2FP試験強化論点・中小企業の資金調達

 

202392級学科10

中小企業の資金調達

中小企業の資金調達の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.日本政策金融公庫の中小企業事業における融資では、事業用資金だけでなく、投資を目的とする有価証券等の資産の取得資金についても融資対象となる。

2.信用保証協会保証付融資(マル保融資)は、中小企業者が金融機関から融資を受ける際に信用保証協会が保証するものであり、利用するためには、業種に応じて定められた資本金の額(出資の総額)または常時使用する従業員数の要件を満たす必要がある。

3.ABL(動産・債権担保融資)は、企業が保有する売掛債権や在庫・機械設備等の資産を担保として資金を調達する方法である。

4.クラウドファンディングは、インターネット等を介して不特定多数の者に資金の提供を呼びかけて資金を調達する方法であり、「購入型」「寄付型」等に分類される。

解説

1×

日本政策金融公庫の中小企業事業における融資では、投資を目的とする有価証券等の資産の取得資金については融資対象となっていません。

2

信用保証制度は、中小企業・小規模事業者のための制度であり、保証には企業規模(資本金・従業員数)・業種・区域・業歴の3つの基準を満たしている必要があります。

3

ABL(アセット・ベースト・レンディング)とは、主に、企業が不動産以外の動産(在庫や機械設備等)・債権(売掛金等)などの流動性の高い資産を担保として借り入れを行うものです。よって企業が保有する売掛債権等を期日前に売却するわけではなく、借入金が期日に支払われない時に担保物件が差し押さえられることになります。

4

クラウドファンディングは、インターネットで不特定多数の人に出資者になってもらい、資金を調達する仕組みです。
支援者(出資者)へのリターン方法の違いから「購入型」「寄付型」「金融型」、募集方式の違いから「All-or-Nothing(目標金額を達成した場合のみ支援金を受け取る)方式」と「All-in方式(目標金額を達成せずに終了しても集まった分だけ支援金を受け取る)」に分けることができます。

【正解】1

 

202352級学科問9

中小企業の資金調達方法

中小企業の資金調達方法の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.企業が民間の銀行から融資を受けて事業資金を調達する方法は、間接金融に分類される。

2.インパクトローンは、米ドル等の外貨によって資金を調達する方法であり、その資金使途は限定されていない。

3.第三者割当増資により新株を引き受けた第三者が既存株主以外の者であった場合、既存株主の持株比率が上昇する。

4.日本政策金融公庫のマル経融資(小規模事業者経営改善資金)は、商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者の商工業者が利用できる融資制度であり、利用に当たって担保と保証人は不要とされている。

解説

1

直接金融

資金を必要とする企業や国などが、銀行などの第三者を介入させずに、社債・株式・公債を発行して、必要な資金を証券市場などから直接貸し手から調達すること

間接金融

企業や政府が必要な資金を、銀行などの金融機関からの借り入れで調達すること

2

用途に制限のない外貨融資のこと。

通貨の種類や貸付金額、金利等について規制がない。

為替予約のあるもの・・・スワップ付インパクトローン

為替予約のないもの・・・オープンインパクトローン

3×

第三者割当増資は、特定の第三者に対して新株引受権を与え、新たに株式を発行して資金を調達する方法です。

新株を引き受けた第三者が既存株主以外の者であった場合、既存株主の持株比率が下がります。

4

日本政策金融公庫のマル経融資(小規模事業者経営改善資金)は無担保・無保証になります。

【正解】3

 

202292級学科問10

中小企業の資金調達

中小企業の資金調達の各種方法と一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.私募債は、少数の特定の投資家が直接引き受ける社債であり、企業が資本市場から直接資金を調達(直接金融)する手段の1つである。

2.信用保証協会保証付融資(マル保融資)は、中小企業者が金融機関から融資を受ける際に信用保証協会が保証するものであり、利用するためには、業種に応じて定められた資本金の額(出資の総額)または常時使用する従業員数の要件を満たす必要がある。

3.ABL(動産・債権担保融資)は、企業が保有する売掛債権や在庫・機械設備等の動産あるいは知的財産等を担保に資金を調達する方法であり、不動産担保や個人保証に過度に依存することなく資金を調達できるというメリットがある。

4.インパクトローンは、米ドル等の外貨によって資金を調達する方法であり、その資金使途は、海外事業の展開・再編に係るものに限定されている。

解説

(1)

少人数私募債は、親族、知人、取引先などの縁故者(50人未満)を対象として、企業が社債を発行して資金を調達する方法です。

(2)

信用保証協会保証付融資(マル保融資)は、中小企業者が金融機関から融資を受ける際に信用保証協会が保証するものです。

利用には、業種に応じて定められた資本金の額(出資の総額)または常時使用する従業員数の要件を満たす必要があります。

(3)

ABL(アセット・ベースト・レンディング)とは、主に、企業が不動産以外の動産(在庫や機械設備等)・債権(売掛金等)などの流動性の高い資産を担保として借り入れを行うものです。よって企業が保有する売掛債権等を期日前に売却するわけではなく、借入金が期日に支払われない時に担保物件が差し押さえられることになります。

(4)×

用途に制限のない外貨融資のこと。

通貨の種類や貸付金額、金利等について規制がない。

為替予約のあるもの・・・スワップ付インパクトローン

為替予約のないもの・・・オープンインパクトローン

【正解】4

 

202152級学科問10

中小企業による金融機関からの資金調達

 

中小企業による金融機関からの資金調達に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.手形貸付は、借入れについての内容や条件等を記載した金銭消費貸借契約証書によって資金を調達する方法である。

2.インパクトローンは、米ドル等の外貨によって資金を調達する方法であり、その資金使途は限定されていない。

3.ABL(動産・債権担保融資)は、企業が保有する売掛債権等の債権や在庫・機械設備等の動産を担保として資金を調達する方法である。

4.信用保証協会保証付融資(マル保融資)の対象となる企業には、業種に応じた資本金または常時使用する従業員数の要件がある。

解説

1×
手形貸付は、借入用の手形を銀行に差し入れて融資を受けます。
手形貸付は1年以内の短期融資に利用されることの多い融資方法になります。
設備投資やメインの運転資金などの長期融資は、金銭消費貸借契約証書による証書貸付が一般的です。

2
インパクトローンは、用途に制限のない外貨融資のことをいいます。
通貨の種類や貸付金額、金利等について規制がありません。
為替予約のあるものはスワップ付インパクトローン、為替予約のないものはオープンインパクトローンの2種類があります。

3
アセット・ベースト・レンディングは、主に企業が不動産以外の動産(在庫や機械設備等)・債権(売掛金等)などの流動性の高い資産を担保として借り入れを行うものです。よって企業が保有する売掛債権等を期日前に売却するわけではなく、借入金が期日に支払われない時に担保物件が差し押さえられることになります。

4
信用保証制度は、中小企業・小規模事業者のための制度であり、保証を受けるためには資本金や従業員数、業種、区域・業歴などによって要件が異なります。

【正解】1

 

201512級学科問10

中小企業の資金調達

中小企業の資金調達に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.手形借入は、企業が借入金額を額面とする金融機関宛の約束手形を差し入れることで金融機関から融資を受けて資金を調達する方法である。

2.ABL(アセット・ベースト・レンディング)は、企業が保有する売掛債権を期日前に売却することにより資金を調達する方法である。

3.公募増資は、不特定多数の投資家を対象として、企業が株式を発行して資金を調達する方法である。

4.少人数私募債は、親族、知人、取引先などの縁故者(50人未満)を対象として、企業が社債を発行して資金を調達する方法である。

解説

1
手形借入
その通り。
金融機関宛の約束手形を差し入れることで金融機関から融資を受けて資金を調達する方法です。主に短期資金の確保等に利用されています。

2×
ABL(アセット・ベースト・レンディング)
ABL(アセット・ベースト・レンディング)とは、主に、企業が不動産以外の動産(在庫や機械設備等)・債権(売掛金等)などの流動性の高い資産を担保として借り入れを行うものです。よって企業が保有する売掛債権等を期日前に売却するわけではなく、借入金が期日に支払われない時に担保物件が差し押さえられることになります。

3
公募増資
公募増資は、不特定多数の投資家を対象として、企業が株式を発行して資金を調達する方法です。しかし、増資をすることで1株あたりの利益が希薄化してしまうなどのデメリットもあります。よって増資発表後の株価は下がる傾向にあります。

4
少人数私募債
その通り。主に中小企業等で行われる資金調達の一つです。

【正解】2

 

201492級学科問10

ライフ分野・中小企業の資金調達

中小企業の資金調達に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.金融機関からの資金調達の手段には、手形貸付、証書貸付および当座貸越などがある。

2.第三者割当増資は、特定の既存株主に限定して新株引受権を与え、新たに株式を発行して資金を調達する方法である。

3.社債には、不特定多数の投資家を対象として募集する公募債と、特定少数の投資家が直接引き受ける私募債がある。

4.資金調達は、月次ベースでの資金繰りだけを考慮しても、月の途中で一時的に資金不足となることもあるため、日次ベースの資金繰りも考慮したうえで行う必要がある。

解説

1
その通り。

2×
第三者割当増資は、特定の第三者に対して新株引受権を与え、新たに株式を発行して資金を調達する方法です。

3
その通り。

4
その通り。

【正解】2

 

201452級学科問10

ライフ分野・中小企業の資金調達

株式発行や社債発行による中小企業の資金調達に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.社債を発行することができる会社は、会社法上の株式会社に限られる。

2.社債には、不特定多数の投資家を対象として募集される公募債と、特定少数の投資家が直接引き受ける私募債がある。

3.株式発行による増資資金と社債発行による調達資金はいずれも資金の長期借入れとなり、それらの調達状況は貸借対照表上の負債勘定で確認することができる。

4.中小企業が私募債を発行する際に利用することができる特定社債保証制度は、独立行政法人中小企業基盤整備機構による保証制度である。

解説

1×
社債の発行は株式会社のみならず、特例有限会社、合名会社、合資会社、合同会社も社債を発行することができます。
これまで有限会社などでは社債の発行ができないとされており、資金調達の手段が限られていましたが、 新会社法では、広く資金調達の円滑化を図るべく、すべての会社類型で社債を発行できるようになりました。

2
その通り。

3×
株式を発行してもらったお金は、原則として全て資本金(純資産)にしなければいけません。ただし、例外として半分までは資本金にしないこともできます。資本金にしない金額は、資本準備金(純資産)という科目を使って仕訳を行います。
お金を集めるという点では株式も社債も同じですが、社債は借金なのでいつかお金を返さなければいけません。それに対して、株式は出資なのでお金を返す必要はありません。
従って、株式は自己資本になり、社債は負債になります。

4×
中小企業が私募債を発行する際に利用することができる特定社債保証制度は、信用保証協会による保証制度です。
保証協会の社債保証を受けられると、金融機関からの信用力が高まるなどの効果があります。

【正解】2