お隣さんとの思い出。 | ぴぽたぬ記

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かわいいものが大好きです♡
最近はちいかわとコンビニアイスにはまっています!
絵を描いてラインスタンプ作ってますが、下手です。
でも、ブログの最初の頃に比べると少し上達した気がします。
ブログは、ちょっと様子おかしいことが多いです。

この時期になると、いつも思い出す「元」お隣さんがいる。

 

 

私が大学院生の頃、一人暮らしをしていたマンションの隣の部屋に、

彼は引っ越してきた。

 

 

「大学入学と同時に一人暮らしを始めるのだ」

彼は、お母さんと一緒にあいさつに来てくれた。

 

 

一人暮らしの賃貸マンションでご挨拶(それも親同伴)なんて、とても丁寧な子だなぁと思った。

 

 

***

 

彼の名前は堂本くん。

 

 

そのマンションでは堂本くん1人だけ、きちんと表札をつけていた。

 

 

これまた、とても丁寧な子だなぁと思った。

 

***

 

その頃の堂本くんは、髪も真っ黒で、とても真面目そうな印象だった。

 

 

大学入学当初は、お隣にお母さんが来ていたらしく、よく言い合いをする声が聞こえてきてた。

 

 

一人暮らしのマンションにお母さんがよく来るなんて、かわいらしいなぁと思ってた。

 

 

ところが、次第に堂本くんはおかしくなっていったのだ。

 

 

***

 

 

堂本くんは、軽音サークルに入り(多分)、ギター担当になったようで、

深夜まで練習をするようになった。

 

 

ちっとも上達しないのに、練習熱心なので、

ワンフレーズを永遠と繰り返し演奏する。

 

 

同じフレーズばかり繰り返されるので、

 

私も完璧に覚えてしまった。

 

 

私はギター弾けないし、

 

 

っていうか、そもそもギター持ってないけど、

 

 

私の方が先に上達するのではないか、と思った。

>イメージトレーニングの極み

 

 

夜な夜な聞こえてくるギターの音。

 

 

私がキーボードを弾いて、

堂本くんとセッションしようか、とも思った。

 

 

さらに、この話(深夜、お隣さんのギター練習が止まらない)を楽器ができる人に相談して

 

 

ドラム、ベースをできる人も私の部屋に呼んで、

 

 

堂本くんのギターと、一方的にバンド組んでしまったらどうだろうか?という話もしてた。

>怖すぎるだろ

 

 

***

 

 

しかし、堂本バンド(勝手に名付ける)が結成される前に、

堂本くんは、本物のバンドメンバーをマンションに呼ぶようになり、

 

 

深夜まで大声で騒ぐようになった。

 

 

やかましいなぁと思いながら、

「堂本くん、お友だちができたんだね。よかったね。」

 

という気持ちになった。

>恐怖の親心

 

でも、だいぶやかましかった。

 

 

***

 

 

堂本くんは金髪になり、

ベランダからはタバコのにおいがするようになった。

 

 

「堂本くん、すっかり変わっちゃったなぁ」

 

 

と思っていた頃、季節は冬になっていた。

 

 

 

***

 

その日は、節分の翌日だった。

 

朝、私が玄関の扉を開けると、

 

 

堂本くんの部屋の玄関の前に、

 

 

 

大量の豆が落ちていた。

 

 

 

「堂本くん・・・

 

 

豆・・・まいたんだ

 

 

私は、堂本くんが、節分という1年で1番盛り上がるイベント(※諸説あり)に参加していたことに、衝撃を受けた。

昔の日記を読み返してみた日のブログ

 

堂本くんは、すっかり悪い子になってしまったのかと思ってた。

 

 

でも、豆まくってことは、鬼を外にやろうとしてたわけで。

 

 

っていうことは、鬼怖がってるってわけで。

 

 

 

堂本くんが豆まきをしたことを知って、

 

私は、「お母さん!!おたくの息子さん!とてもいい子ですよ!!!」

 

そう言いたい気分だった。

>やめて

 

***

 

その後、桜が咲く前に堂本くんは引っ越してしまった。

 

 

大学を辞めてしまったのかもしれない。

 

 

でも、豆まきする人に悪い人はいないって昔から言うし、

>・・?

 

堂本くん、今頃どこかで頑張ってるんだろうな。

 

 

節分が近づくたびに、この、元お隣さんのことを思い出す。

 

 

そして、何より、

 

 

 

勝手にバンド組もうとしたり、

玄関前に大量の豆落ちてるの見て、豆まきしたんだ、と感動したり、

 

 

お隣に自分みたいな人が住んでたら絶対にやだ、と思うのだ。