2FP試験強化論点・配偶者居住権

 

202352級学科問60

配偶者居住権

民法における配偶者居住権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.配偶者居住権の存続期間は、原則として、被相続人の配偶者の終身の間である。

2.被相続人の配偶者は、取得した配偶者居住権を譲渡することができる。

3.被相続人の配偶者は、居住建物を被相続人と被相続人の子が相続開始時において共有していた場合であっても、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができる。

4.被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始時において居住していなかった場合であっても、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができる。

解説

1

配偶者の死亡によって、配偶者居住権は消滅するので、配偶者居住権の存続期間は、原則として、被相続人の配偶者の終身の間になります。

2×

配偶者居住権は,第三者に譲渡したり,所有者に無断で建物を賃貸したりすることはできません。

3×

自宅に夫婦以外の人の権利が入っている場合には、配偶者居住権は設定できません。

4×

被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始時において居住していなかった場合は、、当該建物に係る配偶者居住権を取得することはできません。

また、元所有者に相続が発生した時点で、その自宅に住んでいた配偶者にだけ認められるので、別居をしていた夫婦の間では認められません

【正解】1

 

202152級学科問60

配偶者居住権・遺産に属する預貯金債権・自筆証書遺言・自筆証書遺言書保管制度

民法および法務局における遺言書の保管等に関する法律に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.被相続人の配偶者が配偶者居住権を取得するためには、あらかじめ被相続人が遺言で配偶者居住権を配偶者に対する遺贈の目的としておく必要があり、配偶者が、相続開始後の共同相続人による遺産分割協議で配偶者居住権を取得することはできない。

2.各共同相続人は、遺産の分割前において、遺産に属する預貯金債権のうち、相続開始時の債権額の3分の1に法定相続分を乗じた額(1金融機関当たり150万円を上限)の払戻しを受ける権利を単独で行使することができる。

3.遺言者が自筆証書遺言を作成する場合において、自筆証書遺言に財産目録を添付するときは、その目録も自書しなければ無効となる。

4.遺言者が自筆証書遺言を作成して自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、その相続人は、相続開始後、遅滞なく家庭裁判所にその検認を請求しなければならない。

解説

1×
配偶者居住権は、被相続人が遺言書などで配偶者に取得させることを記しておいたり、相続人同士の遺産分割協議で決めたりすることができます。
2
相続財産の遺産分割前であっても、各相続人が当面の生活費や葬儀費用の支払い等のために資金が必要となった場合に対応できるよう、上限150万円まで家庭裁判所の判断を経なくても金融機関の窓口における払戻しが受けられるようになりました。
3×
自筆証書遺言を作成する場合、自筆証書に添付する財産目録については、パソコンでの作成や通帳のコピーを添付することも可能になりました。この場合、財産目録に署名押印をする必要があります。
4×
遺言者が自筆証書遺言を作成して自筆証書遺言書保管制度を利用した場合は、家裁による検認は必要ありません。

【正解】2

 

202112級学科問60

配偶者居住権・寄与分・遺留分侵害額請求権・財産目録

民法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.配偶者居住権とは、被相続人の配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物について、配偶者があらかじめ期限を定めて無償で使用、収益することができる権利をいい、その期間を終身に設定することはできない。

2.被相続人に対して無償で療養看護等の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持等について特別の寄与をした特別寄与者は、相続の開始後、相続人に対し、その寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払いを請求することができる。

3.遺留分侵害額請求権とは、遺留分権利者およびその承継人が、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができる権利をいい、請求先は受遺者に限られる。

4.遺言者が自筆証書遺言を作成する場合において、自筆証書に財産目録を添付するときは、その目録も自書しなければ無効となる。

解説

1×
配偶者居住権とは、被相続人の配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物について、配偶者があらかじめ期限を定めて無償で使用、収益することができる権利ですが、配偶者が亡くなるまで権利は消滅しません。
2
寄与分とは「相続財産の維持・または増加に特別の寄与をした」相続人に対して、それ相応の補償をすることをいいます。具体的には「両親の介護をしていた」、「母に対して毎月の生活費を出していた」などが該当します。
以前は寄与分を受けられる権利は相続人に限定されていましたが、201971日以後開始の相続については、相続人以外の親族も特別の寄与料として請求できるようになりました。
3×
遺留分侵害額請求権では、遺留分権利者およびその承継人が遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができる権利をいいますが、請求先は受遺者だけでなく、生前贈与を受けた受贈者にも請求できます。
201971日以後の相続では、従来の遺留分減殺請求権は遺留分侵害額請求権に変更され、遺留分を請求に対して不動産等の遺留分そのものの返還するのではなく、金銭で支払うことも可能です。
4×
自筆証書遺言を作成する場合、自筆証書に添付する財産目録については、パソコンでの作成や通帳のコピーを添付することも可能になりました。この場合、財産目録に署名押印をする必要があります。

【正解】2