続・帰ってきた怖い話(前編) | がらくた通り3丁目

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人にとってはまるで無価値。それも一個人の形成には不可欠。自我の源泉をたどる旅。おつきあい頂けたら幸いです。

怪獣

え〜〜〜っ!般若?

会社に入社したての頃だ。
pecobro君の席とりあえずここね。
自分の職とは畑違いの営業部に通された。
今繁忙期でバタバタしているから
これ終わったらキチッと確保するから。

そう言われて
ある方の向かい側の席に通され挨拶すると
pecobro君か!よろしくな!と返ってきた。
ちょっと怖そうな顔だけど
サバサバしてる人だな。
ほどなくその方
さあ仕事に行ってくるか〜っ!
威勢のいい声を放ち席を立ち
椅子にかけられた背広に手をかける。
羽織ろうとする仕草を眺めてたら
ある光景が目に飛び込んできてビックリ!

背広の裏地が般若ではないか!!!

しかもパンチパーマ。相当ヤバイ。
この人どんな営業しに行くのやら。

これが入社した瞬間の第一印象。

縮こまっていると
総務の小柄な課長がやってきて
会社をいろいろ案内してくれるという。

この課長三遊亭小圓遊にそっくりだな〜。
頭の中でクスッと笑いつつも
まず総務室に連れられ
ドアを開けた瞬間固まってしまった。

悪役商会の八名信夫さんそっくりの方が
中央にドンと構えているではないか!!!

そのあとロッカー室連れていかれて
これがpecobro君のロッカーだから
自分で名札いれといてね〜。

なんだかこの小圓遊軽い感じだな〜。
口調が軽いのは
新人である自分に気を回してくれているのかな?
いい方なんだなと思いつつ
小圓遊の指さすその指に目をやると

なんと!小指が第一関節から先がない。

そして続けて
怖い人が攻めてきたらここに隠れるようにね〜〜♪
喜々とした顔でいう。

いや!マジでヤバイ!この会社ヤバイ!
こんな会社に勤めてたら命がない!
一日なんとかここでやり過ごして
明日から職探しだ。
それにしても今日無事過ごせるんだろうか?
入社初日で辞める決心をしたものだ。

怖いもんです。
〈つづく〉

後日聞いたのだが
小指がないこの小圓遊は昔日曜大工やってて
工具に指を挟む事故に見舞われて
こうなったらしい。