2級FP試験強化論点・ポートフォリオ理論
2024年5月2級学科問29 |
シャープレシオ |
下記<資料>に基づくファンドAとファンドBの過去5年間の運用パフォーマンスの比較評価に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句または数値の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 |
ファンドA 実績収益率4.0% 実績収益率の標準偏差1.5% ファンドB 実績収益率10.0% 実績収益率の標準偏差4.0% |
ファンドの運用パフォーマンスに係る評価指標の一つとして、シャープレシオがある。無リスク金利を全期間にわたり1.0%とし、<資料>の数値により、ファンドAのシャープレシオの値を算出すると、( ア )となる。同様にファンドBのシャープレシオの値を算出したうえで、両ファンドの運用パフォーマンスを比較すると、過去5年間は( イ )の方が効率的な運用であったと判断される。 |
1.(ア)2.0 (イ)ファンドA |
2.(ア)2.0 (イ)ファンドB |
3.(ア)2.5 (イ)ファンドA |
4.(ア)2.5 (イ)ファンドB |
解説 |
A資産 (4-1)-1.5=2 B資産 (10-1)-4=2.25 過去5年間はファンドBの方が効率的な運用であったと判断される。 |
【正解】2 |
2023年9月2級学科問28 |
ポートフォリオ理論 |
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 |
1.ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となる。 |
2.ポートフォリオのリスクのうち、分散投資によって消去できないリスクをアンシステマティック・リスクという。 |
3.ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。 |
4.国債や社債のうち、発行時に将来の利息支払額が確定する固定利付債券は、すべて安全資産(無リスク資産)に分類される。 |
解説 |
1○ ポートフォリオのリスクは、相関係数=1でない限り、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも小さくなります。 相関関数は1から-1の範囲で表される 相関係数=1の場合 その証券同士は完全に同一方向に動く (Aが上がればBも上がる) 相関係数=0の場合 その証券同士の動きは全く関係ない 相関係数=-1の場合 その証券同士は全く逆に動く (Aが上がるとBが下がる) (リスク低減効果が最大化される) 2× 一般的に、分散投資を行うことによって消去可能な非システマティック・リスク(非市場リスク)とは違い、システマティック・リスク(市場リスク)は、市場全体に影響を及ぼすリスクなので、ポートフォリオの組入れ銘柄数を増やしてもリスクは低減しません。 3× ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均して得た値となります。 4× 国債は元本が保証されていますが、社債は会社倒産などの信用リスクがあり、元本も保証されていないため安全資産とはいえません。 |
【正解】1 |
2023年5月2級学科問27 |
ポートフォリオ理論 |
ポートフォリオ理論の一般的な考え方等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 |
1.ポートフォリオ理論は、期待リターンが同じであれば、投資家はリスクのより低い投資を選好する「リスク回避者」であることを前提としている。 |
2.アセットアロケーションとは、投資資金を株式、債券、不動産等の複数の資産クラスに配分することをいう。 |
3.運用期間中、各資産クラスへの資産の配分比率を維持する方法として、値下がりした資産クラスの資産を売却し、値上がりした資産クラスの資産を購入するリバランスという方法がある。 |
4.各資産クラスのリスク量が同等になるように資産配分を行うリスクパリティ運用(戦略)では、特定の資産クラスのボラティリティが上昇した場合、当該資産クラスの資産の一部売却を行う。 |
解説 |
1○ ポートフォリオ理論では、期待リターンが同じであれば、投資家はリスクのより低い投資を選好するリスク回避的であると仮定されます。 リスク回避的 同じリターンを獲得するのに受け入れるリスクを小さくしたいと考える選好 リスク愛好的 大きなリスクを受け入れるほうがよいと考える選好 リスク中立的 リターンが得られるのであれば受け入れるリスクの大小は問わない 投資家がどの程度リスク回避的であるかはリスク回避度によって表され、リスク回避度の高い投資家は、とったリスクに対してより高い見返りを要求する。これをリスク・プレミアムといいます。 2○ アセットアロケーションとは、運用する資金を国内外の株や債券などにどのような割合で投資するのかを決めることをいいます。 運用する資産には現預金・国内株式・国内債券・外国株式・外国債券・不動産・商品・金などがあり、それぞれ資産を組み合わせて配分をします。 3× 最適な資産配分を行ったとしても時間の経過とともに各資産の価格変動により資産配分のバランスが崩れていきます。その崩れた資産配分を元に戻すために値上がりした資産クラスを売却し、値下がりした資産クラスを購入するのがリバランスという方法です。 4○ ボラティリティとは価格の変動率をいいますが、ボラティリティが上昇するということは価格変動が大きいことを意味するので、リスクが高いと考えられます。よって特定の資産クラスのボラティリティが上昇した場合、当該資産を売却するなどの対応が取られます。 |
【正解】3 |
2022年5月2級学科問28 |
ポートフォリオ理論 |
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 |
1.ポートフォリオのリスクとは、一般に、組成されたポートフォリオの損失額の大きさを示すのではなく、そのポートフォリオの期待収益率と実際の収益率の乖離の度合いをいう。 |
2.異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数がゼロである場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減効果)は生じない。 |
3.ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。 |
4.ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となる。 |
解説 |
1○ 期待収益率からのばらつきの度合いを標準偏差として表します。 期待収益率と標準偏差の関係では、理論的には68.27%の確率で、「期待収益率±1標準偏差」の範囲に収まります。 また95.45%の確率で、「期待収益率±2標準偏差」の範囲に収まります。 よってポートフォリオの期待収益率が5%で標準偏差が10%のときは、下記のようになります。 68.27%の確率 5%-10%=-5%~5%+10%=15% 95.45%の確率 5%-20%=-15%~5%+20%=25% 2× 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1である場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減効果)は最大となります。 相関関数は1から-1の範囲で表される 相関係数=1の場合 その証券同士は完全に同一方向に動く (Aが上がればBも上がる) 相関係数=0の場合 その証券同士の動きは全く関係ない 相関係数=-1の場合 その証券同士は全く逆に動く (Aが上がるとBが下がる) (リスク低減効果が最大化される) 3○ 期待収益率は、ある状態下で期待される収益率が起こりうる確率を計算しますが、ポートフォリオの期待収益率は各資産の組み入れ比率(投資した割合)によって加重平均したものになります。 4○ ポートフォリオのリスクは、相関係数=1でない限り、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも小さくなります。 |
【正解】2 |
2022年1月2級学科問27 |
ポートフォリオ理論 |
ポートフォリオ理論の一般的な考え方等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 |
1.アセットアロケーションとは、リスクとリターンを勘案しながら、投資資金を複数の資産クラス(株式、債券、不動産等)に配分することである。 |
2.アセットアロケーションは、投資家それぞれの資産状況や年齢、運用目的によって、定期的に見直すことが重要である。 |
3.ポートフォリオのリスクは、組入れ銘柄数を増やすことで減少していくが、組入れ銘柄数が一定水準以上になると、銘柄数を増やしてもリスクが減少しにくくなる。 |
4.ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を単純平均した値となる。 |
解説 |
1○ アセットアロケーションとは、運用する資金を国内外の株や債券などにどのような割合で投資するのかを決めることをいいます。 |
運用する資産には現預金・国内株式・国内債券・外国株式・外国債券・不動産・商品・金などがあり、それぞれ資産を組み合わせて配分をします。 2○ アセットアロケーションは、投資家の資産状況やリスク許容度、運用目的などによって人それぞれで適切な配分が異なるので、定期的に見直すことが重要になります。 3○ ポートフォリオのリスクは、組入れ銘柄数を増やすことである程度減少していきますが、組入れ銘柄数が一定水準以上になると、銘柄数を増やしてもリスクが減少しにくくなります。 市場リスク(システマティック・リスク)は市場全体の動きに影響を与えるリスクなので、大規模な価格変動があった場合は、ポートフォリオを組み込んだとしてもそのリスクを低減できません。 元々ポートフォリオは個別の銘柄についての非市場リスク(アンシステマティック・リスク)の低減を目的としているので、リーマンショックのような世界同時株式暴落のようなリスクには対応できません。 4× 期待収益率は、ある状態下で期待される収益率が起こりうる確率を計算しますが、ポートフォリオの期待収益率は各資産の組み入れ比率(投資した割合)によって加重平均したものになります。 |
【正解】4 |