弟夫婦は再婚しても、一緒に暮らすことはしなかった。

義妹が暮らす実家に弟が顔を見せに行くという感じだった。

私達夫婦はクリシュナが生まれてすぐ実家の地域から遠く離れて暮らすことになった。

帰省にはそれなりの日数を要するので、実家に帰ることはほとんどなかった。

クリシュナが1歳半ころ、たまたま帰省した際、事は起こった。


弟から突然、姪を預かってくれないかと連絡が来た。

それまで弟夫婦はうまく行っているように思えた。

実際、二人目を妊娠したという連絡をもらったばかりの頃だったので、その連絡の真意は宗教のこととすぐに結びついた。

一年半ぶりに会う姪は人見知りすることなく、クリシュナと仲良く遊んだ。

お互い一人っ子の彼らにとって、一番近い、姉弟のような存在であり、今もその関係は続いている。


で、何があったかというと、突然義妹が子供を堕ろすと言い出したそうだ。

弟がなだめつつ話を聞くと、教祖様より、お腹の子に黒い影が見えると。

何かの障害を持って生まれるか、何かしら良くないことの表れだと言われたそうだ。

義妹は子供の父親である弟になんの相談もなく、堕ろすことを決めた。

そこから弟と宗教の間に亀裂が生じた。

弟が家庭や夫婦のことにまで口出しされたくないと、宗教から抜け出すと宣言すると、今度は手のひらを返したように、子供を堕ろす必要はないと言い出した。

それでも一度できてしまった亀裂を修復することはできず、堕ろす堕ろさないの押し問答の末、子供は自然と流れてしまう結果となった。

当然弟は疑った。

本当に初期流産だったのか、教祖様のお言葉を遂行したのか。

病院に行くと連絡が来た日、弟は病院の駐車場で、おそらく診察を受けたあとの義妹を見て、本当に初期流産だったのだろうと結論づけた。

(手術を受けたには病院を出てくる時間が早すぎると考えたそうだ)

このことをきっかけに、義妹は精神を病んでいき、弟との関係は再び悪化していった。

義妹が弟とのやり取りの中で、今後子供への虐待の可能性をほのめかしたため、姪の身の危険を察した弟はその足で保育園にいる姪を迎えに行き、私に姪の保護を頼んできた。

当時自営で仕事をしていた弟にとって、私達の帰省は本当にタイミングが良かった。

そして義妹は私達にも本性(?)を表し始めることになる。