俺は実技は金財を選択したが、合格後に金財を選択して良かったと本当に思った。

理由は実務で役立つからだ。

相続税額を求める問題なんかもそうだ。

相続案件の相談を受けた時、まずはこの相続税額の総額を求める問題に沿って提案書を作る。

枝葉の問題は更に調べる必要はあるが、基本的な流れは変わらない。

一連の相続の流れで問題となる箇所や特に気をつけなければならない点について洗い出して補強していけばいい。

 

逆にFP協会の実技を解いていつも思うことは、「これで実技に役立つの?」という点だ。

例えばこの問題。

 

202252級実技 問20 

2級でさえこのレベルでは実務では到底使えない。

解答することは可能でも相続に関する包括的な相談に対する提案はできないだろう。

FPの仕事は顧客の相談について具体的な提案をすることであるならば、法定相続分や遺留分を説明すれば終わりではないはずだ。

そこから顧客に対して具体的な問題点を指摘して解決方法を探っていくことが求められるのだと思う。

今時法定相続分や遺留分くらいの知識は相談者でも分かっている人が多いのだから、その先を勉強しないと意味がない。

実技と言いながら全く実務に役立たないのだから資格を取っても役立たないのは当然だ。

 

試験に合格するだけならいいが、FPとして活動したいなら合格テクニックだけを身に付けてはダメだということを分かってほしい。

少なからずFP協会の実技を選択する人は学科を満遍なく学習することと、常に実技を意識して切り取られた論点を繋ぎ合わせて包括的に学習して欲しい。

過去問は最低でも5年分くらいは解かないと、部分的な論点は理解できても論点の全体像は理解できないままになってしまう。

簡単・難しいだけで選択して合格しても全く使い物にならない資格を取ることになる。

使い物になるかならないかはあなた次第。

間もなく5月の申し込みが始まるが、実技の選択はよく考えて下さいね。