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ペアダ19のブログ

文章は苦手です。

 今回も回顧録を。

 2011年4月。東日本大震災発生から1ヶ月足らず。
桜の花びらが散り始めた頃だった。1日に何度か
スマートフォンが地震アラートを通知する。
電車で出かけて、もし大きな地震が発生したら
帰宅困難になる可能性がある。
まだ、そんな状況だった。それでもサッカーの試合に
飢えていたので夢の島競技場に向かった。

 高円宮杯U-18プレミアリーグ第1節
東京ヴェルディユース対コンサドーレ札幌U-18

 試合会場では募金活動が行われ
キックオフ前には犠牲者に対して黙祷が捧げられた。

 メインスタンドで観戦していると
隣の席に見たことがある若者が2名座った。

 東京ヴェルディユース 南秀仁 端山豪

 一瞬、我が目を疑った。なんでここに?
南は前年、高校2年生でトップチームに呼ばれ
Jリーグ初出場の試合で見事に得点を挙げた。
端山は10番を背負うチームのキープレイヤー。
その2人が私の隣に座っているのだ。

 2人とも怪我の影響で試合はベンチ外。
それは知っていたが、どうして私の隣に座ってくれたのか。
ただ単に空いていて観やすい場所だったからだろうけど。
本当に「2度見」という行為をしてしまった。

 平静を装いながらも、隣が気になる。
当然ながら2人の会話が耳に入ってくる。
これが衝撃的なものだった。

 目の前で戦うチーメイトのプレイひとつひとつに
的確な解析をしているのだ。サッカー脳の偏差値が
高いことを証明しているようだった。
私にとっては贅沢と呼べそうな解説者が2名いるのだ。

「君たち、ホントに高校生?」

 そんなセリフを飲み込みながら観戦していた。
試合はヴェルディが序盤こそリズムを掴んだが
コンサドーレのエースである榊が2得点を奪い
0-2で前半終了。コンサドーレのエースの存在は際立っていたが
目を奪われたのは左サイドバックの選手だった。

8番 前貴之

 恐れを知らないオーバーラップでチャンスを演出。
チーム全体を押し上げるような推進力。
コイツは敵ながら天晴、という出来だった。

 ハーフタイム、南と端山が急ぐように席を離れた。
その行く先は引き上げてくるチームメイトの元だった。
2点のビハインドだが、まだまだこれから
と鼓舞しているようだった。そして何人かの選手に
アドバイスをしている。おそらく前半スタンドから観て
気付いた点を細かく伝えているのだろう。

 後半はリードしているコンサドーレが攻勢に出るが
苦しい時間帯をしのいだヴェルディが反撃開始。
右サイドを駆け上がった田中貴大がシュート。
これがネットに突き刺さり1点差。さらに相手のミスから
ボールを奪い、一気呵成にゴールを強襲。
高木3兄弟の末っ子、大輔が同点弾。

 前半から目立っていたコンサドーレの左サイドバックの
オーバーラップ。それこそが驚異であり、隙でもあった。
空いたスペースを突き、生まれたのが
右サイドで対峙する田中の得点だった。
浮足立った相手を、さらに混乱させたのがドリブラー杉本竜士。
ボールを持てば必ず仕掛ける。痛快であった。

 その後はヴェルディが何度かゴールを脅かすも
得点は奪えず。2-2のまま試合終了。
後半の内容だと逆転しても不思議ではなかった。

 これは推測だが、南と端山の激励とアドバイスは
相当効いたのではないか、ということ。
それだけのスカウティングを彼らは遂行していた。
ベンチ外からでも戦える選手がいることは心強い。

 そんなこともあり、南と端山には期待せずには
いられなかった。南は翌年、トップチームに昇格。
なかなか結果を出せずに町田ゼルビアへレンタル移籍
したこともあったが、昨年から出場回数を増やし
今年はレギュラー格へ。ここまでチーム最多の6得点。
(7月22日現在)
プレーの幅が広がり、まだまだ飛躍しそうだ。
 端山は慶應義塾大学へ進学。2年生のとき
特別指定選手としてトップチームでJリーグデビュー。
4年生となった今年、ユニバーシアード代表に選ばれ
来年の進路に注目が集まる。当然ながらヴェルディに
帰還してくれると信じたいが果たしてどうか。

 敵ながら天晴だったコンサドーレの前も
しばらく芽が出なかったが
今年はコンスタントに出場しているようだ。

 育成年代の試合を観ることは多くの発見があり
成長して輝く姿を見続けることで思い入れも一層強くなる。
彼らの未来は、私達の夢でもある。

 東京ヴェルディは最優秀育成クラブ賞を2度も受賞している。
今後、1人でも多くプロ選手を輩出するために
声援を送ることは当然大事だが
夢への投資も忘れずに行っていきたい。

育成支援クラブ「緑の未来」(2015年度)募集のお知らせ