様式美 | がらくた通り3丁目

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人にとってはまるで無価値。それも一個人の形成には不可欠。自我の源泉をたどる旅。おつきあい頂けたら幸いです。

お好み焼き

あれは幼稚園にあがる前だったな〜。
豆腐の味噌汁を飲んでいると
中から目玉が出てきました。

父さんこれ何〜?って聞くと
それは豆腐の目玉だと教えられました。

大人になるまでずっと不思議な体験として
信じていたpecoです。

あれってたぶん煮干しの魚の目
だったんだろうな〜?
母に聞いても
父さんそんなこと言っていたの?って
笑われるだけ。
もう少しまじめに教えてもらいたかったな〜。

bro
お前さっきから何ブツブツ言ってるの?
えっ?酒も入れるの?顆粒のダシまで!
長芋のすりおろしたものまではわかるけど
これはないんじゃないのか〜?

peco
いいの!いいの!
酒を加えると味にコクが出るんだよな〜

bro
それ何かのレシピ本に書いてあったのか?

peco
いや。別に。ただなんとなく。

bro
おい!おい!
いいか!お前が作っているのはなんだ!

peco
お好み焼き。

bro
お好み焼き粉のパッケージには
そんなこと一言も書いてないぞ!

peco
大丈夫やって!
それにいろいろ実験せーへんと
ごっつ美味いもんにも巡り会えへんやろ?

bro
なんで関西弁?
そりゃそうだけどよ〜。
ハッ!もしや俺ってそのための実験台?

peco
あっ!バレた。
よしタネはできた!やりますか〜♪


ジョワ〜〜〜ッ!
ホットプレートの上で響く実験的サウンド
オ〜〜!これは!
レスポールのリアとフロントをミックスしたような
極上サウンドではないか!

よしひっくり返すぞ。
緊張の瞬間だ。
そりゃ〜!
よし!成功だ!
安堵の空気が俺たちを包む。
リラックスしたのもつかの間
ソースをかける。
生地からはみ出したソースが雄叫びをあげる
ジョワ〜〜〜ッ!
オ〜〜!これはまるで泡立つ溶岩ではないか!
マヨネーズをかけて最後は鰹節!

鰹節が生地の上を踊っているぞ!

あっ!溶岩が固まった!
これって天国への階段の最後の一節
To be a rock and not to roll
転がらない岩じゃないか!

そうだこれは
ハード・ロックのライブだ!
しかも動と静
この見事なドラマチックなアレンジは
ブリティッシュ・ロックそのもの!

レスポールの音にソースの雄叫び
踊る鰹節はお客だ〜〜。

お好み焼きは
ハード・ロックの様式美
そのものではないか!


peco
しかしお好み焼きって暑いな〜。
夏のお好み焼き。いい汗かいた〜♪

bro
さっきからひとりで何を興奮しているのやら。
しかしその尋常じゃない汗の量だけは
ジミー・ペイジみたいだな!

peco
「……………」