娘の時は、

出産当日から授乳指導がありました。

搾乳して、寝てばかりいる娘を起こし、

直接吸わせてから

ミルクを飲ませていました。

哺乳瓶を洗うところまで入れると、

1時間から1時間半はかかっていました。

母乳だけで足りるようになったのが

産後3か月半の頃です。

産後10か月で私が腰椎椎間板ヘルニアを

発症し、どうしても授乳の姿勢が

取れなくなった3日間の後、

娘に授乳しようと思ったら、

もうほとんど飲んでもらえず、

次の授乳で娘は

「私、もう、おっぱいは要らないよ」とでも

言いたそうなお顔をして、

卒乳となりました。あっさりし過ぎていて、

感慨も何もありませんでした(笑)。

 

 

そして今回、息子を出産し、

分娩台の上で、少しだけ

おっぱいをくわえてもらいました。

娘は吸てつ反射をお腹の中に

忘れてきたのかしら?というくらい、

吸う気がない赤ちゃんでしたが、

息子は痛いくらいしっかり吸おうと

してくれて、あまりの違いに驚きました。

当日は元々の病院の方針なのか、

私の腰や足の調子が悪いことを

考慮してのことなのか、

「しっかり休みましょう」と言われました。

 

翌日からは初乳だけでも飲んでもらおうと

思っていたところ、早朝からの

左足の激痛で全く歩けず、

車椅子で移動することになりました。

 

あまりの動けなさに、通常は

産後4日目での退院のところ、

退院延期のお話も出て、

カバサール(母乳の分泌を抑えるお薬)の

服用は早いほど効果が高いこと、

一度出るようになると母乳を止めるのも

難しくなることも説明されて、

何より私自身、足が痛すぎて

冷静に判断できなかったため、

強い痛み止めの服用を前提に

カバサールを飲むことも決め、

初乳を諦めて完全ミルクで育てることに

しました。

 

お昼頃に病室にカバサールが

届き、すぐに飲みました。

午後には整形外科の診察があり、

「処方、できるだけ盛っておきました」

と言われた通り、

かなり盛り盛りの内容になっていました。

・トアラセット

・プレガバリン

・セレコシキブ錠

・レバミピド錠(これは胃薬)

・ノイロトロピン錠

トアラセットとプレガバリンは母乳に移行

することが分かっているので授乳NGです。

18時頃に病室に届いて、飲みました。

 

トアラセットの副作用なのか、

プレガバリンの副作用なのか、

まずはフワフワ感が出て、

その後に強い眠気がありました。

かなり気を張り詰めていないと

ガクンと寝落ちしそうなレベルでした。

この日から(結局は退院まで)

夜間の赤ちゃんのお世話は

助産師さんにお任せして、

私はしっかり休ませていただくことに

なりました。

 

産後2日目には足の痛みも

少しはましになり、眠気にも慣れてきて、

歩けるときには自分で歩いて

授乳室まで行き、

おむつ替えをしたり、

ミルクを飲ませたりしました。そして、

一度も母乳を飲ませることなく

退院しました。

 

 

帰宅後、やけに腰が痛くて、

何とかシャワーを済ませてからは、

ずっと横になっていました。

思うように動けないこともあり、

家事育児は夫に全て頼っていて、

「私には何もできない。

私がいなくても誰も困らない」

とヤバい精神状態に突入します。

さらには、

「やっぱり初乳だけでもあげたかったな」

と今更なことを思うようになります。

というか、本当の自分の気持ちに

気付いてしまったのです。

せめて、整形外科処方のお薬を

飲み始めるまでの間だけでも、

母乳での授乳に挑戦すれば良かった

のではないか、移動のたびに車椅子を

用意していただくことに気が引けて

しまったけれど、入院中だからこそ

もっと助産師さんに助けてもらえば

色々とやり方はあったのではないか、

とあれこれ考えだしたら

止まらなくなりました。

 

そんな私が打開策として思いついたのが、

「よし、授乳しよう」というものでした。

この時点で産後6日目になっていました。

まずは状態の確認ということで、

試しに搾ってみました。

すると、にじむ程度で

「もう遅すぎたのかな」と思いました。

ところが、産後7日目の夕方、

急に胸がパンパンに張って、それなりの

量の母乳が出るようになりました。

自分に起きたことながらビックリ仰天です。

迷いながらも強い痛み止めは休薬して、

産後8日目から搾乳と授乳を始めました。

(※最後の内服から12時間以上

空けましたが、お薬の成分が母乳に

移行している可能性も考えて、

赤ちゃんの観察はしっかり行いました。

自己判断での休薬はダメです。

分かっています)

桶谷式の乳首を使って飲ませていた

とはいえ、息子はすでに哺乳瓶の乳首に

慣れているので、何となく嫌そうでしたが、

しっかり顎やお口を動かして

飲んでくれました。

産後9日目の夜には、搾乳しても

なかなか出てこなくて、腰の痛みも

強くなり、今度こそ限界だと思って

搾乳と授乳は止めて、

痛み止めの内服を再開しました。

たった2日間、でも、私にとっては

夢のような2日間でした。

その後は、ほとんど

胸は張らなくなりました。

産後10日目に整形外科の診察の予約を

していて、そこで休薬と授乳について

ご相談してからだったら、

さすがに母乳が枯れてしまって、

間に合わなかったと思います。

自己判断での休薬は本当はダメ

なのですが、今回はもう許してください…。

 

 

分娩台の上で少し吸ってもらった

のと、産後6日目に少し搾った以外、

産後には特に刺激はしなかったのに、

産後7日目から母乳が出たのは、

娘がそうなるように鍛えておいてくれた

からだと思います。初産だったら

こうはいかなかったでしょう。

娘と、娘が吸えるようにご指導くださった

助産師さん達のおかげです。感謝感謝。

 

母乳の与え方、そして授乳に対する気持ち

というのは、どんどん変化していって、

なかなか一筋縄ではいかないなと

娘のときに思っていました。今回も、

腰椎椎間板ヘルニアの治療のために、

いずれは強い痛み止めを飲み始めなくては

いけないことは分かっていて、それでも、

出産の翌日からいきなり症状が急激に悪化

するとは予想していなくて、

頭の中が大混乱でした。

初乳なしで完全ミルクで育てることが不安

なのではなくて、出産後の今しかできない

ことなのに挑戦しないで諦めてしまうことが

もったいなくて、悔しくて、

娘にはしてあげられたことが

息子にはしてあげられなくて申し訳なくて。

でも、今はもう気持ちは落ち着いています。

 

10か月と2日間、おつかれさま、

私のおっぱい。