2級FP試験強化論点・債券の商品知識
2024年5月2級学科問25 |
債券投資のリスク |
債券投資のリスクに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 |
1.債券の発行体の所在する国や地域における政治・経済状況の変化等により、債券価格が大きく変動したり、債券の元本や利子の支払不能等が生じたりするリスクを、一般に、カントリーリスクという。 |
2.債券の価格変動リスクは、表面利率などの他の条件が同一であれば、一般に、残存期間が長いほど高くなる。 |
3.債券の信用格付けにおいて、B(シングルビー)格相当以上の格付けが付された債券は、一般に、投資適格債と呼ばれ、信用リスクが低い債券とされる。 |
4.外貨建て債券の為替変動リスクを回避または軽減する方法の一つとして、当該債券の購入時に、その償還日にあわせて為替予約を行う為替ヘッジが考えられる。 |
解説 |
1○ カントリーリスクは、投資している国の経済や政治等の不安定性に伴う有価証券市場の混乱及び下落に直面する危険性をいいます。 2○ 残存期間が長い債券は、金利変動による債券価格の変動幅は大きくなります。 一般的に残存期間が長い債券は短い債券に比べて金利変動の影響を受ける期間が長いため、残存期間1年と残存期間10年の債券では、残存期間10年の債券のほうが市場金利の変動を受ける期間が長いので債券価格の変動幅は大きくなります。 3× 投資適格とされる債券の格付けはAAA~BBBになります。BB以下は投機的または投資不適格という格付けになります。 格付けが引き下げられると債券価格は下落して利回りは上昇します。つまり格付けの低い債券は価格を安くして利回りを高く設定しないと買い手がつかないということになります。逆に格付けのよい債券は価格が高くて利回りが低くても買い手がいくらでいることになります。 4○ 外貨建て債券での為替変動リスクを回避するために、為替予約を行う為替ヘッジがあります。 予め償還日の交換レートを決めておけば、円高による為替損を回避できます。 |
【正解】3 |
2019年9月2級学科問24 |
固定利付債券 |
固定利付債券(個人向け国債を除く)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 |
1.債券を発行体の信用度で比較した場合、他の条件が同じであれば、発行体の信用度が高い債券の方が債券の価格は低い。 |
2.債券を償還までの期間の長短で比較した場合、他の条件が同じであれば、償還までの期間が長い債券の方が、利回りの変化に対する価格の変動幅は大きくなる。 |
3.表面利率が最終利回りよりも低い債券の価格は、額面価格を下回る。 |
4.市場金利が上昇すると、通常、債券の利回りは上昇し、債券の価格は下落する。 |
解説 |
1× 債券を発行体の信用度で比較した場合、他の条件が同じであれば、発行体の信用度が高い債券の方が債券の価格は高くなります。 2○ 残存期間が長い債券は、金利変動による債券価格の変動幅は大きくなります。 一般的に残存期間が長い債券は短い債券に比べて金利変動の影響を受ける期間が長いため、残存期間1年と残存期間10年の債券では、残存期間10年の債券のほうが市場金利の変動を受ける期間が長いので債券価格の変動幅は大きくなります。 3○ 金利上昇に伴い債券価格は下落しますが、債券の利回りは上昇します。債券の利回りは変わりませんから価格変動によって利回りが変動します。更なる金利上昇によって債券価格が額面よりも下回るようになると、表面利率が最終利回りよりも低くなります。 4○ 市場金利が上昇すると有利な金利を求めて資金がシフトします。 固定利付債券は金利が固定なので、市場金利が上昇すると債券価格は下落しますが、利回りは上昇します。 |
【正解】1 |
2019年1月2級学科問23 |
固定利付債券の一般的な特徴 |
固定利付債券(個人向け国債を除く)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 |
1.国内景気が好況で国内物価が継続的に上昇傾向にある局面では、債券価格は上昇する傾向がある。 |
2.市場金利の上昇は債券価格の上昇要因となり、市場金利の低下は債券価格の下落要因となる。 |
3.債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等が履行されない可能性が高まると、当該債券の市場価格は下落する傾向がある。 |
4.債券を償還日の直前に売却した場合には、売却価格が額面価格を下回ることはない。 |
解説 |
1× 国内景気が好況期で国内物価が継続的に上昇傾向にある局面では、市場金利が上昇するため、債券価格は下落する傾向にあります。 2× 市場金利の上昇は債券価格の下落要因となり、市場金利の低下は債券価格の上昇要因となります。 市場金利が上昇すれば、より有利な金利を求めて資金がシフトするので、金利が変わらない固定利付債券は買う人が減り価格が下がるということになります。 3○ 債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等が履行されない可能性が高まると、債券の市場価格は下落する傾向があります。 一般的に、格付けの高い債券ほど利回りは低く、格付けの低い債券ほど利回りは高くなります。 格付けが高い債券は、低利回りでも安全性を重視して買う人はいますが、格付けが低い債券は、リスクも高いので、債券価格を安くして高金利にしないと購入する人は出てこないというわけです。 4× 償還日前に中途換金した場合、その時の市場や経済状況等により、額面価格を割り込むこともあります。 |
【正解】3 |
2018年5月2級学科問23 |
固定利付債券の一般的な特徴 |
固定利付債券(個人向け国債を除く)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 |
1.市場金利の上昇は債券価格の上昇要因となり、市場金利の低下は債券価格の下落要因となる。 |
2.国内景気が好況期で国内物価が継続的に上昇傾向にある局面では、債券価格は上昇する傾向がある。 |
3.債券を償還日の直前に売却した場合、売却価格が額面価格を下回ることはない。 |
4.債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等が履行されない可能性が高まると、当該債券の市場価格は下落する傾向がある。 |
解説 |
1× 固定利付債券は金利が固定なので、市場金利の上昇は債券価格の下落要因となり、市場金利の低下は債券価格の上昇要因となります。 市場金利が上昇すれば、より有利な金利を求めて資金がシフトするので、金利が変わらない固定利付債券は買う人が減り価格が下がるということになります。 2× 国内景気が好況期で国内物価が継続的に上昇傾向にある局面では、金利が上昇するため、債券価格は下落する傾向にあります。 3× 償還日前に中途換金した場合、その時の市場や経済状況等により、額面価格を割り込むこともあります。 4○ 債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等が履行されない可能性が高まると、債券の市場価格は下落する傾向があります。 一般に、格付けの高い債券ほど利回りは低く、格付けの低い債券ほど利回りは高くなります。 格付けが高い債券は、低利回りでも安全性を重視して買う人はいますが、格付けが低い債券は、リスクも高いので、債券価格を安くして高金利にしないと購入する人は出てこないというわけです。 |
【正解】4 |
2017年1月2級学科問23 |
債券の一般的な特徴 |
債券(個人向け国債を除く)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 |
1.一般に、市場金利が上昇すると債券価格は下落し、市場金利が低下すると債券価格は上昇する。 |
2.利率と償還日が同じであれば、信用度が高い(債務不履行リスクが低い)債券の方が最終利回りは高い。 |
3.償還日前に売却した場合には、売却価格が額面価格を下回ることはない。 |
4.国債や普通社債が流通市場で取引される額は、店頭取引よりも取引所取引の方が多い。 |
解説 |
1○ その通り。 2× 信用度が高い(債務不履行リスクが低い)債券は、価格は高く利回りは低くても購入したいという人はたくさんいますが、信用度が低い(債務不履行リスクが高い)債券は、価格を安くして利回りを高くしてもなかなか買う人はいません。よって信用度が高い(債務不履行リスクが低い)債券の方が最終利回りは低くなります。 3× 償還日前に中途換金した場合、その時の市場や経済状況等により、額面価格を割り込むこともあります。 4× 債券の取引は、証券取引所で売買する取引所取引と証券会社と投資家が店頭で取引する店頭取引の2通りがあります。債券の売買については、証券会社と投資家が店頭で取引する店頭取引が多くなっています。 |
【正解】1 |
2021年1月2級学科問24 |
債券の利回りと市場金利 |
固定利付債券の利回り(単利・年率)と市場金利の変動との関係に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとする。 |
解説 |
市場金利が上昇すると有利な金利を求めて資金がシフトしますが、それに伴い債券価格は下落します。 |
【正解】3 |
2017年1月2級学科問26 |
金外貨建て債券と為替相場 |
個人が国内の金融機関を通じて行う外貨建て債券ファンドの取引に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 |
米ドル建て債券ファンド(為替ヘッジなし)を保有しているとき、米ドルに対する円の為替レートが円安に変動することは、当該ファンドの円換算の投資利回りの( ア )要因となる。反対に、為替レートが円高に変動したときは、当該ファンドの円換算の投資利回りの( イ )要因となる。 このため、( ウ )局面では、為替レートの変動による損失が債券運用による収益を上回ると、円換算の投資利回りはマイナスになる。 |
1.(ア)上昇 (イ)下落 (ウ)円安 |
2.(ア)上昇 (イ)下落 (ウ)円高 |
3.(ア)下落 (イ)上昇 (ウ)円高 |
4.(ア)下落 (イ)上昇 (ウ)円安 |
解説 |
外貨建ての金融商品は、為替ヘッジがない場合は、為替相場の変動により円換算時の投資利回りが上下します。 円換算時に円安になっていれば、円安差益が発生するので、実質利回りは上昇します。 逆に円高になっていれば、円高差損が発生するので、実質利回りは低下します。 よって商品購入時から換金時の間に急速に円高が進むと、為替差損が大きくなり、実質利回りはマイナスとなり、元本割れを起こす場合もあり得ます。 |
【正解】2 |