さんから言われたことだ。

その生徒さんは立派な大学を出て誰でも知っている会社に勤務している人だったが、俺は「そんなことも知らないのか」とは全然思わなかった。

俺がFP試験の勉強を始めた時にタックス分野の論点を何1つ知らなかった経験があったから「そんなことも知らないのか」とは思わなかったのだろう。

もちろん懇切丁寧に教えたよ。

 

「こりゃー無理だ」という経験があったからこそ今がある。

FP3級でも難しい。

内容を見れば分かります。

試験サイトで簡単と言う人はあまり信じてはいけない。

これが俺の答えかな。