漁師で家が豊かでなかった私は、

経済的理由で授業料免除となり、

奨学金をいただいての苦学生生活


先輩に誘われてラグビー部に入るも

試合中、タックルをくらい、血尿

その後、腎臓病とわかり半年ほどで退部。


そんな学生生活も終わり、

教員採用試験に合格、

自治体の面接もパスし、

教員採用通知が下宿に届く。


早速、親に合格と帰省を電話連絡。


母親も嬉しくて、スーパーの魚屋のご主人に

私が教員になることを話すと、

「えっ〜、

 あのピーちゃんが学校の先生かい???」

悪事、イタズラの限りを尽くした

あの悪ガキがと、

魚屋オバチャンもまわりのお客さんも騒然!


その後、私は喜び勇んで電車で帰省。

自宅最寄駅手前で乗り換え、

満席のため、吊り革につかまり、

故郷の景色を眺めていた。


すると、

「ピーナッツくんじゃない?

 今日は帰省なの?」

ふと目を落とすと、

なんとそこにいたのは

まさかのS先生


私は、その時までに、

教育実習、学習塾のアルバイトなどの

経験を積み、教えることの難しさを

ちょっぴりわかりはじめた頃


突然の邂逅に、

あの頃の思い出が一瞬で蘇る。


そして、

あれだけの悪ガキたちに、

イタズラされたり、

落とし穴で埋られたりしても、

子どもたちの成長の先を

ずっと見守ってくれたS先生

猛烈なリスペクトの気持ちが

溢れ出て、


「お久しぶりです。S先生‼︎

 ピーナッツは小学校教員になりました‼︎

と、腰が直角に曲がるほど最敬礼

その姿に周りの乗客も顔がほころぶ


「そう。おめでとう。

 いい先生になってね。」

私の仕事は終わったかなとでもいうように

微笑むS先生

まるで、すべてお見通しだったみたい。


その後、28年間教員を続け、

腎移植をして民間企業に再就職。

そして、今年還暦を迎えた。


S先生の思い出を書き綴りながら、

教育の仕事の奥行きの深さと素晴らしさ

改めて実感いたしました。


S先生の思い出話、

これにておしまい。