去年の夏。
突如としてある欲求を抱いた。
「手作りのビーズのブレスレットをつけたい」
つければいいじゃない、
と思うことだろう。
しかし、そんな簡単な話ではない。
私にはそんな技術はない。
頑張ればビーズ食べることはできると思う。
でも、ブレスレットは作れない。
手先を使うということが、どうしてもできない。
ということで、職場の美少女Fさんに相談した。
「手作りのブレスレットが欲しいです。
でも作れないです。」
Fさんは、表情を変えずに言った。
「作りますよ」
・・・Fさん!!!!
何と、Fさんは、ブレスレット職人でもあった。
ブレスレットキットを買ってきて、Fさんに渡すと、
Fさんがそれを完成させ、私に返してくれるそうだ。
これぞキャッチアンドリリース!!
>違う
そうして、去年は、調子に乗って、
2つもブレスレットを作ってもらい、大満足の夏を過ごした。
しかし、1年経ってみると、
・・・なんかくすんでいる。
これじゃ今年の夏は越せない。
☆☆☆
私は葛藤した。
新作のブレスレットが欲しい。
でも自分では作りたくない。
今年の夏用の新作のブレスレットが欲しい。
でも、絶対に自分では作りたくない。
欲しい。
でも、どうしても自分では作りたくない。
ブレスレットが欲しい。
作るくらいなら、ビーズを食べた方がましだ。
新しいブレスレットが欲しい!!!
ビーズ食べる!!!
>話変わってきた
☆☆☆
困った時のFさんだ。
去年も作ってもらったのに。
2つも作ってもらったのに、また新作がほしいなんて、
厚かましいって怒られるかな・・・。
ドキドキしながらお願いに行った。
私「ビーズのブレスレットが欲し「作りますよ」
被せる感じで承諾を得た。
☆☆☆
去年は、パーツ屋さんにキットを買いに行ったが、
今年は横着をした。
Amazonで買って職場に直接届けた。
>めちゃくちゃ
職場に届いたビーズブレスレットキットを、
開けることもなくFさんに渡した。
翌日には完成品が机の上に置かれていた。
>恐ろしく仕事が早い
そしてかわいい🥹💖💖💖
しかし、少しだけ大きい。
完成したブレスレットは、大きさの調整ができないらしい。
少し小さめが欲しいなぁ・・・。
私は1個手に入れたことで、
もう止まらなくなっていた。
もっと欲しい・・もっと・・もっと・・・・
>何の妖怪
厚かましいと思いつつFさんに頼むと、
「たとえば・・たとえばもう1個とか「作りますよ」
再度、ブレスレットキットをAmazonで買い、
職場に直接届け、そのままFさんに渡す。
Fさんにブレスレットキットを渡した翌日、
前回より少し小さめの完成品が、
机の上に置かれていた。
>やはり仕事早い
・・・これだ!!!!
求めていたものはこれだ!!
テンション高くFさんに言う。
「これです!!この大きさです!!!」
Fさんは、やっぱりクールだった。
「よかったです。ではこの大きさで、残りも作りますね。」
☆☆☆
Fさんは、一切表に出さなかった。
私がとても大変なお願いをしているのに、
それを誰にも相談せず、
いつも通りに仕事をして、
いつも通りに颯爽と帰り、
その裏では、私のブレスレットを何個も完成させてくれていた。
一体誰が予想していただろう。
Fさん、裏であんなことしてるって・・。
>言い方よ
新しく加わった緑のビーズブレスレット。
新しく加わった青のブレスレット。
全部とてもかわいい。
Fさんには感謝しかない。
無事、今年の夏も越せそうだ。
>何の儀式