ピークオイル、石油ピーク、脱石油社会の生活(Peak oil、エネルギー資源、地球温暖化、CO2) -5ページ目

スマートグリッド展2011&次世代自動車産業展2011

 低炭素社会と経済成長の両立。この2つの課題を解決する手段として注目されるキーワードが「スマートグリッド」です。再生可能エネルギーの大量導入、効率的なエネルギーの需供給を制御するIT、エネルギー利用状況の可視化を実現する機器など、幅広い産業を網羅するスマートグリッドの普及は、スマートコミュニティやスマートシティと表現される新しいインフラ整備や街づくりのツールとして期待されています。

 また、日本の産業界のけん引役である自動車産業も、より環境に優しいクルマを世の中に送り出すため、変革のときを迎えています。自動車そのものが変わるだけでなく、動力の供給や蓄電技術により、インフラやものづくりなどあらゆる産業構造やシステムが変化を遂げることでしょう。

 2010年6月、日刊工業新聞社は、こうした時代の変化に応え「スマートグリッド展」と「次世代自動車産業展」を同時に開催しました。初開催にもかかわらず、186社・団体の出展者、38,000人を超える来場者を迎え好評を博しました。

 2回目となる同展は、よりビジネスとして成長していく現実性を帯び、ニーズとシーズの一層の交流が期待されます。日本企業はスマートグリッドや次世代自動車を構成する要素技術、システム構築に強い競争力を持ちます。各国企業もグローバルなイニシアティブの獲得に向け、競争はますます激しくなっています。

 新しい時代の要請に応え、開発された各社の優れた技術・サービスを是非ご覧いただければと思います。ご来場お待ち申し上げます。



主  催: 日刊工業新聞社   共  催:(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構
後  援: 内閣府、経済産業省、環境省、総務省、国土交通省、農林水産省、(独)産業技術総合研究所、(社)共同通信社
協  賛: (社)電子情報技術産業協会、(財)日本情報経済社会推進協会、(財)電力中央研究所、
(社)日本電気協会、(財)新エネルギー財団、(社)電気通信協会、(財)省エネルギーセンター、
(社)電気通信事業者協会、(社)日本電機工業会、(財)日本規格協会、(社)日本ガス協会、日本太陽エネルギー学会、
(社)電池工業会、(社)日本電気計測器工業会、(社)電気化学会、(社)太陽光発電協会、(社)電気学会、
(社)日本風力発電協会、(一社)情報通信ネットワーク産業協会、(社)ソーラーシステム振興協会、
(社)日本機械工業連合会、(社)日本建築学会、(社)日本エネルギー学会、(社)住宅生産団体連合会、
日本風力エネルギー協会、特定非営利活動法人産学連携推進機構、(社)創造再生研究所、応用物理学会

http://www.nikkan.co.jp/eve/smart/

EV・電気自動車、ハイブリッド、軽自動車のEPR(エネルギー収支比)

ガソリン自動車、ハイブリッド自動車の後の本命として電気自動車の開発と市場への投入を世界の自動車会社は主力を結集している。電気自動車のエネルギー収支分析の結果はどうか。電気自動車のEPR(出力/入力)は1.03 で、ガソリンの代わりに、電気を使うことで投入エネルギーが1/5 程度に節約できます。




しかし、車の製造エネルギー、バッテリーの製造エネルギーとしての投入エネルギーが大きいため低いエネルギー収支になります。




このため、先を見ている自動車会社は、車体を軽自動車にしています。これですと、EPRは2 以上に伸びます。軽自動車よりも小さな車体を目指しているところもあります。さらに、車体の寿命を10 年から20 年に延ばすことも検討しています。EPRは4 以上になる可能性があります。日本の車メーカーは、脱石油に向けて準備を本格化しています。




一方、これまでのガソリン自動車のエンジンを外して、鉛蓄電池などを積んだEV・電気自動車も走り始めました。各地のNPOや修理工場が対応しています。これもエネルギー収支からはおすすめです。新規の車体の製造エネルギーを考慮する必要が無く、入力エネルギーが減ります。




やっぱり、自転車ですね!通勤は電車など、公共の交通機関で!



http://homepage3.nifty.com/mohtysolutions/passpdf/lcainenergy.pdf


水説:ウサギ狩りの効率=潮田道夫 / 毎日新聞

「ウサギの限界則」というのをご存じ? フォルケ・ギュンターというスウェーデンの環境学者の造語である。

 この世に人間とウサギしかいないとする。あなたはウサギを食料とするほかない。だが、追いかけ回して疲労困憊(こんぱい)したのでは、ウサギを捕まえても、その肉から得られるカロリーでは栄養が足りず命をつないでいけない。

 ウサギ捕りに投資するエネルギーは、ウサギを食って得られるエネルギー未満でないといけない。それが生死を分ける。エネルギーの回収効率の重要性を教えている。

 しかし、ウラ技があるのですね。石油を燃料にバギーカーでウサギを追えば、楽に捕獲できる。自分の体力を消耗せずに済み、エネルギーの損得でおつりがくる。

 現代の文明がここまで栄えているのは、その「おつり」が大きいからだ。原子力が石油を上回るかに見えたが、おつりどころか借金の山を作ったのはご存じのとおり。石油などの化石燃料ほどエネルギーの質が高いものはない。

 石井吉徳東大名誉教授によれば「エネルギーは質がすべて」だ。海水中には莫大(ばくだい)なウラニウムが存在するが拡散しており利用できない。つまり「質が悪い」エネルギーは存在しないも同然なのだ。

 話を急ごう。菅直人首相が太陽光発電に熱心で、屋根という屋根に可能なかぎり太陽光パネルを載せたいという。これで発電の難しくなった原発を補おうというわけだ。

 太陽光発電のエネルギーとしての質はどうか。エネルギー収支比(EPR)という数字で判定する。1単位のエネルギーで3単位のエネルギーが得られればEPRは3。1以下だとウサギの限界則で分かるようにやるだけムダ。

 太陽光発電のEPRは5ぐらいで質はさほどでないといわれてきたが、推進派は最新型は10とか20に向上しているという。どれが正しいのか分からないので困惑する。

 しかし、はっきりしているのは、現状では補助金なしでは立ちゆかないエネルギーであるということだ。それを考えれば天然ガスや石炭に比べ「質の悪いエネルギー」と言わざるをえない。

 原発の比重低下で電力料金が上がり、工場が大挙海外移転しかねない情勢だ。だから再生可能エネルギーを増やそうと言う。それも一案だが、エネルギーの「質」が軽視されているのが解せない。原発の穴埋めは化石エネルギーが主役たらざるをえない。

 考えてもごらんなさい。太陽光エネルギーのバギーカーでウサギが捕れますか? 私はディーゼルエンジン搭載車に乗る。(専門編集委員)


http://mainichi.jp/select/opinion/ushioda/news/20110615ddm003070095000c.html