俺は金財で受けたからFP協会の実技はほとんど分からなかった。
最近になってFP協会の実技試験の解説も付けるようになって分かってきたことがあったので書いてみたいと思う。
1 確かに定番問題の使い回しは多い
解説を付け始めて思ったことは、例年出される問題のコピペが多いと思ったことだ。
確かに直近3回分位だと同じ問題じゃないかと思うくらいだ。
だがここが落とし穴なんだな。
2021年9月の実技試験は、明らかに直近の出題傾向とは違ったものだった。
難易度が上がったのではなく出題傾向が変わっただけだが、過去問の練習量が足りない人は面食らったと思う。
出題傾向が少し変わっただけで解けないというのは基礎知識が身についていない証拠だ。
2 金財よりFP協会のほうがレアな論点が出やすい
FP協会の実技はあまり重要な論点ではないものも出やすいと感じた。
財形問題なんて定番で出ているが、金財では学科・実技ともここ数年はまったく出ていない。
金の取引だってレア問題だと思うし、とにかくどの論点が出題されるのか予想がつきにくい。
3 1問につき5点配点は怖い
FP協会の3級実技は1問5点の配点だ。
難しい問題、簡単な問題、全く分からない問題、解答に自信のない問題、イージーミスの問題、これらが全て5点配点というのは一見公平に見えて怖い。
歯が立たない問題を間違えるのは仕方ないだろうが、イージーミスや計算ミスで間違えた問題も5点マイナスだから、それが積み重なれば6割を取れない人が出るのは当然。
よって学習はできているのに試験特有の雰囲気に呑まれて、イージーミス連発で自滅する人も多いだろう。
正解できればデカイが、間違えばゼロというのはサッカーの勝ち点の上乗せと同じだと思う。
逆に引き分けで1点というのもないので相当厳しいことを認識したほうがいい。
4 学科ができていない人は実技の過去問をチョロっとやっただけでは通用しない
いつもと出題傾向が違うと感じた人や解答に苦労した人は基本的に学科の知識が身についていないのだが、FP協会の実技は金財よりも幅広く出題する傾向にあることは間違いない。
よって過去問を3回分くらいやっただけでは出題傾向は掴めない。
特に学習不足の人は学科の基礎ができていないので、出題傾向の変化についていけない。
逆に学科をきちんとやった人はどんな問題が来てもウェルカムなので、たまに出題されるレア問題くらいしか落とさない。
この落差が5点配点として重くなることを認識すべきだ。
5 実技の過去問より学科の過去問
確かに実技問題は学科問題とは毛色が違う。
しかし、問われている知識は学科での知識だ。
そこを知らないまま実技の過去問をやっても意味がない。
とにかく実技の問題より学科の問題を多く解いていくしかない。
6 実技は金財かFP協会か
確かにFP協会のほうが簡単かも知れない。それは否定しないが、出題範囲が絞りきれないのは個人的には嫌だ。
金財実技であれば、まずは各分野の計算問題を確実に覚えることで得点できる。
ややこしい計算もあるが覚えてしまえばまず外さない。
それと問題の構成がほぼ固定しているので、いきなり分野の違う問題が出題されることはまずない。
各分野にまたがるのはタックス問題くらいだ。
俺がFP協会の実技を気に入らないのは、出題が五月雨式に出るところだ。
設例に関係ない問題が出るのは気に食わない。
金財は設例が長いが見るポイントは限られていて分かりやすい。
これは完全に個人的な好みだからどうしようもないが、簡単だからと言って安直にFP協会の実技を選択すると失敗することもあるので、もし選択した場合は実技より学科をきちんと学習しよう。