2級FP試験強化論点・取引相場のない株式の評価
2024年1月2級学科問57 |
取引相場のない株式の評価 |
相続税における取引相場のない株式の評価等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、評価の対象となる株式は、特定の評価会社の株式には該当しないものとする。 |
1.株式を取得した株主が同族株主に該当するかどうかは、その株主およびその同族関係者が有する議決権割合により判定する。 |
2.会社規模が小会社である会社において、中心的な同族株主が取得した株式の価額は、原則として、類似業種比準方式によって評価する。 |
3.同族株主のいる会社において、同族株主以外の株主が取得した株式の価額は、その会社規模にかかわらず、原則として、純資産価額方式によって評価する。 |
4.配当還元方式では、株式の1株当たりの年配当金額を5%の割合で還元して元本である株式の価額を評価する。 |
解説 |
1○ 同族株主とは、課税時期における評価会社の株主のうち、株主の1人及びその同族関係者の有する議決権の合計数が評価会社の議決権総数の30%以上(株主の1人及びその同族関係者の有する議決権の合計数が最も多いグループの有する議決権の合計数が50%超である場合には、50%超)である場合におけるその株主及びその同族関係者をいいます。 2× 小会社は、原則として、純資産価額方式によって評価します。純資産価額方式とは、会社の総資産や負債を原則として相続税の評価に洗い替えて、その評価した総資産の価額から負債や評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額により評価する方法です。 3× 取引相場のない株式は、原則として、以上のような方式により評価しますが、同族株主以外の株主が取得した株式については、その株式の発行会社の規模にかかわらず原則的評価方式に代えて特例的な評価方式である配当還元方式で評価します。 4× 配当還元方式とは、その株式を所有することによって受け取る一年間の配当金額を、一定の利率(10パーセント)で還元して元本である株式の価額を評価する方法です。 |
【正解】1 |
2023年5月2級学科問57 |
取引相場のない株式の評価 |
相続税における取引相場のない株式の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特定の評価会社の株式には該当しないものとする。 |
1.類似業種比準方式における比準要素は、1株当たりの配当金額、1株当たりの利益金額および1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)である。 |
2.会社規模が大会社である会社において、中心的な同族株主が取得した株式の価額は、原則として、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式によって評価する。 |
3.会社規模が小会社である会社において、中心的な同族株主が取得した株式の価額は、原則として、類似業種比準方式によって評価する。 |
4.同族株主のいる会社において、同族株主以外の株主が取得した株式の価額は、その会社規模にかかわらず、原則として、純資産価額方式によって評価する。 |
解説 |
1○ 類似業種比準方式は、類似業種の株価を基に、評価する会社の一株当たりの「配当金額」、「利益金額」及び「純資産価額(簿価)」の三つで比準して評価します。主に大会社を評価する場合に用いられます。 2× 大会社は、原則として、類似業種比準方式により評価します。 類似業種比準方式とは、類似業種の株価を基に、評価する会社の一株当たりの「配当金額」、「利益金額」および「純資産価額(簿価)」の3つで比準して評価する方法です。 3× 会社規模が小会社である会社において、中心的な同族株主が取得した株式の価額は、原則として、類似業種比準方式または純資産価額方式併用によって評価をします。 4× 同族株主のいる会社において、同族株主以外の株主が取得した株式の価額は、その会社規模にかかわらず、原則として、配当還元方式によって評価をします。 |
【正解】1 |
2022年9月2級学科問56 |
取引相場のない株式の評価 |
相続税における取引相場のない株式の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 |
1.会社規模が小会社である会社の株式の価額は、純資産価額方式によって評価し、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式によって評価することはできない。 |
2.会社規模が中会社である会社の株式の価額は、類似業種比準方式、または純資産価額方式のいずれかによって評価する。 |
3.同族株主が取得した土地保有特定会社に該当する会社の株式は、原則として、類似業種比準方式によって評価する。 |
4.同族株主のいる会社において、同族株主以外の株主が取得した株式は、その会社規模にかかわらず、原則として、配当還元方式によって評価する。 |
解説 |
(1)× 会社規模が小会社である会社の株式の価額は、純資産価額方式または類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式により評価します。 (2)× 会社規模が中会社である会社の株式の価額は、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式で評価します。 (3)× 同族株主が取得した土地保有特定会社に該当する会社の株式は、会社規模に関係なく、原則として、純資産価額方式によって評価します。 (4)○ 同族株主のいる会社において、同族株主以外の株主が取得した株式は、その会社規模にかかわらず、原則として、配当還元方式によって評価します。 |
【正解】4 |
2022年5月2級学科問58 |
上場株式・取引相場のない株式の評価 |
相続税における上場株式および取引相場のない株式の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 |
1.上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格と、その課税時期の属する月以前3ヵ月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額のうちいずれか高い価額によって評価する。 |
2.会社規模が小会社である会社の株式の価額は、純資産価額方式、または類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式のいずれかによって評価する。 |
3.類似業種比準価額を計算する場合の類似業種の株価は、課税時期の属する月以前3ヵ月間の各月の類似業種の株価のうち最も低いもの、または課税時期の属する月以前3年間の類似業種の平均株価のいずれかを選択する。 |
4.配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株当たりの年配当金額を5%の割合で還元した元本の金額によって評価する。 |
解説 |
1× 上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格と、その課税時期の属する月以前3ヵ月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額のうちいずれか低い価額によって評価します。 2○ 会社規模が小会社である会社の株式の原則的評価方式は、純資産価額方式ですが、納税義務者の選択により、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式で評価することも可能です。 3× 類似業種比準価額の類似業種の株価は、課税時期の属する月以前3ヵ月間の各月の類似業種の株価のうち最も低いものになります。 ただし、納税義務者の選択により、類似業種の前年平均株価または課税時期の属する月以前2年間の平均株価によることができることになっています。 4× 配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株当たりの年配当金額を10%で還元した元本の金額によって評価します。 |
【正解】2 |
2021年1月2級学科問59 |
取引相場のない株式の評価 |
純資産価額方式による自社株式の評価上、不動産の取得や有効活用による株価の引下げ効果に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 |
1.純資産価額方式による自社株式の価額の計算上、自社が課税時期前3年以内に取得した土地や建物の価額は、原則として課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価するため、不動産を取得しても、直ちに純資産価額の引下げ効果が発生するわけではない。 |
2.自社の所有している空き地に社宅を建築し、従業員の福利厚生施設とした場合、純資産価額方式による自社株式の価額の計算上、その社宅の敷地の価額は貸家建付地として評価されるため、純資産価額の引下げ効果がある。 |
3.自社の所有している空き地に賃貸マンションを建築した場合、純資産価額方式による自社株式の価額の計算上、その賃貸マンションの敷地の価額は自用地として評価されるため、純資産価額の引下げ効果はない。 |
4.自社の所有している空き地に立体駐車場を建築した場合、純資産価額方式による自社株式の価額の計算上、その立体駐車場の敷地の価額は貸宅地として評価されるため、純資産価額の引下げ効果がある。 |
解説 |
1○ |
【正解】1 |
2019年1月2級学科問 58 |
取引相場のない株式の評価 |
相続税における取引相場のない株式の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 |
1.配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株当たりの年配当金額を5%で還元した元本の金額によって評価する。 |
2.会社規模が小会社である会社の株式の原則的評価方式は、純資産価額方式であるが、納税義務者の選択により、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式で評価することもできる。 |
3.類似業種比準価額を計算する場合の類似業種の株価は、課税時期の属する月以前3ヵ月間の各月の類似業種の株価のうち最も低いものとするが、納税義務者の選択により、課税時期の属する月以前3年間の類似業種の平均株価によることもできる。 |
4.純資産価額を計算する場合の「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」の計算上、法人税等の割合は、40%となっている。 |
解説 |
1× 配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株当たりの年配当金額を10%で還元した元本の金額によって評価します。 2○ 会社規模が小会社である会社の株式の原則的評価方式は、純資産価額方式ですが、納税義務者の選択により、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式で評価することも可能です。 3× 類似業種比準価額の類似業種の株価は、課税時期の属する月以前3か月間の各月の類似業種の株価のうち最も低いものになります。 ただし、納税義務者の選択により、類似業種の前年平均株価又は課税時期の属する月以前2年間の平均株価によることができることになっています。 4× 純資産価額を計算する場合、「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」の計算上、法人税等の割合は、37%として計算します。 (相続評価額による総資産価額-帳簿価額による純資産価額)×37% |
【正解】2 |
2017年9月2級学科問56 |
取引相場のない株式の評価 |
相続税における取引相場のない株式の評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 |
1.類似業種比準方式における比準要素には、1株当たりの配当金額、1株当たりの利益金額および1株当たりの純資産価額がある。 |
2.純資産価額方式による株式の価額は、評価会社の課税時期における資産を原則として相続税の評価額に評価替えした合計額から負債の金額の合計額および評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額を課税時期の発行済株式数で除した金額により評価する。 |
3.類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式により評価する場合、類似業種比準価額のウェイト(Lの割合)は、「中会社の大」は0.90、「中会社の中」は0.75、「中会社の小」は0.60である。 |
4.配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株当たりの年配当金額を5%で還元した元本の金額で評価する。 |
解説 |
1○ 類似業種比準方式は、類似業種の株価を基に、評価する会社の一株当たりの「配当金額」、「利益金額」及び「純資産価額(簿価)」の三つで比準して評価します。主に大会社を評価する場合に用いられます。 2○ 純資産価額方式は、会社の総資産や負債を原則として相続税の評価に洗い替えて、その評価した総資産の価額から負債や評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額により評価します。主に小会社を評価する場合に用いられます。 3○ 類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式の計算式は下記のようになります。 評価額=類似業種比準価額×L+1株当たりの純資産価額×(1-L) Lの割合(類似業種比準価額のウェイト)は総資産価額及び従業員数と直前期末以前1年間の取引金額に応じて決められます。 4× 配当還元方式は、その株式を所有することによって受け取る一年間の配当金額を、一定の利率(10%)で還元して元本である株式の価額を評価します。 |
【正解】4 |