勢いでコーヒー屋を飛び出した(退職した)ものの、案の定早速第一の、そして最大のピンチを迎えている。
人は生きているだけで先立つものが必要だ…どう考えたって9月は生き残れる自信がない笑
でも自分の意志で変えた環境だ。
この先に自分がワクワクするような事が出来る日が来る事を考えると不思議と前のようにメンタルが落ちたりするようなことは無い。
目標があるというのはこんなにも違いがある事だとは…忘れていたというか、もしかしたら初めて感じる感覚かもしれない。
この歳にして、やっと自分卑下しない事を受け容れようとしている。
自分は頑張った。頑張ったのだが、どう考えたって家族や友人、今まで出会った人々が居なかったら、僕はとうに野垂れ死んでいてもおかしくなかった。
大切にしなくては。
生かされている事を日々噛み締めなくては、心はまた貧しくなってしまう。
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この写真ブログを立ち上げて早十余年。
基本的には写真やカメラ、そして日常の考え事などを中心にブログを書いていたが、それ以前に自分に欠かせないのが音楽の存在だ。
実は写真で表現したい事なども、音楽から先にイメージを得て写真を撮ったのが始まりだったりする。
写真展のテーマも毎回曲のタイトルだったりするしね。
中学校から本格的に音楽を始め、気が付けば音楽大学を卒業した惰性で未だ細々と音楽活動を続けている。
10代の頃、何にも縋るものがなかった自分が、唯一傾倒できた音楽を通して自分の世界に浸っていたのだが、長い事演奏したり音楽を聴いたりしていると人生の節々でターニングポイントとなった音楽がいくつかある。
今回は、そんな僕の人生に影響を与えターニングポイントとなった曲をいくつか紹介しようと思う。
なお、ジャンルはごちゃ混ぜ。
完全に自己満企画です、はい。
1.Rydeen / Yellow Magic Orchestra
自分の音楽の原点。
忘れもしない中学校1年の冬休み、自分の兄が部屋で聴いていたYMOのサウンドに惹かれどっぷりとハマり、そこから自分の音楽人生はスタートした。
元々ピアノは習っていたので、よく真似してピアノでRydeenを弾いてたっけ。
聴いたこともない電子音の塊、だけどどこか温かみがあるような、重厚感もあるような…中1の自分にはとにかく衝撃的過ぎる出会いだった。
ちなみに今では僕のメイン楽器はトロンボーンなのだが、トロンボーンを始めたのもYMOがきっかけだったりする。
もちろんリアルタイム世代ではない。
2.Truth / T-SQUARE
何がキッカケで聴きだしたか忘れてしまったが(多分ピアノの先生の影響)、YMOとほぼ同時期くらいに聴き始めたT-SQUARE。
YMOと違い全ての曲を網羅している訳では無いというにわかっぷりだが、この歳になるまでの音楽観に深く影響を与える事になったのがこのTruthだった。
中学の学祭の出し物で友達とバンドを組みこの曲を演奏し、生徒たちよりも先生たちが盛り上がってしまうというオタクっぷりを発揮してしまった思い出深い曲でもある。
T-SQUAREが好きすぎてEWIという楽器(電子サックスみたいなやつ)も高校の時に親に買ってもらった。
この頃がキッカケとなり、他のフュージョンやジャズも聴くようになった。
極稀に作曲もする自分だが、元このバンドのキーボーディストの和泉宏隆さんに多大なる影響を受けている。
3.The Last Emperor / 坂本龍一
YMOと別口での紹介になるが、自分の世界観として一番影響を受けたのは坂本龍一さんかもしれない。
他にもEnergy flowや戦場のメリークリスマスなど有名な曲はあるが、この「1996」というアルバムバージョンのこの曲が狂おしいほどに好きだ。
たしかこのアルバムを聴き始めたのは高校くらいだったが、弦楽器とピアノのアンサンブルに胸が熱くなったのを覚えているし、なんなら今聴いても涙が出てくる。
このアルバムを聴いていた時期、僕は初めて鬱を患った。
息も絶え絶え必死に生きていた時期、坂本龍一さんの曲達が天から降りる一本の蜘蛛の糸のような感覚だった。
4.Find the colour / Feeder
鬱で高校を休学…そんな最中、父の計らいによって3ヶ月間ほど急にカナダに住んでいる叔父の所へ強制送還されたのだが、その時期に聴いていた曲。
確か日産のエルグランドかなんかのCMソングだったような。
英語が分からないまま洋楽を聴いていて、ろくに歌詞も理解していなかったが、当時の自分はこの曲にキラキラとした物を感じていて、聴く度に何故か応援されているような気がしていた。自分への応援ソング的な曲。
カナダにいる間毎日何回も聴いていた。
既に自分自身を虐めまくる生き方が完成してしまった頃だが、この曲を聴いている間だけは前向きな気持ちになれた様な気がしていた。
5.It's for you / Pat Metheny & Lyle Mays
これも高校の時に聴いていた。
親友がCD-RにダビングしてくれたPat Methenyのベストアルバム「Works Ⅱ」の中に収録されていた一曲。
ここまでこの記事を見てくださった方はもうお気づきかもしれないが、自分は歌が無い曲に惹かれる傾向が強い。
けど、確かに曲からのメッセージというかそういうのは歌詞がない曲のほうが理解しやすいのだ。(そんな気がするだけかもしれないが)
少しだけ鬱が軽くなった頃、こんな人間になろう、そう決めたのがこの曲だった。
とにかく優しい、穏やか、大切なものを抱えたままゆっくり歩む感じ。
そのビジョンには未だまだ遠いけど、今でも大切な曲。
6.Eric Ewazen / Ballade for Bass Trombone, Harp and String Orchestra
ここで突然のクラシック。
大学でも鬱が猛威をふるい、2回目の2年生。
その年の実技試験で演奏したのがこの曲だった。
当時僕が師事していた師匠がメチャメチャ怖い先生だったんだけど、その先生が唯一「悪くないじゃん。ぺこらしさがやっと出たな。」と褒めてくれた一曲。
この曲は社会人になってからソロコンクールに挑戦した際に選んだ曲でもあるのだが、僕はこの曲で全国で2位になった。(1位該当者無し、実質最高位というやつ)
僕の演奏を聴いてくれた友人が「ぺこの演奏、星空の中に浮かんでる様な演奏だったね」と感想を述べてくれたのも印象に残ってる。
この曲と共にあれば大丈夫という感覚がある、僕のアイデンティティを象徴する曲。
(ちなみにYouTubeのどこかにコンクールの時の僕の演奏が上がってます)
7.Colors on the street / 和泉宏隆
このブログのタイトルにもなっている、元T-SQUARE和泉宏隆さんの曲。
この曲を聴いていたくらいの時期は写真を撮り始めたりイギリス留学を目指していたりと何かと変化の激しい時期で、そんな心穏やかじゃない(笑)最中に出会った一曲。
この曲を筆頭に、このアルバムに収録されている曲は、とにかく落ち込んだり後ろ向きに物事を考えがちな自分を柔らかく包んで、少しだけ前向きにしてくれる魔法の様な曲ばかり。
寄り添い、慰め、温かい、そんな感覚が合う。
先程も述べた様に和泉さんの作品にはとにかく影響を受けまくっているので、この先もずっと寄り添ってほしい、聴き続けたいと思っている一曲。
8.Midnight Summer / False Horizon
2019年頃かな。
とある人にギタギタに裏切られた出来事があり、失意のどん底に落ちたその翌日、以前から好きで聴いていたイランの音楽プロジェクトFalse HorizonのMoeinからインスタのDMが届いた。
その内容は「次のシングルのアートワークにぺこの写真を使いたい」というもの。目を疑ったし、裏切られた後で疑心暗鬼になっていた自分は最初「何の冗談だ…?」という感想しか持てなかった笑
しかしアレよアレよという間に話は進み、実際に僕の写真が本当に曲アートワークに使われた。
それどころか、これの次に発売したアルバムのブックレットの写真まで僕が担当させてもらった。
実はこれが、僕が個人事業主でカメラマンを始めたきっかけの出来事。
聴くと胸が熱くなるような、心強いような、思い出込みで特別な一曲。
9.All is soft inside / AURORA
え、最近紹介したばかりじゃんって?
いやいや、その位この曲の存在はターニングポイントになったんです。
最近一番ハマっているノルウェーの歌姫、AURORA。
人間の心の有り様を描き、寄り添い、曲を聴いた人に一人じゃない、あなたはそのままで完璧だと思わせてくれるのが彼女の音楽。
まだまだ常人より弱い部分だらけだが、鬱が酷かった時期も乗り越え、ここからまた心を成長させていきたい…もっと素直に自由に生きたい!と思っていた時に出会った曲。
歌詞の和訳を読んだ時、「これ、自分の為の歌じゃん!」って思った。これが運命かと思った笑
生きづら過ぎるこの世の中を、なんとなく一緒に闘ってくれると感じるような、そんな一曲。
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いや、本当はさ?まだまだ紹介したい曲沢山あるんだけどさ?
もう本当にきりが無いから、僕の中で代表的なこの9曲に留めておくわ。
書いてて思ったんだけど……今までの自分は心の足りない部分とか不安や恐れを音楽に触れることで補ってたのが強かったんだね。
そりゃ音楽が重要な存在になるよね。
でもここ最近はいい音楽と一緒に寄り添って生きたいって気持ちが強くて、音楽への依存から共存になってるのかもなって思った。
そしてそれは写真も同じ。
足りない物を補う表現から、寄り添うための表現に変わっていきたいなと思ってるし、多分そうなってきてるんだよね。
なんというか……ここまでえらい時間かかったな、という感じ。まぁいいけどさ。
出来れば一生音楽も写真も大切に生きて行きたいなー。