今日(10/1)、町内会の理事会がありました。
理事会の直前に、会長と副会長に、「その他の議案として、認知症の学習会の提案するので、時間を少しくれ」とお願いしました。
また町内会長に、「会長の認知症のこと、みんなに言ってもいいですか?」と確認して、承諾をもらいました。
以前も言いましたが、町内会長は、先日「アルツハイマー型認知症」と診断されていました。
(参考:町内会長の告白

まさしくこのタイミングが、認知症サポーター養成講座の開催を提案する絶好の機会だと思いました。
私は時間をもらって、チラシを見せながら次のように話しました。

↑川崎市多摩区のチラシ(本当はオレンジ色の紙です)

「私からは、”町内会として、認知症サポーター養成講座を開きませんか?”という提案です。このチラシは、区役所に行けばもらえるんですが、”認知症サポーター養成講座を出前します”、というやつです。
提案したきっかけは、先日のお祭りのときに、町内会長から”アルツハイマー型認知症と診断された”と告白されたことでした。」 (え~っ?!という声あり)
おそらく、他の理事の皆さんは、”会長が認知症になったのだから、年齢が近い自分や家族も認知症になるかもしれない。認知症になったらどうしたらいいんだろう?”と思ったことでしょう。

私は次のように続けました。
「認知症になると、記憶障害から、普通では考えられないいろんなことがあります。
私の母親も認知症で、”もの盗られ妄想”という症状がありました。これはサイフなどの大事なものをいつもと違うところにしまってしまい、それを忘れてしまって、同居家族に”お前盗っただろ?”と犯人扱いしてしまう症状です。
でも、これは認知症のせいなんだと理解していれば、それなりに対処することは可能です。
このように、この講座では、認知症の方への接し方や、介護している家族の気持ちを学ぶことができます。」
ここらへんは、自分の中では少しパニックになっていて、自分で何言っているかわからない状態でした(^o^;)

何度も認サポを受けたことがある副会長が、助け舟を出してくれました。
「会長が認知症になり、”明日がわが身”です。認知症の方は今後増えていくでしょうし、認知症とはどんな病気なのか、認知症の方との接し方、認知症の方にしてはいけないことなど、勉強することができます。皆さん、いかがでしょうか?」

すると、理事の皆さんから、
「うん、いいんじゃないか」
「俺だっていつかはなるかもしれないんだし、家族に受けてもらいたいな」
という声があがりました。

質問もいくつかありました。
質問「これは、認知症の予防講座ではなく、サポーターを増やしたいという講座なんだよね?」
私「その通りです。認知症の予防の話も少しだけあることはあります。認知症になったら施設に入れればいいと思っている人もいるかもしれないけれど、特養と呼ばれる施設は原則要介護3以上、つまり重症にならないと入れないので、町中に軽度の認知症の方が増える可能性があります。認知症の方や家族を見守る認知症サポーターが町内に増えれば、もし徘徊したとしても安心なので、家族も安心ですし、ご本人も安心して徘徊できるんです(笑)。この認知症サポーターを増やす目的は、チラシの一番上に書いてあるんですが、”認知症になっても安心して暮らし続けられる町を作りませんか”です」

「もし町内会でやろう、ということになれば、日時を決めて、場所を確保していただければ、申し込みその他は、私の方でやりますので。」
私は理事会参加者の中では一番下っ端(最年少)なので、このように”私は実行部隊として動きます”と宣言しました。
どこの町内会もそうだと思いますが、町内会の役員は高齢化しており、なかなか動ける人がいないので、動いてくれる人がいるととても助かる、ということは、町内会活動をして気づいていました。
”町内会を利用して講座をやろうと頼む”だけなら、自分が得(Win)になるだけ、です。
Win-Winの関係になるためには、相手が助かることを自らすすんでやる必要があると、私は考えています。

質問「これは、平日夜でもOKなのですか?」
※いつも理事会は平日の夜にやっているので、参加対象は”理事の皆さん”を想定した質問です。
私「原則、平日の日中なのですが、土日や平日夜でも、講師の調整がつけば可能です。
講師は、認知症キャラバンメイトという資格を持ったボランティアが講師をします」
理事の一人「こういうボランティアって、頼まれたら嫌と言えない人ばかりなので、いつでも来てくれるんだよ」
↑この発言をした理事は、先日お祭りの際にお神酒所で一緒だった人です。
私がこういうボランティア活動をしていることを話しており、ご本人も障害者へのボランティア活動をしているので、すぐこの提案に賛成して、このように応援?してくれました。

その後、開催することが正式に理事会で承認され、日時と場所が決まり、参加対象は、町内会理事とその家族ということになりました。
理事と家族に好評なら、次は町内に住んでいる住民を対象にして2回目を開催しようとなりました。

次回来月の理事会までに、私が”案内チラシ”を作ることになりました。
チラシは、「(時間かけてすごいのを作る必要はないし)、この多摩区のチラシを流用して、こういう風にちゃちゃっと作ればいいよ」と指示がありました。
昨年、開催したとき私が苦労して作った「認知症啓発チラシ」があるので、それをまた使っちゃおうかな、と思っています。

昨年、9月にも丁目の町内会で認知症サポーター養成講座を開催していました。
(丁目の町内会がいくつか集まって、うちの町内会になります。)
昨年、丁目の町内会で開催した後、上の町内会でもやりたいと、私は周りに話をしていました。
ある理事からは、「うちの町内会は、年間行事をこなすだけで精いっぱいだから、これ以上イベントを増やすのは難しいぞ」と言われていました。

でも、町内会長が認知症になったおかげで(?)、「有言実行」になりました。\(^o^)/
会長が認知症になったおかげだけではない、と思っています。
町内会で一番大きいイベント「秋祭り」が、無事事故もなく終わって、安心しているタイミングだったということもあったでしょう。
それに、私が1年以上町内会のお手伝いをしたり、お祭りなどの行事に参加してきたことで、町内会の皆さんと顔なじみになり、嫌がる仕事(道路使用許可の作成・申請)もやってきたので、町内会の皆さんにやっと認められた気がします。

私は今年4月に理事になったばかりです。“全然見たことない、どこの馬の骨ともわからない、ただの若いやつ”という印象を持たれていたら、同じ提案をしても受け入れられなかったかもしれません。

認知症サポーター養成講座を開くことは、町内会で講座を開きたいと考えていた私の得(Win)にもなるし、講座の内容は、これから増える認知症の方と、どんな風に接したらよいのか、どうやって見守っていったらよいかなので、町内会を代表している理事の皆さんにとっても、とても役立つ内容になるはずです。
私と町内会、両者がWin-Winになるイベントなのです。