バタフライエフェクト
とても小さな出来事が、
予想もしなかった大きな出来事につながる現象。
☆☆☆
以前、1匹のカナブンが部屋に入ってきたために、
最終的に私は掛け布団を捨てた、という、とち狂った日記を書いた。
実は、この日、これだけでは終わっていなかった。
☆☆☆
私は、カナブンのせいで一睡もできないまま、
予約していた美容院に行った。
ヘッドスパとトリートメントで髪を小綺麗にしてもらい、
下ろし立てのワンピースを着て、
美容院からそのまま自転車で、参議院選挙の投票に向かった。
>カナブンとのたたかいは、7月10日の話
投票を終え、出口調査にも答え、
充実した気持ちで、
家に向かって、ペダルを踏み出した。
その時着ていた下ろし立てのワンピースとはこちら。
女子なら2秒でオチがわかるだろう。
そう、巻き込んだ。
>タイヤにスカートを
これでもか、というくらい巻き込み切った。
過去、数えきれないくらいロングスカートを自転車に巻き込んでいるが、
この日はすごかった。
寝ていないために、頭が働いておらず、
巻き込みを認識しながらも、
これ現実じゃないかも☆
と、限界までペダルを漕ぎ切った。
そして、
これ以上巻き込めないところまで巻き込んで、
ようやく止まった。
☆☆☆
止まった後は、なぜか冷静に、
自転車のタイヤを逆回転させることにより、
スカートの巻き込みを解消した。
私の下ろし立てのワンピース。
信じられないことに、
後ろ全て、破れていた。
それはもう驚くくらい綺麗に、
端から端まで破れていた。
しかし、裏地があるから大丈夫。
べろんべろんに破れたスカートの後ろを手でもって、
家に帰った。
>全然大丈夫ではない
☆☆☆
いつも思うのだが、
我ながら本当に本当にどうかしている。
どうして、巻き込み始めのすぐの時点で、
漕ぐのをやめなかったのだろうか。
あそこでやめておけば、まだ傷は小さくて済んだのに。
私は、後ろ半分の全てがちぎれてしまったワンピースを持って、
毎度おなじみ、マジックミシンに向かった。
>服のお直しのお店
☆☆☆
破れ切ったワンピースを見ても
マジックミシンのお姉さんは理由を聞かなかった。
こいつ、ジャングル通っただろ、
と思われてたと思う。
>ジャングルに不向きな格好
お姉さんは淡々と言った。
「範囲が広いので、ちょっとお高くなりますね。
そして、ここまでは縫い目に沿って破れてるんですけど、
ここからは、縫い目から外れて破れているので、
ここからは縫い合わせても、
あと、残ってしまいますね・・・。」
説明されても何もわからない。
言い値を払うしかない。
跡が残るという説明をしっかりと受け、
お直し代4620円を支払い、逃げるように帰った。
☆☆☆
そこからしばらくして、
マジックミシンのお姉さんから電話がかかってきた。
「あの日気づかなかったのですが、
下のところに、
別の破れが見つかりました。
これは、縫ってなおす、というのでは難しくて、
別の布を持ってきて、直さないといけません。
一度確認しながら説明させてもらえますか?」
布業界のことは1ミリもわからないし、
確認したところで絶対に「お願いします」以外の回答はないのだから、
「大丈夫です、いいようにしてください」とだけ答えた。
マジックミシンのお姉さんになら、
よくわからないアップリケ縫い付けられてても、
何も言わない。
>そこは言って
☆☆☆
仕上がったとの連絡を受けて、
ワンピースを取りに行った。
さすがのクオリティだった。
まずは、跡が残ると言われていた部分。
裏から見ると、
正直全くわからない!
さすがすぎる!!
さらに、後から報告された、別の破れは、多分ここ。
これも、全くわからない!
やっぱりすごすぎる。
きっと、ハサミで切り刻んだ布、持っていっても
綺麗に直してくれると思う。
私は、追加の1620円を支払い、大満足で帰宅した。
☆☆☆
夏用掛け布団代3000円、
スカートのお直し代6200円、
さらに、
冬がきたら、
本物の掛け布団も必要になるだろう。
カナブン1匹が高くついた。
>虫のせいにしないで