ココナラの生徒さんから外貨建ての商品での円換算支払い特約について質問を受けましたので、詳しく解説します。
外貨建ての金融商品には外貨預金や生命保険などがたくさんありますが、日本国内で販売されている商品よりも利回りが高いものが多いので人気な商品もあるようです。
ただハイリスク・ハイリターンを狙いすぎて場合によっては運用利回りが大きく下回ることもあるので注意しましょう。
1.為替変動リスク
外貨建ての金融商品を購入する場合は円を外貨に換えて購入します。
また満期を迎えれば外貨を円に換える必要があります。
その際に使用するのがTTS・TTBの為替レートです。
詳しくはこちらを参照。
為替レートは常に変動しているので、このレートによって支払う金額も戻ってくる金額も違ってきます。
購入時に1ドル=100円で購入し、満期時に1ドル=200円になって換金すれば、差し引き100円の為替差益を手にすることができます。
つまり購入時に円高→換金時に円安になっていれば、円安による為替差益が発生し、金融商品の本来の利回り以上の儲けを手にすることが可能です。
しかし、購入時に円安→換金時に円高になっていれば、円高による為替差損が発生し、金融商品の本来の利回りさえも下回ってしまうこともあり、最悪元本割れをする場合もあります。
これが外貨建て商品における為替変動リスクになります。
2.為替ヘッジをつけた場合
外貨建て商品における為替変動リスクに対応するために為替ヘッジを付けた商品もあります。
為替ヘッジでは予め円と外貨で換算するレートを決めておくことになります。
1ドル=100円で換算レートを設定した場合、換金時のレートが円高(100円未満)になっていれば、販売会社は損をし、逆に換金時のレートが円安(101円以上)になっていれば、購入者が損をする仕組みです。
つまり計算上はこうなります。
※1,000ドルを円に換金する場合(為替ヘッジにより1ドル=100円で換算レートを設定)
換金時の円とドルのレート・・・1ドル=50円(円高)
1,000ドル×50円=5万円
為替ヘッジをつけているので、
1,000ドル×100円=10万円となり、販売会社は差し引き5万円を多く支払うことになります。
換金時の円とドルのレート・・・1ドル=200円(円安)
1,000ドル×200円=20万円
為替ヘッジをつけているので、
1,000ドル×100円=10万円となり、購入者は本来20万円を受け取れるところが10万円少ない円を受け取ることになります。
為替ヘッジをつけた商品でも為替リスクを完全に排除できないことが分かります。
3.円換算支払い特約について
外貨建ての金融商品を購入し満期時や保険金の支払いを円で支払う特約は、換金時の為替レートが適用されるので、為替変動リスクを回避できないことになります。
「換金時に円で支払います」という約束だけで、為替レートはそのまま適用されるため為替変動リスクにより利回り低下は避けられない一方、為替レートによっては本来の利回り以上の利回りを得ることも可能という諸刃の剣とも言えます。
4.外貨預金の税務
試験では外貨預金等の税務も出題されます。
※詳しくはこちらを参照
非常にややこしい論点ですが、順序だてて覚えるようにしてください。