3月はライオンのようにやってきて立ち去るという
諺があるけれど、今日は文字通りライオンが到来して
大暴れしている一日だ。
あんなに午前中天気がよかったのに・・・

まもなく背を見せて去って行こうとする3月と入れ替わりに
昨日新潟から弟が帰ってきて、我が家は別の意味で大荒れ中。
それまでもGWやお正月には帰ってきていたけれど
今回は3年間新潟での酒造りの修行を終えてのご帰還。
来週末には再び広島へ半年の修行へ出かけるが
今年の末には7年間の一人暮しを終えて戻って来る。

弟は高校に入学すると同時に将来酒造りに携わりたいと
希望し、大学もその道へと直結する所を選んだ。
その目標へ向かってずんずん進んでいく姿は、
未だに将来どうなりたいのか、まだはっきり定まっていない
私には眩しく映り、そして同時に羨ましく思う。

慣れない地方での一人暮しは本当に大変だったのだろう、
彼は本当にたくましくなった。(頭の中身はどうだかね、マッタク)

小さい頃はお互い顔を合わせるやいなや、闘鶏場の鶏
のようにすぐ丁丁発止の火花飛び散る喧嘩をしていた。
でも今はお互い譲り合うって事を覚えたし、兄弟と言えども
それぞれ違う世界に身を置いているのでむやみに干渉もしなくなった。
それどころか、「どう思う?」、「どうすればいい?」って何かと頼られるようになった。
姉としては年上の冥利につきると思うけれど、あぁ私達の間にも幾星霜が流れたんだなぁ
と思わずにはいられなかった。

昔あまりにも私達がよく喧嘩をするので、その当時一緒に住んでいた従姉が
誕生日に「花咲き山のものがたり」という絵本を贈ってくれた。
本の詳しい内容はよく覚えていないけれど、一緒に添えられていたメッセージの
一文は今でも覚えている。
「○○ちゃんも、花咲き山に出てくる綾(主人公の少女)のように
弟を思いやるやさしい素直な心の持ち主になってね」という内容だった。
今なら少しは従姉の気持ちに応える事が出来るけれど
当時は本当にワガママではねっかえりだったので
ぷーっとふくれっつらをしていたっけ。
けれど、人にやさしくする、人を思いやるという事の私にとっての1番最初の
対象(サンドバックというべきか)がまぎれもなく弟だった。
身を張って教えてくれた私の幼い記憶の中の最初の人が弟だった。

白状してしまうが、今まで人に優しく自分ではしているつもりだったけれど
実はそうでもなかったらしい。(認めたくないけど)
けれどここ数年の間、仲間と呼べる友達に巡りあえてようやく人への優しさ、
思いやりということの本質がわかった。
もちろんこの仲間以外にも永年の親友、そして何よりも私を育ててくれた両親から
も両手で抱えきれないぐらいたくさんの事例を身をもって教えてもらった。

弟よ、長い道のりだったけれどようやくあなたのお姉さんはここまで
成長できたよ。
綾にほんの少しずつだけれど、近づけたよ。
これからも改めてよろしく、そして半年間がんばって修行して
くるんやで!




著者: 斎藤 隆介, 滝平 二郎
タイトル: 花咲き山ものがたり