202393FP試験の出題傾向について

 

今回の試験は、3級でも新たな論点を差し込んだりとなかなか挑戦的な問題が多かったような気がします。

5月の試験に続いて難しい問題や細かい論点が出題されました。

それと全体的に数字を問う問題が多かったという印象です。

3級でも舐めてかかると何回も不合格になるからしっかりと学習して欲しい」という出題者のメッセージが明確になったと思います。

 

1.学科

俺のセレクトした論点整理ファイルからの出題数は下記のようになりました。

ライフ

9

リスク

10

金融

10

タックス

10

不動産

7

相続

11

合計

57/60

 

(1)ライフ分野

年金問題は3級にしては少し難しかったと思います。

2

アルバイトやパートタイマーが、労働者災害補償保険の適用を受けるためには、1週間の所定労働時間が20時間を超えていなければならない。

 

4

国民年金基金の加入員は、所定の事由により加入員資格を喪失する場合を除き、加入している国民年金基金から自己都合で任意に脱退することはできない。

この2問はかなり勉強していないと解けないと思います。

特に問4はあまり馴染みのない国民年金基金の問題なので、こういうところで学習の差が出ます。

(2)リスク分野

リスク分野は定番の問題でしたから解けた人は多かったと思います。

(3)金融分野

金融分野もほぼ無風だったと思います。

難問はありませんでした。

(4)タックス分野

46

固定資産のうち、( )は減価償却の対象とされない資産である。

1) 特許権

2) ソフトウエア

3) 土地

3級でも減価償却の問題が出るようになりました。

いずれは計算問題も出るかもしれません。

16

電車・バス等の交通機関を利用して通勤している給与所得者が、勤務先から受ける通勤手当は、所得税法上、月額10万円を限度に非課税とされる。

何年かに1回は出る通勤手当です。

48

所得税において、所定の要件を満たす子を有し、現に婚姻をしていない者がひとり親控除の適用を受けるためには、納税者本人の合計所得金額が( )以下でなければならない。

1) 200万円

2) 350万円

3) 500万円

まさかひとり親控除が出るとは思いませんでした。

これは解けなくても仕方ありません。

(5)不動産分野

不動産分野も細かい数字を問う問題が多く出ました。

暗記が苦手な人はできるだけ直前に確認しておいた方がいいでしょう。

(6)相続分野

贈与関係の問題も出ましたが、総じて難問はなかったと思います。

この分野も数字を問う問題が多かったと思います。

 

今回の3級学科は数字を問う問題が多かったですが、うろ覚えの人には難問に見えたと思います。

暗記が得意な人は有利だったかもしれませんが、暗記が苦手な人は丁寧に理由付けをして覚えてください。

 

2.実技

(1)金財(個人資産)

各分野ともほぼ定番問題でしたが、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」については、年々問われる論点が増えてきていますので、もう一度細かい数字や要件とかを確認してください。

年金問題については、基本の年金額と子の加算額は最低限覚えておきましょう。

(2)FP協会(資産設計)

相変わらず節操のない出題が続いていますが、この問題なんかはFPに果たして必要なのか疑問に感じます。

202393級実技資産設計問1 

公表された他人の著作物を自分の著作物に引用する場合の注意事項に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.自らが作成する部分が「主」で、引用する部分が「従」となる内容にした。

2.自らが作成する部分と引用する部分を区別できないようにまとめて表現した。

3.引用する著作物のタイトルと著作者名を明記した。

前回同様に株式の権利確定日が出ましたが、株に興味がなければ解けなくてもいいと思っています。

202393級実技資産設計問10

損害保険の用語についてFPの青山さんが説明した次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.「通知義務とは、契約の締結に際し、危険に関する『重要な事項』のうち保険会社が求めた事項について事実を正確に通知する義務のことです。」

2.「一部保険とは、保険金額が保険の対象の価額(保険価額)を超えている保険のことです。」

3.「再調達価額とは、保険の対象と同等のものを新たに建築または購入するのに必要な金額のことです。」

これはなかなか3級では難しかったと思います。

「通知義務」は初めて問われる論点でした。

202393級実技資産設計問19 

明子さんは、現在、専業主婦であり国民年金の第3号被保険者であるが、パートタイマーとして、株式会社SXにて2023101日より「週25時間、月給12万円、雇用期間の定めなし」という労働条件で働く予定である。この条件で働き始めた場合の明子さんの国民年金の被保険者種別に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、株式会社SXは特定適用事業所である。

1.国民年金の第1号被保険者である。

2.国民年金の第2号被保険者である。

3.国民年金の第3号被保険者である。

これからは社会保険の加入資格についてはかなり重要な論点になります。

タイムリーな論点で、法改正もされているので必ず要件等を抑えておいてください。

 

FP協会実技は相変わらず解くのは疲れます。

レア問題もたまに出るので、必ず過去問は相当前まで遡ってやってください。

 

3.総評

全体的に学科・実技とも細かい数字が問われました。

それと選択肢の文言が少し分かりづらいなど、過去の問題とは明らかに変えてきていると感じました。

2級学科では特に顕著でした。

問われている知識は変わりませんが、ちょっとでも出題の趣が変わると解けなくなることもあるので、しっかりとした知識のインプットが必要だと思います。

3級だから楽勝は本当に通用しなくなったと思います。

1月の試験は例年少しだけ難しい傾向にあるので、心して学習してください。

 

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