10年ぶりに来院された患者さん。

その時すでに、歯周病はかなり進行していました。


まずは1ヶ月おきに

歯石除去やブラッシングの確認を続け、

少しずつ状態が落ち着いてきたため

3ヶ月ごとの定期検診へ移行しました。


ところがある日、

右上の奥歯が急に腫れ、強い痛みと動揺が出てしまいました。


一旦消毒とお薬で炎症を抑え、

後日、麻酔をして歯根に付着した歯石の除去や

不良肉芽の除去(SRP)を行いました。


その1ヶ月後、経過確認で来院された際、

これまであまり歯に関心を示されなかった患者さんが

ご自身で色々調べて来られました。


「食いしばりの話、前にしてもらってましたよね」

「ナイトガードは作った方がいいんでしょうか?」


そして

「この歯は、また腫れたり治ったりを繰り返すんですよね…」

「本当は抜歯しか方法がないのも分かっています」

「でも、できるなら何とかしたい」

「もっと早く自覚していたら、少しでももたせられたんでしょうか…」


そう話してくださった姿が、とても印象に残っています。


歯周病は、

痛みが出た時には、すでに進行していることが多い病気です。


だからこそ

「もっと早く気づいていれば…」と

後悔される方も少なくありません。


でも私は、

今こうして向き合おうとしてくださっていること自体が

とても大切だと感じています。


完璧じゃなくていい。

できることを、今から一緒に考えていく。


その積み重ねが、

これからの歯の未来をつくっていくのだと思います。


※実際の患者さんのお話ですが、個人が特定されないよう内容は一部調整しています。