【整体師が身体を科学する⑥】寝ている間、首と背骨には何が起きているのか?
整体院ピーク銀座、院長の阿部淳一です。
「しっかり眠ったはずなのに、朝起きると首が重い」
「肩や背中がこわばっている」
このような経験はありませんか?
睡眠は、脳と身体を休ませる大切な時間です。
しかし、『眠っている時間が長ければ、身体も十分に休めているとは限りません』
今回は、睡眠中の首や背骨に何が起きているのかを、身体の構造から考えてみます。
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睡眠には、どのような働きがあるのか?
睡眠は、単に活動を止めている時間ではありません。
医学的に唯一の「三大効果」が決められているわけではありませんが、代表的な働きは、次の3つに整理できます。
① 脳と身体を休ませ、回復へ導く
睡眠中は、日中に働き続けた脳と身体を休ませ、翌日の活動に備えます。
身体の修復や代謝に関わるホルモンの分泌とも、睡眠は深く関係しています。
② 記憶を整理し、定着させる
私たちの脳は、眠っている間に、日中に得た情報や経験を整理します。
勉強した知識だけでなく、繰り返し練習した動作を覚えることにも睡眠が関わっています。
③ ホルモン・自律神経・免疫機能を調整する
睡眠は、ホルモン、自律神経、免疫、代謝など、身体全体の調整にも関わります。
つまり睡眠とは、何もしていない時間ではありません。
脳と身体が、翌日に向けて自らを整えている時間なのです。
では、その大切な時間に、首や背骨が不自然な位置で支えられていたらどうでしょうか?
「眠ること」と「身体が休みやすい姿勢で眠ること」は、必ずしも同じではありません。

睡眠中は「身体を支えるもの」が変わる
私たちが立っているとき、頭や身体は、筋肉と骨格によって支えられています。
ところが横になると、身体を支える役割の多くが、マットレスや枕へ移ります。
言い換えれば、『睡眠中の身体は寝具に預けられている』ということです。
横になれば、自動的に首が理想的な位置へ戻るわけではありません。
枕が高すぎれば首は前へ曲がりやすくなり、低すぎれば後ろへ反りやすくなります。
また、頭だけを持ち上げると、首の根元と背中の間に角度差が生まれる場合もあります。

眠っている間、首の筋肉はどうなるのか?
睡眠中も、すべての筋肉が完全に停止するわけではありません。
しかし、起きているときと比べると、姿勢を保つための筋肉の働きは変化します。
特にREM睡眠では、多くの骨格筋の緊張が強く抑えられます。
そのため睡眠中は、起きているとき以上に、枕やマットレスが頭と身体を支える環境が重要になります。
枕は身体を治療するものではありません。
しかし、睡眠中の頭と首の位置を支える「身体環境の一部」だと私は考えています。
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首は、首だけでできているわけではない
首のことを考えるとき、多くの人は、後頭部から肩までの細い部分だけを想像します。
しかし、身体の構造を見ると、頸椎は胸椎へ続き、胸椎は肋骨や胸郭につながり、その周囲を肩甲骨が動いています。
特に、頸椎7番と胸椎1番が接するC7・T1は、動きの大きい首と、胸郭に支えられた背中の境目です。
頭の位置が変われば首の角度が変わり、その影響は首の根元や上部胸椎にも及びます。
睡眠中の首を考えるには、
後頭部→頸椎→C7・T1→胸椎→肩甲骨
までを、ひと続きの構造として見る必要があります。
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枕の高さは、一つの数字では決められない
「自分には何センチの枕が合いますか?」
これは、施術の現場でもよく聞かれる質問です。
しかし、すべての人に共通する枕の高さを、一つの数字で決めることは困難です。
必要な高さや形は、
・後頭部の丸み
・首の長さや頸椎の弯曲
・胸郭の厚み
・肩幅
・マットレスへの沈み込み
・仰向けか横向きか
によって変わります。
仰向けでちょうどよい高さが、横向きでも合うとは限りません。
体格や寝姿勢が違う以上、枕にも高さや硬さを微調整できる余地が必要だと思います。
寝返りを妨げないことも大切
人は、一晩中同じ姿勢で眠っているわけではありません。
仰向けから横向きへ、横向きから反対側へと、無意識に寝返りをしています。
寝返りには、同じ場所に圧が集中し続けるのを避けたり、熱や湿度を調整したり、身体の位置を変えたりする意味があると考えられています。
大切なのは、身体を一つの姿勢に固定することではありません。
枕には、「支えること」と「動けること」の両方が必要です。
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なぜ、肩甲骨付近まで支える枕を作ったのか
私はこれまで、4万人以上の身体に触れ、首のつらさを訴える方を数多く見てきました。
その経験から感じてきたのは、首だけを見ていても、首の問題を十分に理解できないということです。
首は、頭と背中をつなぐ場所です。
だから睡眠中も、頭だけ、首だけではなく、その下に続く背中とのつながりを考える必要があります。
そこで私は、一般的な「頭を載せる枕」という発想を見直しました。
後頭部から首だけでなく、C7・T1を越えて肩甲骨付近までを一体として支える。
仰向けでは背中上部との空間を埋め、横向きでは外側の高さを利用する。
そして、使う方自身が中綿を動かしたり抜いたりして、高さと硬さを調整できるようにする。
あとは、枕がへたりにくく、長持ちすること。
この考えから生まれたのが、首のための整体設計枕「THERANECK」です。
目指したのは、首を強く押したり、無理に形を矯正したりすることではありません。
寝る時間を、首を休める時間へ。
それが、4万人以上の施術経験からたどり着いた、私の枕づくりの出発点です。

THERANECK詳細↓
まとめ
睡眠には、脳と身体の回復、記憶の整理、ホルモン・自律神経・免疫機能の調整など、大切な働きがあります。
しかし、睡眠時間だけでなく、その間に身体がどのように支えられているかも重要です。
枕は、単に頭を載せるための道具ではありません。
『睡眠中の頭・首・背中の位置関係を支える、身体環境の一部です』
朝起きたとき、首や肩に違和感を覚える方は、枕の高さだけでなく、首の根元から背中上部までがどのように支えられているかを、一度確認してみてください。
HPの本編では、睡眠と首・背骨の関係を、画像とともに詳しく解説しています。
▼「整体師が身体を科学する⑥」本編はこちら
https://peakginza.com/sleep-neck-spine-06
※本記事は、身体と睡眠の仕組みを一般向けに解説するものであり、病気の診断や治療を目的とするものではありません。痛みやしびれ、強い違和感が続く場合は、医療機関へご相談ください。
整体院ピーク銀座院長
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 スリープ サイエンス スペシャリスト
阿部淳一
