わらにもすがる、というのは、
どうにもならなくなったとき、
まったく頼りにならないものにもすがろうとすることのたとえである。
人はいつだって、何かにすがりたい。
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つい先日、友人から、
わら人形をご神木に打ちつけた人が逮捕された、というニュースが送られてきた。
私は、こんなニュースを教えてもらった、と職場の美少女Fさんに伝えた。
すると、Fさんは言った。
「気持ちはわかりますけど、これはいけませんねぇ
何事にも、お作法がありますからね」
・・・オサホウ?
私はFさんが一体何の気持ちを理解したのか疑問だったが、
それ以上に、わら人形のお作法に興味を持った。
私「待ってください、メモします!!
大事なことなんで!」
無駄そうに見えるものでも、いつ何時役に立つかわからない。
メモしておいて損はない。
F「まず、防犯カメラが多い時点でいけませんね。
人にみられる時点でいけません。」
Fさんは、とにかく仕事ができる。
スーパキャリア美少女である。
いつ何を聞いても、何でも教えてくれるが、
まさか、わら人形にまで詳しいとは思っていなかった。
私は、Fさんに必死で食らいつこうと思い、
一生懸命メモした。
「防犯カメラが多い」
>メモ下手くそすぎだろ
Fさんは、遠くを見つめながら続けた。
「でも、わら人形をするには、それなりに覚悟が必要です。
人をのろわば穴・・・・ですからね。」
私は、・・・のところがよく聞き取れなかったが、
メモを取ることで、しっかりと理解しているアピールをしようと思い、
メモをとった。
しかし、Fさんは見逃さなかった。
「違います!!!ちゃんと正確にメモしてください!!!!」
注意された。
「人をのろわば『穴を掘る』じゃないです、穴二つです!
穴は掘らないでください!」
私は、まだ掘ってもない穴のことで注意を受けた。
☆☆☆
Fさんは、基本的には何でも褒めてくれる人だ。
このニュースの件についても、
「あのわら人形は綺麗に作ってましたね。」
と褒めていた。
私は、わら人形業界には詳しくないので、
わら人形の出来栄え等を評価はできないが
あのFさんが言うのだから間違いない、と思った。
間違いなく私がやったら、バラバラのわらが散らばっておしまいだだろう。
わらを散らばしたところで、誰にも何の呪いもかけられない。
それでいいじゃないか。
誰に呪いをかけることができなくても、
誰かのために何かをできなくても、
今日を一生懸命生きることができたら、それだけで生きてる価値はあるだろう。
私は、今後、わら散らばし、を職業にしていこうと思う。
>逮捕