本日ウィーンのセンセイの特別Lesson。
 
センセイと直接やり取りをしての
完全プライベートレッスンという、
まだ去年の夏からウィーン滞在を経てもなお、
夢の中にいるようですが、
ムスメに接するセンセイは、有り難いことに
完全に「自分の弟子」といった扱いで、
前回より成長している点と、ムスメの課題について、
手取り足取り妥協せず伝えてくださいました。
 
数日間隔で、今月はまだLessonを受ける
予定を組んで頂いているのですが、
その間に挟まった修学旅行
(一体全体いつパッキングをする時間があるのか、途方に暮れている)
や、自分のコンサート、勉強系の試験、
センセイのコンサートなど
夜遅くまでの予定がみっちりで。
 
今日はそんなヘヴィな週の幕開け月曜日だし、
Lessonのあとはすぐに帰宅して練習させ、
早めに休ませる予定だったのですが、
Lessonを終えた時に色々な話のついでに
とある(センセイの)来日公演の一つが、
早々にソールド・アウトにつき
チケットが取れなかった旨伝えたところ、
(結局それもとってくださったのだが)、
「今夜はどうしてる?」と。
 
・・今夜?
センセイの予定は、
くまなくチェックしているつもりだったので、
へっ?と、何の気なしにフリーですが?と応えると、
今日のコンサートに2人を招待するよ!と。
 
今日コンサートがあったとは知りませんでした!
(しかもその直前にLesson受けてるし)と伝えると、
「まぁ、、そう、とある完全シークレットというか、
極プライベートなものだから、誰も知らない」と、ニコリ。
 
かくして、時間を潰してムスメと伺った先は、、、
 

 
センセイは良く知っているご様子の
美術館名だったのですけれど、
ワタクシ聞いたことも、存在すら知らないところ。
 
この館内に、これまたシークレットのように
極上のサウンドのサロンがあり、いや、本当に
こんな響きの空間がこの世に存在してるんですか?!
と驚嘆のパーフェクトな構造のサロン。
 
そこには、世界に1台しかないという、
木材がすべてオリーブの木で造られているファツィオリ!!!
ピアノ椅子の脚までオリーブでした。(座面は白い革。)
 
今日はオール無伴奏だったのでしたが、
これまで音程のはずれていないコダーイを、
ワタシもムスメも聴いたことがないのですが、
それはもうパーフェクトそのもので、
パーフェクトを越えた先のコダーイなんて、
もはや想像の域でしかなかったので、
途中ムスメは呆気にとられながら、
「本当に一体何故、なんで、、、自分は
この人からLessonを受けているのだろうか」
と、本当にわからなくなってきたそうな。
 
ワタシもワタシで、
その小さな宇宙空間に身を委ねながら、
最前列の最もセンセイに近い席に座るよう促され、
センセイの息遣いを感じながら
微動だにせず食いついている自分のムスメを見ると、
・・・有り難さと、不思議さで、
本当に一体なんでなんだろう?と。
(笑)
 
密やかに集っていた人々は、
ほんの3~40名で割と高齢の方が多く、
・・もしや、やんごとなきお方かも??
と、一瞬身じろぎするようなハイソな空気。
(こちら、ムスメは一応制服、だけどワタシが・・。)
 
特にワタシなんて、多摩の奥地の
ただの冴えない子供だったというのに。
自分の人生に、
こんな交流が持てる期間が訪れているというのが、
とても不思議に、遠いことのように感じていました。
 
ムスメは、センセイに
「なんであの子を教え始めたんだろう?」と、
後悔させないようにやらなくては!と焦り始めました。
 
とはいえ終演後にセンセイに御礼をお伝えに行くと、
身に余るような、お世辞にも程があるような
強烈な励ましをもらい、すぐに調子に乗るムスメですが、
あと40年はコダーイを封印するとのこと。
このイメージを壊したくないのだそうで。
 
忘れられない夜となりました。