昨日夕方、雨があがった後のなんだかちょっともやっと
するような中私は急ぎ足で阪急へと向かった。
一刻も早く着きたいというはやる気持ちを押さえて
食料品を買う人でごったがえす売り場をぬうようにして
エレベーターへと向かう。
6階に着くと、そこは先程のざわめきがうそのような
落ち着きに包まれていた。
扱う商品が家具や、美術品なので平日のこの時間帯は
ひっそりとしていた。
奥にあるホールに入ると、色々な形や色の宝石が
洪水のように、辺り一面にきらきらと輝いていた。
ホール内は、阪急の特選のちょっとこじんまりとした
アクセサリーフェアが開催されていた。
アクセサリーと言っても、何百万、何千万円という高価なものではなく
むしろ日常に気軽に使ったり、ちょっとした晴れの舞台にでも
つけられるような宝石がほとんど。
周囲を見渡し、お目当ての売り場へ。
「お久しぶりです、お元気でしたか。」と聞き覚えのある声が後ろから
聞こえてきた。
後ろを振り返ると、見慣れた笑顔の女性がにこにこしながら立っていた。
「あぁ、懐かしい。去年の秋以来ですよね。」
一通りの挨拶を済ませ、近況を語り合いながら
商品を見せてもらう。
彼女はジュエリーデザイナーで、お店は東京にあるのだけれど
年に2、3回関西へ展示会の為に出張する。
私がこの店のジュエリーと出会ったのは、2年前。
雑誌でいつも惹かれるジュエリーがあり、商品クレジットを見ると
いつもこのお店の名前が出ていたのだ。
一般のお店と違い、雑誌などにお店の紹介などはなく、わかるのは
巻末に載っている電話番号だけ。
2年前の夏東京へ行く事があったので,思いきって電話をし
場所を訪ねた。
渋谷の喧騒から抜け出し公会堂へと向かう。
ちょっと奥まった路地の入り口にお店はあった。
ちょっと重たい木の扉をそっと開けると、「うわぁぁ」
と思わず声が出てしまった。
お店の中は、デザイナーの作るジュエリーのように
どこかフランス的で、シック、コケットリー。
でも、一筋縄ではいかないちょっとスノップな、そして、商品の半分
以上を占める翡翠と珊瑚が醸し出すオリエンタルな香りがした。
「いらっしゃいませ、こんにちは。」と低い落ち着いた声がした。
お店のオーナーであり、デザイナーその人だった。
人の持つイメージとモノ、空間から醸し出される雰囲気が
これほどぴたりと重なるのを目にしたのは初めてだった。
彼女が扱う商品の大半は翡翠、珊瑚、真珠を主とする天然石から出来ている。
でもそれはかしこまったものではなく、日常でも気軽に付けられて、
同じに改まった場面でも使う事が出来る品格をもっている。
勿論天然石なので、価格はそれなりにするし
きらきら輝く石をつけこなすには、相当年季がいる事は一目でわかった。
私より母がすると、珊瑚や翡翠やけし粒パールはちょっとしわの入った
皮膚に思いのほか映え、華やかで、まろやかな光を放っていた。
その時は母に羨望すら覚えてしまった事を覚えている。
なので、ジュエリーを買うよりも、“見る”ことが目的で彼女を訪ねる。
私も彼女も無類のジュエリー好きなので、話始めると
あっという間に時間がたってしまう。
彼女がジュエリーを扱うその手つき、眼差しは、我が子をいとおしむ
ようにいつも温かく、やさしい。
「あぁ、この人は本当に自分の作ったモノを愛しているのだなぁ」
とちょっぴり羨ましくなってしまう。
家に帰ると、友達お勧めの和歌山の梅干が届いていた。
箱を開けるとこの上もなく,丁寧に梱包されたケースに
入った梅干達がきちんと並んでいた。
その包装は過剰なものではなく、運送中に梅が痛まないように
そしてお客様の手元には作ったときのままの状態で届くように
細心の注意を払った旨の一筆が添えられていた。
ほんのり甘酸っぱい梅干しを味わいながら、商品紹介のパンフレットを読むと、
この梅を作った人達もまた梅を我が子のように慈しんで、作っている事が伝わってきた。
自分達が心をこめて作った商品を大切に扱う姿にふれると
その心意気、気持ちが自然に伝わってくる。
モノを通じてパワー、元気が伝わってくるのだ。
「なんかこういうのって、いいなぁ」としみじみ感じた夜だった.。
読み終わった本: 小川洋子「博士の愛した数式」
ふわふわしていて、数字の魅力に思わず惹きこまれた本
この本を読んでいたら数学嫌いにならなかったかも。
するような中私は急ぎ足で阪急へと向かった。
一刻も早く着きたいというはやる気持ちを押さえて
食料品を買う人でごったがえす売り場をぬうようにして
エレベーターへと向かう。
6階に着くと、そこは先程のざわめきがうそのような
落ち着きに包まれていた。
扱う商品が家具や、美術品なので平日のこの時間帯は
ひっそりとしていた。
奥にあるホールに入ると、色々な形や色の宝石が
洪水のように、辺り一面にきらきらと輝いていた。
ホール内は、阪急の特選のちょっとこじんまりとした
アクセサリーフェアが開催されていた。
アクセサリーと言っても、何百万、何千万円という高価なものではなく
むしろ日常に気軽に使ったり、ちょっとした晴れの舞台にでも
つけられるような宝石がほとんど。
周囲を見渡し、お目当ての売り場へ。
「お久しぶりです、お元気でしたか。」と聞き覚えのある声が後ろから
聞こえてきた。
後ろを振り返ると、見慣れた笑顔の女性がにこにこしながら立っていた。
「あぁ、懐かしい。去年の秋以来ですよね。」
一通りの挨拶を済ませ、近況を語り合いながら
商品を見せてもらう。
彼女はジュエリーデザイナーで、お店は東京にあるのだけれど
年に2、3回関西へ展示会の為に出張する。
私がこの店のジュエリーと出会ったのは、2年前。
雑誌でいつも惹かれるジュエリーがあり、商品クレジットを見ると
いつもこのお店の名前が出ていたのだ。
一般のお店と違い、雑誌などにお店の紹介などはなく、わかるのは
巻末に載っている電話番号だけ。
2年前の夏東京へ行く事があったので,思いきって電話をし
場所を訪ねた。
渋谷の喧騒から抜け出し公会堂へと向かう。
ちょっと奥まった路地の入り口にお店はあった。
ちょっと重たい木の扉をそっと開けると、「うわぁぁ」
と思わず声が出てしまった。
お店の中は、デザイナーの作るジュエリーのように
どこかフランス的で、シック、コケットリー。
でも、一筋縄ではいかないちょっとスノップな、そして、商品の半分
以上を占める翡翠と珊瑚が醸し出すオリエンタルな香りがした。
「いらっしゃいませ、こんにちは。」と低い落ち着いた声がした。
お店のオーナーであり、デザイナーその人だった。
人の持つイメージとモノ、空間から醸し出される雰囲気が
これほどぴたりと重なるのを目にしたのは初めてだった。
彼女が扱う商品の大半は翡翠、珊瑚、真珠を主とする天然石から出来ている。
でもそれはかしこまったものではなく、日常でも気軽に付けられて、
同じに改まった場面でも使う事が出来る品格をもっている。
勿論天然石なので、価格はそれなりにするし
きらきら輝く石をつけこなすには、相当年季がいる事は一目でわかった。
私より母がすると、珊瑚や翡翠やけし粒パールはちょっとしわの入った
皮膚に思いのほか映え、華やかで、まろやかな光を放っていた。
その時は母に羨望すら覚えてしまった事を覚えている。
なので、ジュエリーを買うよりも、“見る”ことが目的で彼女を訪ねる。
私も彼女も無類のジュエリー好きなので、話始めると
あっという間に時間がたってしまう。
彼女がジュエリーを扱うその手つき、眼差しは、我が子をいとおしむ
ようにいつも温かく、やさしい。
「あぁ、この人は本当に自分の作ったモノを愛しているのだなぁ」
とちょっぴり羨ましくなってしまう。
家に帰ると、友達お勧めの和歌山の梅干が届いていた。
箱を開けるとこの上もなく,丁寧に梱包されたケースに
入った梅干達がきちんと並んでいた。
その包装は過剰なものではなく、運送中に梅が痛まないように
そしてお客様の手元には作ったときのままの状態で届くように
細心の注意を払った旨の一筆が添えられていた。
ほんのり甘酸っぱい梅干しを味わいながら、商品紹介のパンフレットを読むと、
この梅を作った人達もまた梅を我が子のように慈しんで、作っている事が伝わってきた。
自分達が心をこめて作った商品を大切に扱う姿にふれると
その心意気、気持ちが自然に伝わってくる。
モノを通じてパワー、元気が伝わってくるのだ。
「なんかこういうのって、いいなぁ」としみじみ感じた夜だった.。
読み終わった本: 小川洋子「博士の愛した数式」
ふわふわしていて、数字の魅力に思わず惹きこまれた本
この本を読んでいたら数学嫌いにならなかったかも。