東日本大震災の経験を基に書いております。
被災した方に読んでいただきたいので拡散していただけるとありがたいです。
今は手続き等をする余裕はないと思いますが、いずれは必要となると思うので記しておきます。
ステップⅠ(家族等の安否確認は除く)(罹災証明書の申請及び発行)
「罹災証明書の取得手続きをする」
(市役所または区役所で申請を行い、後日担当者が被害状況を確認して「全壊」「半壊」「大規模半壊」等の判定を行います)
・家屋等の被害を必ず自身で確認して必ず写真に記録として残しておく
(後で役所等に提出するための資料として役立ちます)
・罹災証明書は公的機関から支払われる義捐金または助成金や補助金等の申請に必ず必要になります。
またコピーを5部程度用意しておくこと
・罹災証明書は国税・地方税の減免措置でも必要となります。
震災時は必ず何らかの減免措置がとられますので、国税庁と県庁・市役所の広報誌等で必ず確認する
ステップⅡ(震災で家屋等に被害が出た場合)
①損害保険会社に連絡
事前に保険証書等を準備しておく
震災時は被災者専用のデスクが設置されることが多いので確認すること
②被害鑑定人による現地調査
現地調査では家屋・家財の両方を調査するので細かく被害状況を事前に確認しておく
被害額の算定はその場で算出することもあります
③保険金の振込み
保険金については非課税扱いですが、被害額を超えた分については支払われません。また罹災証明書で「大規模半壊」等の判定がなされても保険会社の被害算定には影響されないことも注意
*補償対象外については、建物に付随しているバルコニーや給湯器等も建物とはみなされないので補償対象外になります。それらも補償する場合は特約を付けることになります。
*地震を起因とする火災による被害は火災保険金額ではなく地震保険の範囲で支払われます。
①生命保険会社に連絡
損保同様被災者専用デスクが設けられるケースが多い。契約者名・証券番号を告げて、補償内容の確認、けがの程度などを具体的に説明
入院の場合は初日から保険金が支払われるタイプや4日目から支払われるものもあるので事前に証書で確認すること
②診断書の提出
保険金の請求書では事前に印鑑証明書や罹災証明書などの提出が求められることもあります
③保険金の支払い
支払は指定口座への振込み
保険請求があった日から問題がなければ概ね1週間以内の支払というのが一般的です
※加入していた保険が分からない場合は照会センターで契約の有無を確認できる(100%確認できるわけではない)
生命保険 災害地域生保契約照会センター 0120-001731
損害保険 地震保険契約会社照会センター 0120-501331
ステップⅣ(被災時の預貯金等の引き出し)
●預金通帳やキャッシュカードを紛失した場合
*本人確認書類(提示された時点で有効な書類)
運転免許証/運転経歴証明書/各種保険証/国民年金手帳/児童扶養手当証書/母子健康手帳/身体障害者手帳/精神障害者保健福祉手帳/療育手帳/戦傷病者手帳/パスポート/顔写真付住民基本台帳カード/その他官公庁発行の公的書類で住所氏名生年月日の記載があるもの等
●被災時のATMからの引き出しでの留意点
①被災時は停電や店舗の被害もあるので、事前に金融機関に問い合わせをして引き出し可能な店舗と営業時間の確認を行う。
②印鑑等を紛失した場合でも震災の規模と被害の大きさによって各金融機関も柔軟な対応をするので必ず問い合わせること。
③震災直後は異なる金融機関からの引き出しはシステムの都合上ほぼ無理なので郵貯なら確実に郵貯で引き出すしかない。
社会保障・税の減免手続きについては、申請手続きをしないと適用にならない。
したがって国税庁・県庁・市役所等の情報をこまめに収集して個別に申請するしかない。
●公的年金等の免除申請(東日本大震災時の対応)
・国民年金保険料の全額免除
被災し、一定の条件を満たす者は本人からの申請に基づき保険料を全額免除することができるので、社会保険事務所に問い合わせをすること
・追納制度
免除期間でも10年間に遡って追納することができる。なお免除期間も年金受給資格期間に算入されるが年金額には反映されないので、満額受給よりも受け取る年金額は少なくなってしまうことに注意
・国民健康保険料の減免措置
後期高齢者医療制度の対象者も同様に減免措置があるので住所地の自治体の窓口で確認のこと
●国税(所得税)の減免措置
災害により住宅や家財などに損害を受けた場合は、確定申告で、所得税の全部又は一部を減免できる。
国税の減免措置
・災害減免法による減免措置
震災時の年収1,000万円以下・災害で受けた損害額が住宅や家財の時価の2分の1以上の被害
軽減又は免除される額の目安 |
|
所得金額 |
軽減額 |
500万円以下 |
全額免除 |
500万円 ~750万円以下 |
2分の1免除 |
750万円超 ~1,000万円以下 |
4分の1免除 |
・雑損控除
住宅や家財などの資産が損害を受けた場合
①差引損失額-(総所得金額×10%)
②差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円いずれか多いほうの金額を所得控除できる。控除しきれない分は翌年以後に繰越できる。
*いずれも対象となるのは居住に必要な日常家具や衣類等で、価額が30万円を超えるものは対象外。
*減免措置の重複適用は認められない。
*県民税等の減税措置もあるので、こちらの申請手続きも忘れずに
これらの援助金を受け取る場合も、基本的に市役所等に申請をしなければ受け取れません。
以下手続きの流れ(東日本大震災の場合)
①罹災証明書の申請
②義捐金受付の申請(振込口座等の指定)
③義捐金の振込み
義捐金の振込みは一度とは限らない。複数回数振り込まれる際は再申請の必要があるかないか確認を
④振込みに関しては特に通知等はないので振り込まれたかは通帳で確認すること
●公共料金等の特別措置
電気・ガス・上下水道等でも災害により一定期間使用ができなかった場合は、基本料金の免除や料金が減免される。その際はほとんどが申請を必要としないが、中には電力会社が独自に減免措置を行う場合があるのでその際は必要書類をあわせて申請することになる。ちなみにこういった減免措置は会社側の負担になるので告知期間は短く、あまり宣伝はしないのでこまめに新聞やインターネット等で情報を収集しておくこと。
●その他の減免措置(東日本大震災のケースを事例として)
NTT
避難指示や勧告等で一定期間電話が利用できなかった場合など
基本料金が無料等の措置
NTTドコモ
上記の理由及び災害による機種の破損等
通話料の減免や一部機種を無料で交換等
インターネットプロバイダ
被災地でプロバイダ契約している者
被災月の月額使用料の免除等
各種公的証明書の発行
罹災証明書を提示
印鑑証明書や各種公的書類の発行手数料を一定期間免除
その他様々な民間会社でも被災地住民へ向けての特別措置があります。
それぞれの生活上で困った場合は上記のような特別措置が実施されているか確認する。
●被災住宅の応急修理制度(一世帯52万円限度)
・条件
罹災証明書で大規模半壊または半壊の認定を受けた世帯
・修理の範囲
居室・トイレ・台所等の日常生活に必要最小限の部分(屋根の修繕・壁の修繕・家柱の倒壊など適用範囲は意外と広い)
・支払い等
罹災証明書・修理見積書等を自治体へ提出して申請しますが、実際には業者がやってくれます。支払は自治体が直接業者へ支払う
*その他被害状況に応じて住宅再建のための貸付制度や様々な減免措置があるので自治体等のホームページで確認のこと
*住宅支援は災害対策の中で最も基本的で重要な施策ですから数多くの特別措置が受けられるようになっています。自宅が支援対象に該当しているか否かは必ず問い合わせてみること。基本的には罹災証明書で「大規模半壊」または「半壊」以上の認定を受けた世帯は間違いなく税制面や住宅再建その他医療面でも特別な減免措置等の支援対象となっているので、申請できるものは必ず申請すること
災害時における被災住宅に関する支援措置(一部抜粋)
罹災証明で住宅の「大規模半壊」または「半壊」以上の認定を受けた
・義捐金の増額
・固定資産税の減免
・国税・地方税の減免
・住宅ローン減税枠の拡大
・修繕費用の負担支援
・公的保険料の免除等
・生命保険の契約者貸付利用時の利息減免
住宅を修繕または再建する
・災害復興住宅融資制度
・住宅ローン減税の拡大
・住宅ローン返済負担
住宅を再建する場合は主に住宅金融支援機構が様々な支援策を実施しています。
住宅再建資金を借りる・返済等に伴う負担の軽減はけっこう大きいですので利用できるか必ず確認すること
・罹災証明書の申請及び交付
交付なしでも被災者に対しては医療費控除や様々な特別措置があるので諦めないこと
・「全壊」・「大規模半壊」・「半壊」の認定を受けた
税金・公的年金・住宅ローン・不動産・医療等あらゆる特別措置が受けられるので必ず申請を行う。当然損壊の規模に応じて適用範囲並びに支援金額は多くなります。どの支援も世帯による申請主義を採っているので面倒でも対応する機関で申請を行わなければならないことに留意
自治体によって適用範囲基準を独自に設ける場合もあるのでこまめに情報収集すること
・住宅を修繕または新築する
住宅の再建は一番国からの支援が得られやすいのと、再建費用がたくさん必要となるので、そのための減免措置などの金額も決して少なくない。様々な特別措置を有効に利用して復興への負担を少しでも軽減することが大切である
・その他の特別措置を調べる
民間会社の被災者支援についても調べる
受けたい支援をどれだけ情報収集できるかが勝負です。